豊田市足助「重伝建地区選定10周年事業」第8回 実行委員会議 メモ
2021年12月17日、「重伝建地区選定10周年事業」の第8回目の実行委員会議が足助支所にて開催されました。
▼実行委員会のこれまでの活動実績や、これからの活動スケジュールについては、コチラ
8回目となる今回の会議では、まずファシリテーターの堀部篤樹支援員による、前回会議のふりかえりを行いました。
次に、足助のこどもたちをテーマとして、足助の町並みを使った各学校の総合学習の取り組みを紹介したうえで、ワークショップを行いました。
また、第4回会議で話しあった『足助の町並みの良さをつたえる本(仮)』や、本事業のキャッチコピーを元にしたポスター制作の進捗状況についてのお話しをしました。
最後に連絡事項として、足助の町並みをフィールドとした各種企画・イベントや、次回以降の会議の予定について、お知らせをしました。
皆さんには、あらかじめ配布した書面にコメントを書いてもらい、意見集約をはかることにしました。
【Review / 前回会議のふりかえり】
ファシリテーターの堀部支援員による、前回会議のふりかえり。
今年度は隔月で開催していた実行委員会議ですが、11月は例年賑わいをみせる「香嵐渓もみじまつり」の影響も考慮して急遽延期。2か月ぶりの会議でした。
まず、前回の第7回会議にて行った空き家に関するワークショップで出された意見や、会議後に提出いただいた「コメント票」をマッピングした資料を見ながらお話しをしました。
実家委員会の皆さんで話し合った、足助の町並み内にある「気になる空き家」。地図上にプロットしてみると、やはり少なくない数の空き家が町並み内に点在していることがわかります。知らないうちに身近なところで空き家が増えていることに、驚いている実行委員も見受けられました。
「空き家情報バンク」や「足助町家情報ネットワークあきびと座」などの空き家活用制度があるにも関わらず、制度への登録があまり進まない理由については、所有者の都合や心情が影響していたり、制度の情報がうまく伝わっていないのではないか、といった意見がありました。
空き家活用制度の登録数を増やすには、登録するメリットについて所有者に伝えること。また、空き家を活用してにぎわいをつくっていくためには、こどもや大人の集まれる場所をつくる、などといった提案がありました。
このワークショップを機に、これまであまり地域住民ベースで議論することの少なかった空き家の問題について、話し合うことができました。
最終的には、個々の空き家をもつ所有者の理解が得られなければ、物事は進みません。引き続き、地域住民と行政が連携し合いながら、少しずつでも地道な改善を進めていけたらと思います。
【Think about a Children / こどもについて考えてみよう】
これまでの会議のなかでも、実行委員の皆さんから数多くの関心が寄せられた「こども」が、今回の会議テーマです。
長年、足助小学校をはじめ各学校の総合学習授業で講師を務めてきた堀部支援員より、こどもと足助の町並みの関わりについて、お話しをしました。
▶︎豊田市 文化財課「郷土学習スクールサポート」
…足助では、平成17年の市町村合併で豊田市となる以前の東加茂郡足助町時代から、学校教育のなかで郷土史を学ぶことを大事にしてきた歴史があります。
例えば、昭和47年から平成16年にかけて6版まで改訂刊行された小学校教科書の副読本『あすけ』は、社会科編、総合編、歴史編、自然編の4部にわけて構成された、東加茂郡足助町全体を概観できる教材として知られています。
そうした土壌もあるなかで、平成23年に足助の町並みが、国の重要伝統的建造物群保存地区(通称「重伝建」)に選定されます。
このことをきっかけとして、地元に住むこどもたちに足助の町並みに対する理解を深めていってほしいという思いから、平成25〜27年度にかけて、豊田市と名古屋市立大学の共働で、足助の町並みをフィールドとした数々のワークショップを実践してきました。
この3年間の取り組みは、足助小学校をはじめとした一部の学校の総合学習授業で取り入れられ、その成果は『重伝建「足助の町並」を活用した学習ガイドブック』として取りまとめられています。
この学習ガイドブックでは、足助の歴史や町並みの特徴をはじめ、重伝建についてや昔の道具の使い方に至るまで、足助の町並みを知るための多岐に渡る解説がわかりやすく書かれています。
また、総合学習授業の一環で実践してきた具体的な学習プログラムの例も載せてあります。
