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"英語脳"とは何なのか?

英語学習をしていると必ず遭遇する”英語脳”とかいう言葉。

「日本語を遮断して英語脳を作ることが英語習得には必須!」

みたいな触れ込みは、ブログでもYouTube動画でも至る所で何千回と見てきたような気がします。みんなが言うからには、”英語脳”とかいうものは大切そうです。

しかし、英語脳がなんなのか私はずっとわかりませんでした。昔から英語が得意科目でしたが、英語脳に関しては意味不明でした。「英語だけで考えるって、、考えるためには日本語を使うでしょ、、、」とずっと思っていました。

その後大学に入ってからも英語を”ガチ”で勉強して、挙げ句の果てにトロントまで留学に来てしまうレベルまで来て、ようやくその意味がわかってきたようなので、それを何となくまとめてみようと思います。

ちなみに私の英語力について補足すると、現在トロントに交換留学6ヶ月目で、日々の生活で英語力不足で困ることはほぼほぼゼロです。たとえば、ここまで書いた文章を英語で何となく伝えるほどの力はあります。IELTSは留学出発1年前の時点でOA6.5でした。


バイリンガルはすごいことじゃない

突然ですが、”バイリンガル”という言葉を聞いてどんなイメージをお持ちですか?

私は「賢い」「頭いい」「帰国子女」といったイメージを持っていました。一部の選ばれた人のみが持つ特殊能力のような感じでしょうか。。笑
日本では人口のほとんどが日本語しか話せないので、そう考える人は私だけではないと思います。

でも、実はバイリンガルって一部の人だけの特殊能力でも何でもないんです。

私が英語を真面目に勉強し始めた2021年1月、お金をかけたくなかった私はVRChatという無料のオンラインゲームで海外の友達を作って英語を勉強する作戦に出ました。

これはVRChatあるあるだと思うのですが、オンラインで海外の人と交流すると多言語を操る人の数に圧倒されました。日本語がペラペラの海外の方がそこら中にいます。たとえば韓国の方は日本語が喋れる方が多いですね。韓国の人たちは英語のレベルもかなり高いです。

なんなら3ヶ国語以上喋れる人も割といます。私がVRchatを始めて1週間であったマレーシアの方は5~6ヶ国語を話せていました。

典型的日本人だった私には衝撃でした。英語が得意科目で中高ずっと勉強してきたのに、英語が聞き取れないし話せない自分はなんて才能がないんだろう、、やっぱり英語の勉強とかやめようかな、、、
第一言語が英語の人もそうでない人も英語で盛り上がっていて、自分だけついていけなくなって黙り込むたびに、本気でそう思いました。英語がわからなくて、日本語で言い直してもらうたびに、悔しくて泣きそうでした

でも、冷静に考えてこんなに多くの人が多言語を話せるということは、「自分に才能が無い」のではなく、「そもそも自分のやり方が間違っている」という風に考えるのが普通です。バイリンガルはどのようにして外国語でコミュニケーションをとっているんだろう、という疑問を解決するために次の仮説を立てました。

仮説 「第一言語で考えてそれをクッソ早く翻訳してる説」

考えたのがこれです。流石に何かを考える際は必然的に第一言語(日本人なら日本語)を介すのが当然だと思っていたので、それを翻訳して口に出す作業が高速な人が多言語話者なのだと思いました。早速この説を信じて練習します。

まず、頭の中で言いたいことの文章を作り、それを英語に翻訳して文が出来上がったらそれを読み上げる形です。たとえば「これはペンです。」という言いたい文をまず頭に浮かべ、「This is a pen.」に翻訳してそれを読み上げるようにします。

しかし、うまくいきません。というのも、会話というのはスピード感が大事だからです。一対一ならまだしも、複数人で話しているような場面で「日本語で文を作って、翻訳して、出来上がったら読み上げる」というようなことをしていては他の誰かが話し始めて話すタイミングがなくなります。

しかも、言いたい文章が長く複雑になる程、文の生成と翻訳に時間がかかるので全くお話になりませんでした。

そもそも自分がどうやって話しているのかに注目

そこで、そもそも第一言語ではどのように自分が話しているのかについて考えました。すると、当たり前ですが見落としていたことに気づきました。

話している途中ですら話す内容はしっかり決まっていない」ということです。

友達と話している時、頭の中に言いたいことの文章を作ってから、それを読み上げて会話をしていますでしょうか?

