ポケットモンスターバイオレットをプレイしてみて―

はじめに

今回はポケットモンスター最新作スカーレットバイオレット(以下ポケモンSV)についてのネタバレなしのレビューを書こうと思います。ちなみに、過去にポケットモンスターシャイニングパール(以下BDSP)や、Pokémon LEGEND's アルセウス(以下LA)などのレビューも書いております。もしよろしければご覧になってください。

ゲームのシステム面について

こちらでは、ゲームのシステム面についてのレビューをしていきたいと思います。初のオープンワールドと銘打って売り出されこちらの期待感もかなり高い状態で始まった今作ですが、その期待を上回ったかと言われればそうではないと個人的には感じました。
ここでは、オープンワールドといえばコレだろうと思う「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」(以下botw)と比較してみましょう。比較対象としてこれを出していいものかと思われるかもしれませんが如何せん私がプレイしたことのあるオープンワールドのゲームがこれとスカイリムしかないものでご容赦ください。
ポケモンSVではオープンワールドを前面に押し出し、行きたいところに行き、やりたいことをやれというようなスタンスで始まりましたが、行きたいところに行ってやりたいことをやったのは正直LAの方かもしれないとすら思います。今作は3つのルート(チャンピオンロード、レジェンドルート、スターダストストリート)を進んでいくように指示されますが、その3ルートの1つが欠けてはエンディングにたどり着けない挙句、1つずつのルートに意味を持たせている(チャンピオンロードではポケモンの捕獲率と、いうことをきくレベルの上限up、レジェンドルートではライドポケモンの能力開放、一部のスターダストストリートでは道を塞ぎ妨害してくるなど)ために無視して進むというのが難しい構成になっています。実際、私もチャンピオンロードを優先して進めようと思っていましたが、結局3ルートほぼ同時進行の形となりました。つまり、botwでは4つの場所に自由に行けたのがポケモンSVではほとんど決まった順番で決まったルートを行くように仕向けられています。これではオープンワールドの良さを生かしているとは言い難いでしょう。
ポケモンSVのさらなる問題点としてエリアごとに出現するポケモンのレベル帯が決まってしまっているということがあげられます。botwでは進行に応じて敵の強さも変わります(もちろんエリアによって変わるところもあります)。また、攻略の順番がほぼ決まっているということから、ジムバッジ何個目だからこの難易度ですという方式ではなく、ジムの難易度はこれくらいなのでプレイヤーはちゃんと考えて来てねという方式であるというのにも自由さの面ではかなり縛られていると感じます。
さらに、今作では戦闘アニメを見ない設定にできません。シームレスで淡泊な技エフェクトになってはいますが効率的には悪いです。また、バグも多く何度かエラー落ちを体験しました。botwはWii Uでも動いていたあたりから(バグも散見されはしましたが)エラー落ちは無かったように思います。LAでよく発生していたポケモンが岩に埋まるという問題も全く解決しておらず、前作を生かせていないのではないかとすら思わせます。しかし、今作が面白くなかったかと言われればそうではありません。むしろ、歴代最高のストーリーだったといえます。

ゲームとしての難易度

ポケモンは今でこそ子ども向けですが、私のような大きな子どもたちもプレイヤーとしてはいます。そこで気になるのはどのくらいの難しさなのかという点です。結論から言うと難易度に関しては中の下くらいだと思います。歴代で一番難しかったのをLAとするとBWくらいの難易度かなあという感じです。剣盾よりはキツかったかもしれません(主にラストバトルのせいです)。今作はやはりポケモンバトルが盛んです。しかし、ポケモントレーナーたちは目があっても勝負を仕掛けてきません。こちらが意図的に勝負を仕掛けなければバトルにはならないため、経験値不足には陥りやすいです(特に野生のポケモンに目もくれずに進む場合には)。ただ、ポケモンSVでは野生のポケモンたちがシンボルエンカウントで出現するため、野生ポケモンを避けて通るプレイヤーはなかなかいないと思います。そして野生ポケモンとエンカウントを繰り返したり、新システムレッツゴーを使ってポケモンを倒していると自然とレベルも上がってしまうのでこうした点も踏まえ中の下くらいの難易度であると評価します。

ストーリー面

ここから先はストーリー(シナリオ)に関して述べていきたいと思います。私としては、歴代最高のストーリーはBWで次点でLAかなあと思っている人間ですが、今作は間違いなく歴代最高のストーリーと言っていいでしょう。何故なら私が普通に感動したからです。私のゲーム実況では全く表に出ていませんが、めちゃくちゃ感動しています。最後のセリフ読みとか結構キツかったです。特に何の期待もしていなかったスターダストストリートのストーリーは思った以上に作られていて、とある人物を立たせるためにも非常によくできているストーリーでした。
そして、ネタバレを避けなければならないので言及は避けますが本当に最後は感動しました(ちなみにスターダストストリートの時点でかなり感動はしていました)。
詳しくは語れませんが、主人公が全て間に合わなかった世界と一部では言われていて確かにその通りであると感じます。ペパーもネモもそしてスター団たちも主人公がもう少し早くいれば全てのことは起こらずに済んだのかもしれません。しかし、そこも含めてポケモンSVです。非常に良いストーリーなの是非、プレイしてみてください。今作はストーリーだけで人に勧められるくらいのゲームです。

対戦面

さて、ここまで書いてきましたが新要素であるテラスタルに触れていませんね。新たなバトルのゲームシステムとして今作追加されたのがテラスタルです。テラスタルとは、ポケモンをタイプの結晶で覆い、タイプすらも置き換えてしまうという新要素です。つまり、我が相棒のルカリオくんは鋼格闘タイプですが、テラスタイプが格闘の場合はテラスタルすると格闘単タイプになります。そしてこのテラスタルはタイプ18種類通りあり、戦術の幅を広げる要素になっています。特に今作のトレーラーにもありました「噓から出た真!」とウソッキーが見た目そのものの草タイプになったり、とにかくジムリーダーもテラスタルを巧みに使って勝負してきます(慣れずに二連続で最後のポケモンがテラスタルするの忘れて元のタイプの弱点突けるポケモンに交替するミスをしました)。そういうわけで対戦面においてはテラスタイプによって戦術の幅が大きく広がり、激戦を繰り広げることが出来る状態になっています。私はランクバトルで6連敗ほどしております。アーマーガアだよこの。ちなみに新ポケモンや新特性も沢山あるので是非皆さんもランクバトルしましょう。

結論

さて、今作のネタバレなしレビューを書いてきましたが結論から申しますと今作もとっても良い作品でした。ストーリーに関しては申し分なしの出来ですし、新要素であるテラスタルも非常に面白い仕様だと思います。時折エラー落ちしたり、バグが起きたり(意図せず壁抜けしたり床抜けしたりしたこともあります)する点に目を瞑れば歴代最高傑作であったと言っても過言ではないでしょう。思えばスカイリムもバグは沢山あるしそこ含めて愛せるゲームだからね。
というわけで、今作のレビューは歴代最高傑作と言っていいほどによく作られたゲームでした。以上!お読みくださりありがとうございました。