各学習プログラムは、「ねらい」「対象学年」「関連教科」「時間数」「プログラム(スケジュール)」などの目安を示しており、学校の授業に組み込みやすいように配慮した構成となっています。
スタンプラリーやクイズといった身体や頭を使う形式も取り入れつつ、こどもたちが楽しみながら足助の町並みについて学べるよう、さまざまな工夫を凝らしています。
この足助の町並みをフィールドとした取り組みは、JIA(公益社団法人 日本建築家協会)主催の、こどもを対象とした建築やまちづくりの教育活動を評価する「JIA ゴールデンキューブ賞」の特別賞を2014年に受賞しています。
受賞時のプロジェクト名は「文化財を活用した建築・まち学習支援プロジェクト 豊田市足助の魅力を発信」でした。
また、この足助の町並みをフィールドとした取り組みは、平成28年度以降、豊田市の文化財課(豊田市郷土資料館)が行う「郷土学習スクールサポート」の一環という位置づけに移行して、足助小学校を中心に、現在に至るまで継続的に実施されています。
なお、3年間の活動に主体的に関わっていた堀部支援員(当時、名古屋市立大学研究員)には、引き続き、足助の町並みに関わるさまざまな取り組みに関わってもらっています。
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こうした経緯もあって、これまでにも足助のこどもたちはいろいろなかたちで成果を残してきました。
今回の会議では、その成果の一部を実行委員会で共有しました。
▶︎豊田市立足助小学校「生活科・総合学習発表会 足助をゆく」
…近年の足助小学校では、毎年度の総合学習授業に足助の町並みを活用した学習プログラムを組み込んでおり、さらに6年生クラスでは、その経験を活かしてこどもたちが主体的に制作や提案を行う機会を設けています。
その年々で、課題テーマや発表スタイルなどは多少変わることはありますが、大枠の方向性は毎年一貫しています。
今回の会議では、過去数年間のこどもたちの発表資料のなかから、特に足助の町並みについて調べてくれているものを抜粋して紹介しました。
こどもたち自身が学び、考えてつくった発表資料のなかには、感想と今後の課題として、こんな言葉が書かれていました。
▶︎豊田市立足助中学校「総合学習授業 足助にこりんかるた」
…前述した学習プログラムを実践するなかで、実際に制作し、販売するにまで至ったものもあります。それが平成25年度に足助中学校3年生が制作した「足助にこりんかるた」です。
この「まちなみ かるた をつくろう!」という学習プログラムでは、中学3年生を対象学年として、自分の住むまちにちなんだ「地域かるた」をつくりました。
こどもたちが読み札や絵札をつくる過程を通して、言語表現や視覚表現を学びながら、地域の特徴を調べたり、地域に対する興味や愛着をもつきっかけをつくることがねらいです。
この「足助にこりんかるた」は、現在も豊田市の文化財課足助分室にて、ワンコイン500円で販売しています。
ちなみに、わが家でも試しに4歳の長男に遊んでもらいましたが、保育園児でも十分使える仕上がりとなっていることを、あらためて確認できました。
▶︎豊田市立足助小学校「生活科・総合学習 小学生用 足助かんこうマップ」
…昨年度(令和2年度)に足助小学校6年生の総合学習における提案のなかでも、現在も活用されているものが「小学生用 足助かんこうマップ」です。
このマップをつくったグループは、まず秋の観光地として有名な香嵐渓以外にも、足助の町並みの良いところを知ってもらいたいと考えたそうです。
そこで、足助の良いところを伝えるためのマップをつくれば、インターネットにも載せることができ、町並みを訪れた人が手にとって見たり、持ち帰っていろいろな人に紹介もできるかもしれない…。足助には、既にいくつかのマップがありましたが、小学生向けのマップは無かったことから、制作に至りました。
この「小学生用 足助かんこうマップ」は、本事業の実行委員長で豊田市足助観光協会(以下「観光協会」)の長でもある田口会長にも大変気に入られ、現在では、観光協会公認の観光マップとなりました。
既にある大人向けの観光マップでは紹介されていなかった駄菓子屋さんやお菓子屋さんなどの情報もたくさん掲載されているところが、小学校ならではの視点でとても興味をそそります。
今年度の12月に、豊田市立土橋小学校3年生が課外授業で足助の町並みを訪れた際にも、こどもたちはあらかじめ配布された「小学生用 足助かんこうマップ」を片手に、町並み散策を行っていました。
