iOS音ゲーをラグ無しでPC音声と同時に聞きながらキャプチャできる環境の解説
はじめに
この記事では、主にプロセカ等のiOS音ゲーを対象に、
「ゲーム音声のラグを極力減らして、PC音と同時にイヤホンから聞く」
「iPad/iPhoneの画面をキャプチャして、配信やDiscordの画面共有を行う」
2つを同時に実現するための環境について解説します。
注意点として、各製品はあくまで自分が現在使用している製品のため、ちょっと割高なものがあったりオーバースペックだったりするかもしれません。
代用品もたくさんあると思うので、各自ご検討ください。
それぞれの製品の品質には非常に満足しているので、迷っている場合はおすすめです。
端末について
11インチiPad Pro (第4世代) / iPadOS 17
iPhone 15 Pro / iOS 17
Lenovo製ゲーミングPC / Windows 10
(i9-10900K / RAM DDR4-3200 32GB / RTX 3080)
他にPS5やSwitchも接続していますが、そのあたりは割愛します。別記事に記載するかもしれません。
Type-C/HDMI変換アダプタ 500-KC038
iPad/iPhoneに直接つないでHDMI出力を行うのに使用しています。
○ iPadを充電しながら出力可能
HDMI出力のみを行えるアダプタやケーブルは安いのですが、やはり充電ができない(iPadは無線充電することもできない)のは、長時間のプレイに不便です。
多機能ドックのような商品でもよさそうですが、大きくなりがちなのと、信頼できる製品は少し高くつきそうだったので、小型かつ品質が良さそうなこちらの商品を使っています。
○ iOS17に対応
一部の商品で対応できていないものもあるようですが、この商品はiPad Pro とiPhone 15 Proのどちらでも問題なく使えています。
- 後継製品について
2023年9月に、後継製品として8K/60Hz(HDMI2.1)に対応した500-KC041が発売されていました。
ただし、そもそもiPad Proの映像出力がアプリは1080p/60Hz、映像も4K/60Hzまでしか対応していないようなので、今のところ500-KC038で十分そうです。
最近のAmazonのセールでも旧モデルのみがセール対象になっていたので、そちらを狙うほうがよさそう。
HDMI切替分配器 EHD-622Y
主に、iPadとゲーム機の間でキャプチャーボードへの入力を切り替えるのに使用しています。
(iPadのみをキャプチャする場合、この機器は不要です)
○ 2入力2出力の自動切替
自分は面倒くさがりなので、ボタンやリモコンでの入力切替を絶対にしたくないというのが大前提にあります。
この製品はしっかり自動切替してくれます。
一応切り替え機能とリモコンはついているのですが、使ったことはありません。
分配機能については、後述のZG01を使用する場合に、
HDMIのEDID等の兼ね合いでキャプチャーボードのパススルー端子からZG01に接続した方が安定するため、
キャプチャーボードへの入力前にモニタに分配するのに使っています。
(iOS端末のみであればモニタに映す必要はないと思うので、分配は不要です)
他にも、安いパススルーなしのキャプチャーボードを使う際に便利に使えると思うので、そういう用途でもおすすめです。
あと、これは個人的な印象ですが、安定性に影響するため、HDMI関連機器は外部電源があるものを選ぶのをおすすめします。
△ 4K60Hzまでの対応
iOS端末は前述の通り4K60Hzまでしか出力できませんが、PS5については4K120Hz(HDMI2.1)以上が出せるので、それには対応していません。
(他にも、HDRや色空間などが最高設定にならないなどがあるかも)
ただ、今のところあまり対応ゲームがないのと、そもそもPS5にそれに十分なスペックがない気がする(ぶっちゃけPCでいい)ので、十分かなと感じています。
- 音声分離
HDMIから直接音声分離が可能なため、イヤホンをつなげばラグが全くない状態でゲーム音を聞くことができます。
別途オーディオインターフェースを用意することで、PC音と同時に聞くことも可能です。
以前の環境はそのような方法を使っていましたが、現在は後述のZG01を使用しているので、ここで音声分離はしていません。
USBキャプチャーボード GC553
○ 十分な性能
性能に文句はなく、むしろオーバースペックな気がします。
(現在は4Kや120fpsの配信はあまりないでしょうし)
この環境では関係ないのですが、特にパススルーがHDMI2.0なのは利点かなと思います。