普通は話しながら言葉が自然と出てきていると思います。

これってよく考えたら不思議なことではありませんか?話している時点で”自分の考え”の方向性はある程度決まっているはずです。なのにそれが具体的にどのような考えなのかは話すなり書くなりして言語化するまでわからない。

「考えるためには日本語を使うでしょ、、、」と考えていましたが、そもそもその”考え”は言語を介さず頭の中に存在しており、言語というのはそれを実体化させて他人に伝えると同時に、自分が自分の考えを捉えるためのツールであるという事に気がつきました。つまり”非言語的な考え”→”言語的な実体”という流れで人は考えているのです。

こう考えると「言語化が上手い」というような褒め言葉も納得できます。これは”何となくみんなが思っているけど言語的な実体に変換しにくいためそもそも自分がその考えを持っていることが自覚できない何か”がその人によって言語化されて”自分が捉えられる実体”として変換されたからこそ、「わかる!言いたいことを言ってくれた!」というような実感につながるのだと思います。

結局、英語脳は、、

日本人であれば、非言語的な考えを日本語という言語を使って実体化させて自分の考えを捉え、考えを伝え合っていると言えます。英語脳はこれが英語になっただけです。要は「非言語的な考えを英語という言語を使って実体化させられる状態」が英語脳だということです。

で、ここまで考えてこう言ってしまうのは微妙だとは思いますが、この言語を使った考えの実体化の作業は正直慣れの部分が大きいです。もちろん最低限文法のルール、単語など実体化に必要な材料は必要です。最低限文法と単語を身につけたらあとは練習あるのみです。

英語で話してみて、途中で文が文法的に合わなそうなことに気づき、「うわ、語順ミスった、、」という思いをしたり、会話中に言いたかったけど英語で表現すればいいかわからなかったフレーズなどをネットで調べたりしてだんだん引き出しを増やしていくことで、この実体化作業の正確性、速度が上がっていきます。引き出しが増えていくと背後にある法則性に気づけるようになり、応用が効くようになります。別に必要なのは難しい単語でも難しい文法でも無いんです。

英検準一級などの資格を持っていましたが、「納豆には醤油をかけると美味しいよ!」みたいなシンプルな文でも最初はどう表現すればいいかわかりませんでした。ネットで調べて「put ~ on …」で「…に~をかける」という意味になるのか!みたいな感じで地道に学んでいきます。すると、そう言えば「机の上」って「on the table」だったよな、てことはonで~の上にみたいな意味になってるのか!と理解がつながっていきます。こうなれば、「~が元になっている」という表現の「based on ~」と言った表現に出くわした際、「~の"上に(on)"成り立っているから、『~が元になっている』という意味になるのかー」と、新しい表現を覚えるのも楽になり、自分で使えるようになっていきます。

まとめ

英語脳なんて結局才能でも何でもなくて、泥臭い積み重ねの結果でしかありません。でも、これが辛くてやめてしまう人がほとんどです。

泥臭い積み重ねを行うには、それが楽しく無いとやっぱり無理です。英語界隈で「推し」を作るのとかはおすすめです。好きな海外のTVシリーズでもいいし、海外VTuberでもいいし、歌手でもいいです。英語を喋る彼氏・彼女ができたりしたら最高ですね。

自分も偉そうなことばかり言ってきましたが、まだまだ勉強中です。一緒に頑張っていきましょ!


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