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このようにして、これまでにも足助のこどもたちはいろいろなかたちで成果を残してきました。なかには、上記事例のとおり、こどもの成果を大人が支援してあげることによって、現在も使われ続けているものもあるのです。
足助の町並みが重伝建に選定されてから10年目を迎える今年度は、足助小学校、足助中学校、足助高校というそれぞれの学校が、足助の町並みに関わる活動を行ってくれることになりました。
そのなかでも、今回の会議では具体的な事例として、足助中学校3年生の「総合学習授業 ふるさと足助とともに」の活動経緯を紹介しました。
まず、足助中学校のこどもたちは、足助の町並みをフィールドとして、現状分析から課題解決の方法、そして実際に実行するまでの企画案を、こどもたち自身が考えるところからはじまりました。それらのフローをマッピングしてみたものが、以下の資料です。
こどもたちは、足助の町並みの現状分析として、観光客に良いところが伝わりづらい点を挙げ、その改善策として看板などをつくってPRすることを提案しました。
そのような率直な提案は、一方では的をえているものの、生活と商売が密接に関わる足助の町並みの本質的な良さをわかっていないと、観光協会の田口会長は感じたようです。そこで田口会長自ら、あらためてこどもたちを引き連れて、足助の町並みを案内する機会を設け、再び企画案を練り直すこととなりました。
その後、こどもたちは各グループごとに分かれて、さまざまな取り組みに中学生の立場で参画しました。
▶︎豊田市足助観光協会 YouTube「足助ちゃんねる」
…観光協会では、令和2年度末よりYouTubeアカウントを開設し、四季折々の地域の魅力について情報発信しています。
一方で、まだまだチャンネル登録者数が少ないという課題を解決すべく、足助中学校からも数名のこどもたちが番組に出演しました。
▶︎豊田市 企画課「山村の価値・魅力を考えるオンライン座談会」
…豊田市の企画課は、日本大学運営のもと、山村地域にある各学校のこどもたちとオンラインで結び、山村の価値や魅力について考える座談会を開催しました。
そこに豊田市内の5つの山村エリア(足助、旭、稲武、小原、下山)の中学生及び足助高校が参加し、こどもたち自身で自分たちの住む山村の未来について考えました。
▶︎愛知県立足助高校「#高校生が小学生の学びと観光プランをプロデュース」
…足助高校では、教師同士の交流がきっかけで、豊田市立前山小学校の課外授業の受け入れを行うこととなりました。そこで、豊田市や足助中学校などの協力も得ながら、高校生が主体となって小学生に足助の町並み案内を行う企画が設けられました。
この取り組みについての成果報告については、今のところ今年度の1月下旬頃に課題研究発表会というかたちで、執り行われる予定だそうです。
さまざまな取り組みに積極的な活動をしてくれた足助中学校のこどもたち。
しかしながら、各種活動の集大成として当初11月頃に予定していた活動報告会は、度重なる国や県の緊急事態宣言発令の影響により、やむなく今年度は中止の判断が下されました。
残念ながら最終的な活動のとりまとめはできませんでしたが、今年度の足助中学校3年生の活動の変遷は、単にこどもがアイデアを出すだけではなく、時には大人が支援をして、実際に実効性のある活動に繋げることの重要性をよく表してくれているのではないかと思います。
このようにして、足助の各学校では足助の町並みをフィールドとした取り組みを継続的に続けるなかで、こどもたちは学び、成長してきました。
その一方で、足助の町並み内の家庭や地域では、どのようにしてこどもたちの学びの機会が得られているのかについて、実行委員会で考えてみました。
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「学校」におけるこどもと足助の町並みの関わりについての説明を聞いたうえで、当日の参加者を2グループに分け、「家庭」や「地域」におけるこどもと足助の町並みの関わりについて考えるワークショップを行いました。
ワークショップの形式としては、あらかじめ4色のふせんを用意したうえで、4つの設問をひとつずつ、段階的に聞いていくかたちをとりました。
祖父母や親の代から、こどもや孫の代に至るまで、足助の町並みで暮らす地域住民は、代々どのように日々の生活を営んできたのでしょうか。
実行委員会の皆さん自身がこどもだった頃のことも思い出しながら、世代は違えど、同じ足助の町並みで遊んだ話を共有しました。
そうした会話のなかから、町並みの今と昔の変化を見比べながら、町並みから失われてしまったものや、これからも守り続けていきたいものをあぶり出していけたらと考えました。