より詳細な設定を行えるソフトウェアも用意されており、特に下記ページのツールタブのAVerMedia Gaming Utilityというソフトは、入出力解像度を確認するのに便利です。
ファームウェアも下記ページにあるので、一度は確認することを推奨します。
○ iOSのキャプチャに対応
公式にiOS端末のキャプチャが可能とされています。
キャプチャするには、機器本体のHDCP検出機能を無効にする必要があります。
公式マニュアルには、上記ダウンロードページよりRECentralをインストールして変更する手順が記載されています。
https://storage.avermedia.com/web_release_jp/gc553_QG.pdf
ただ、AVerMedia Gaming Utilityでもできるので、そちらの方がシンプルかもしれません。(手順は簡単なので割愛)
どちらも一度変更すれば以降は本体に保存されるので、ソフトウェアの起動は不要です。
HDCPがかかるアプリはキャプチャできませんが、ゲームアプリでキャプチャできなかったことはありません。
TVのレコーダアプリやPrime Videoのようなアプリはキャプチャできないはずです。
- 付属のUSBケーブルで不具合あり(交換で改善)
この機種はUSB3.0接続が必要なため、USB2.0につないだ場合ランプが緑点滅しますが、付属のUSBケーブルで接続していたころは、ポートにかかわらず緑点滅が発生することがありました。(差し直すと治る)
Amazonのレビューにも同じ報告があり、それを参考にUSBケーブルを以下の商品に交換したところ、以降まったく発生していません。
ゲーム用オーディオミキサー ZG01
○ HDMIから直接音声ミックス
これは最近のUSBオーディオインターフェースでも珍しい機能だと思います。
前述のHDMI切替器や分配器などにもついていることはありますが、そこからラグなしでステレオのままミックスするには、機器を選んだり変換が必要だったりでややこしくなるような印象でした。
この製品であれば配線が非常にシンプルに済むので、気に入っています。
音声はPCを介さないことになるので、ラグが非常に少ないです。
定量的な評価はできませんが、自分はラグは全くないように感じます。
少なくとも、キャプチャーした音声を聞くのと比べたら格段に減ります。
○ 2入力の音量バランスを個別で調整
ボイスとゲームの音量を、2つのダイヤルで調整できます。
HDMI入力はゲーム音声として入力されるため、自分はPC音をすべてボイス音声として入力し、それぞれの音量バランスを調整できるようにしています。
iOSの仕様だと思うのですが、HDMIで出力している場合は端末本体の音量調整は効かなくなり、最大に固定されます。
アプリ側に音量調整がある場合はそれで調整できなくもないのですが、一部アプリでは音量調整オプションが存在しなかったり、ムービー等の音量がアプリ設定を貫通して鼓膜を破壊されたりします。
その点、この機器はアプリ側は最大のままで音量を絞れるので、非常にバランス調整が簡単です。
△ 直接のiOS端末接続に非対応
公式の仕様として、iOS端末の直接の接続およびパススルーに対応していません。
これに対応すれば本体のHDMIスイッチ機能が便利そうなのですが、少しもったいない感じです。
(PS5とSwitch間で切り替えたいような場合は非常に便利だと思います)
現在は、GC553のパススルー端子からZG01に接続することで解決させています。
HDMI出力は行っていませんが、その場合でも音声はゲーム音としてミックスされるようになっています。
-マイク接続が可能
自分はUSBマイクを使用しているので使ってはいないのですが、コンデンサーマイクやダイナミックマイクの接続が可能です。
音量やミュートの調整もできるのは便利そうです。
まとめ
上記の端末を、
iPad → 500-KC038 → EHD-0622Y → GC553 → ZG01 (HDMI) / PC (USB) / イヤホン (ステレオミニ)
のような感じで接続して使っています。
過去には、HDMIスイッチスプリッタから音声分離して別のUSBオーディオインターフェースにつないだり、
さらにその前にはステレオミニを直接ミックスできるアナログミキサを使ったりしていました。
そのあたりも別の記事に書くかもしれません。
自分の備忘録も兼ねて書いてるので省略している部分もありますが、知りたいことがあればお気軽にお聞きください。
わかる範囲でお答えします。
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