そこでまず、最初の設問は以下のようなものとしました。ふせんに書かれた主な意見を一部抜粋します。
この設問では、皆さんの懐かしい記憶をたくさん思い出してもらうことができました。
自然豊かな足助ならではの、山や川での遊びはもちろん、町並み内の街道や路地を使ったさまざまな遊びが繰り広げられてきたことがよくわかります。なかには、少々危なっかしい遊びも含まれているかもしれませんが…。苦笑
ちなみに、何人の方から話のあった「橋の下の、秘密基地」は、足助小学校付近にあったそうで、よく小学校の下校中に寄り道をして遊んでいたそうです。これも今では、「家庭」「学校」いずれの立場としても、寄り道を許容できない風潮になっているように思われます。
次の設問は以下のようなものです。ふせんに書かれた主な意見を一部抜粋します。
この設問は、ひとつ前の設問にあるような、自然やまちを使ったこどもたちの遊びに対して、礼儀作法を教えたり、注意喚起を促す言葉が多く見受けられました。
そのうえで、最後の2つの設問は以下のようなものでした。ふせんに書かれた主な意見を一部抜粋します。
前半の2つの設問の流れから、こどもと大人が一緒になって、遊んだり学んだりすることに関する意見が多く挙げられました。
こどもたちの遊ぶ場所に関しては、前回の空き家をテーマにした会議でも、空き家や空き地の活用ができないかといった意見がでており、関心が高い要素なのかもしれません。
一方、まつりに関する意見が数多く出てくるところが足助らしいところ。長く女人禁制のルールを続けてきた足助まつりも、近年では人手が集まらずに山車を出せない町も出てくるなど、今後の継承に向けた課題もあるようです。
今回「こども」という、実行委員の関心が高かったテーマのワークショップでしたが、実行委員及び支援員の皆さんには積極的に意見を出していただきました。
また、会議後の「コメント票」では、今回の会議を通して感じた気づきや心のなかの想いについて、書いてもらえました。以下に、そのコメントを一部抜粋します。
事務局としては嬉しくなる言葉の数々。これも実行委員会の皆さんが、多忙ななか、毎月の会議に積極的に参加してもらえてこその賜物かと思います。
今後も、こうしたワークショップやコメント票のお話をふまえながら、引き続き、こどもにまつわる各種検討を進めていけたらと思います。
※ワークショップでふせんに書かれた全コメント及び「コメント票」にて集約した意見は、次回以降の会議にて共有予定です。
【Production of Book that tells the goodness of ASUKE / 『足助の町並みの良さをつたえる本(仮)』の制作】
本事業の成果報告書として、「足助の町並みに住んでみたい」「足助の町並みに住み続けていきたい」と思ってもらうきっかけとなるような内容の本にまとめたいと考え、現在進めているこの企画。
今回の会議では、足助の町並みで暮らしている6世帯の取材についての進捗状況や、今後予定している取材や座談会などの別途準備を進めている企画について、実行委員会で共有しました。
6世帯への取材や原稿の執筆については、3名の女性委員(以下「市民ライター」)に手分けをしてもらい、関係者間の日程調整ができた方から順次取材に入りはじめています。
市民ライターは、あらかじめ「とよたでつながるローカルメディア縁側」編集長のきうら支援員から、取材を記事にする際のライティングのコツなどを学んだうえで、取材に臨んでいます。
以下の写真は、先行して取材を終えた太田さんご一家の取材時の様子を撮影したものです。こうしてたくさんの笑顔が並んだ様子を見ていると、地域住民同士のインタビューだからこそ、リラックスして話しあえる話題もあるのかなと感じます。
地域住民(取材候補者)への取材や情報発信のプロセスに、地域住民(市民ライター / 実行委員)自身が関わることの意義をあらためて感じました。
年明けの残り3か月で、ひとつの本というカタチにまとめられるよう、引き続き、取材と制作を鋭意進めていきたいと思います。
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▶︎東京ニュース通信社『豊田市デイズ vol.4』
本事業と直接関わりがある取り組みではありませんが、約3年ほど前からシリーズ化されているライフスタイル雑誌『豊田市デイズ』の4号目が、11月29日に出版されました。
この本のなかでは、足助地区への移住例として、本事業でも取材を予定している鳥居さんや、豊田市内のSDGsの取り組みとして「足助の町並み(重要伝統的建造物群保存地区) / Save The Machinami(町並みを守る)」が紹介されています。
※取材先の推薦、写真などの参考資料の提供、文章の校正などは、本事業の事務局でもある豊田市文化財課足助分室にて、作業協力しました。
【Poster production using Logo mark & Catch phrase / ロゴマークとキャッチコピーを使ったポスター制作】
第4回会議にて正式に決定した、ロゴマークと3つのキャッチコピー。現在制作中のポスターデザインにも、このロゴマークとキャッチコピーを活かしていく予定です。
▼「足助重伝建地区選定10周年事業 ロゴマーク」
▼「足助重伝建地区選定10周年事業 キャッチコピー」
▼「足助重伝建地区選定10周年事業 ロゴマーク・キャッチコピー ダウンロードサイト」
※足助重伝建地区選定10周年ホームページ内
今回の会議では、前回会議にて椙山女学園大学4年生の堀田明来さんより提案のあったポスターのイメージ案を、さらにブラッシュアップして再提示しました。
いずれのイメージ案も、ポスターデザインのコンセプトについての簡単な説明を、下欄に記載することとしました。
▼「あかりのつながる町」ポスター案
これまで提案してきたイメージ案からの唯一の大きな変更点は、背景の写真が夜景ではなく、夕景になっている点です。
この修正は、実行委員会の意見をふまえたものですが、計画的に外灯を少なくしている足助の町並みにあっては、空の微妙な明るさが効果的に演出される夕暮れ時の撮影がベストだったのかもしれません。
▼「_きになる足助」ポスター案
前回会議にて、複数パターンを制作することとなった、「_きになる足助」バージョンのポスター。最終的には、「すきになる足助」「あきになる足助」「ときになる足助」「こきになる足助」という、4つのイメージ案を提案しました。
それぞれのイメージ案の背景になっている「中馬の像」「〆縄」「駒止め」「馬乗り鎮台」は、いずれも足助の町並みのどこかで発見できるモノたち。これらのポスターをきっかけに、同じ風景を探しながら、まち歩きをしてみるのも楽しいかもしれません。
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今回提示したイメージ案については、実行委員から数多くの賛同が意見が寄せられ、デザイン決定に至りました。あわせて、完成したポスターを貼る場所も募集したところ、欲しいと言ってくれる実行委員も現れました。
以下に、会議後の「コメント票」に書いてもらったコメントを一部抜粋します。
今後は、次回の会議までにいまだ未完成の「やい!おまん〜」ポスターを完成させ、全てのデザインを決定する予定です。例年、足助の町並みが多くの観光客で賑わう「中馬のおひなさん」が始まる頃までには、これらのポスターで足助の町並みをさらに彩ることができればと思います。
【Development of business for the 10th anniversary Project of the "Jyu-den-ken" / 重伝建地区選定10周年事業の展開】
重伝建地区選定10周年事業もいよいよ佳境を迎え、関連する各種取り組み事例も一段と増えてきました。それらをまとめて紹介したいと思います。
▶︎豊田市 文化財課「足助重伝建地区選定10周年事業 拓本あつめるプロジェクト in 足助」
8月に開催した第5回会議において、今年度、この10周年事業と連携した取り組みとして、豊田市の文化財課が足助をフィールドに開催を予定している4つの企画・イベントがあるとお知らせしていました。
今回の会議では、12月開催の足助の町並み内に残された石造物などの拓本を作成するワークショップについて、あらためて情報提供しました。
今回の足助をフィールドとしたワークショップは、豊田市博物館のプロジェクトの一環としても位置づけられています。
同じ豊田市の文化財課が取り組んでいる足助の「重伝建地区選定10周年事業」と相互に連携することで、これからの施設づくりやまちづくりに積極的に参加してもらえるプレーヤーの発掘などの相乗効果を期待したいです。
▶︎三河里旅「日帰り松平×足助ガイドツアー ちょっと贅沢で特別な御朱印旅」
6月に開催した第3回会議において、三河の山里でしか体験できないディープなローカルツアーを企画提案する「三河里旅」代表の鈴木支援員とともに、ローカルツアーをつくってみようというお話しをしていました。
その前段として、三河里旅が12月に別の企画として、足助とそのお隣の松平地区を舞台としたツアーを開催したことを紹介しました。
このツアーには、田口会長が足助のツアーガイドとして参加したり、浅井(美)委員がつとめる香嵐亭で昼食がふるまわれたりと、本事業にも縁のある取り組みといえます。
第3回会議で話しあった内容をベースにしたローカルツアーについては、2月か3月頃に別途行えるよう、現在準備中とのこと。進捗があり次第、実行委員会でも共有していきたいと思います。
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▶︎足助通信編集委員会『足助とつながる情報誌 あすけ通信』
足助の地域住民が構成する足助通信編集委員会では、『足助とつながる情報誌 あすけ通信』を年3回発行しています。
この情報誌は、進学や就職のために足助を離れて暮らすことになった方にも、足助とのつながりを持ち続けてほしいとの思いで、平成24年度に創刊されました。編集長の髙木伸泰さんは、本事業の支援員として、ホームページ制作やYouTubeチャンネルの開設を行うなど、大活躍してくれている方です。
11月発行のNo.38号では、豊田市文化財課足助分室の安藤由真主事のインタビューや、本事業のキックオフイベントを行った旧田口家住宅が紹介されています。
▶︎豊田市 文化財課足助分室『足助伝建かわら版』足助への想い
豊田市文化財課足助分室では、重伝建地区(足助の町並み)内での取り組みを伝える広報誌『足助伝建かわら版』を、四半期ごとに発行しています。
12月発行のNo.65号の「足助への想い」というコーナーでは、本事業の実行委員を務める川島めぐみさんが寄稿した文章が掲載されています。
川島委員は、実行委員メンバーで一緒に足助の町並みを歩いた第6回会議の経験をふまえて、文章を書いてくれました。本事業の取り組みをきっかけとして、生まれ育ったまちでの新たな発見を言葉にしてくれる地域住民の方がいることが、事務局としては何よりも嬉しいことです。
▶︎川村屋×椙山女学園大学「足助の釜カステラ」 / 足助中央商店街協同組合「足助マルシェ」
足助の町並み内を東西に横断する中馬街道沿いには、実に4軒もの和菓子屋さんがあることは、知る人ぞ知るところ。
そのうちの1軒である川村屋さんと、本事業の支援員を務める椙山女学園大学4年生の堀田明来さんと服部ほの華さん(生活環境デザイン学科 𣘺本雅好研究室)が協力して、新しいスイーツ「足助の釜カステラ」を開発しました。
この商品は、足助の町並み内にある神社「お釜稲荷」にちなんで考案されたもので、足助中央商店街協同組合が主催する11月21日の「足助マルシェ」にて、数量限定で販売(15個限定/税込1,000円)されました。
マルシェ当日は、商品は即完売したとのこと。もう少し数量を増やしても良かったのかもしれませんね。
ちなみに、足助マルシェは毎月第3週の日曜日に開催していますが、10月以降のチラシには毎回本事業のロゴマークをつけてくれています。さらには「歳末大売り出し&大抽選会」のチラシにまで「足助重伝建10」という文字が並んでおり、足助中央商店街協同組合さんには感謝しかありません。
【Next Step / 次回の会議へ向けて】
初回の会議から今回の会議に至る過程で、実行委員の皆さんは、日々暮らしている足助の町並みの特徴や制度、そして今後の課題などについても幅広く考えてきました。
令和3年11月8日(月)中日新聞の三河版(「豊田版」「西三河版」「東三河版」)の「MIKAWAサーチ」という特集でも、本事業の取組みを「幅広い世代が知恵絞る」という見出しで、取り上げてくれています。
年も明ければ、本事業も残すところあと3か月。
次回の会議では、これまでの会議で話しあってきたことをあらためて振り返りながら、実行委員だけでフリートークをする時間を用意したいと思っています。
あわせて、全種類のポスターを完成させながら、本格的に『足助の町並みの良さをつたえる本(仮)』の構成やレイアウトについても、具体的にまとめていきたいです。
さらには、足助小学校や足助高校など、こどもたちの取り組みを本事業に連動させたり、できれば次年度以降も見据えて、既存のまちづくり団体への提言などにも繋げていくことも必要となるのではと感じています。
まだまだやりたいこと、やるべきことは山積していますが、時間は有限です。
残された時間を最大限有効に活用して、足助の町並みの未来への見通しが少しでも明るいものと感じられるよう、本事業の集大成をつくりあげていきたいと思います。
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