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死者が注文!??亡くなってから1ヶ月も経ってから注文されて届く荷物

遺品整理現場での知っ得シリーズ

さて今回は死後事務委任契約に基づいて遺品整理を行っていたある遺品整理現場での話しです。

インターネットやサブスクなどが定着してきたからこそ注意が必要と思われる部分でもあり、家族で遺品整理を行う場合などに役立つかと思いますのでご紹介しておきたいと思います。

その死後事務の依頼者の方のご自宅はそこそこの荷物があるご自宅でしたので、遺品整理を3日間ほど日程を確保し最初の2日間で仕分けや梱包、そして財産調査や貴重品捜索を行う予定でいました。

1日目はなんの問題もなく終わり、二日目の作業を開始しようと現地にへ到着した時にamazonの箱が玄関前に置かれていました。

「え?なにこれ?」と昨日まではこんな物なかったよね。

と不思議に思い宛名を確認すると確かに故人の名前宛てで配送された郵便物です。

最近はコロナウイルスの影響か「置配」指定していなくても、勝手に置配されてることもありますので、それかなとも思います。

ただ、問題なのはこの死後事務に伴う遺品整理は警察からの許可待ちであったことから故人が亡くなってから既に1ヶ月程経過しています。

本人は1ヶ月も前に亡くなっているのになんでアマゾンから荷物が届くの?と疑問でした。

再配達かとも思いましたが、伝票を見ると日時指定で購入日は配達の2日前です。( ,,`・ω・´)ンンン???

当然、亡くなった人がネットショッピングなんてできる訳ありませんので、別の誰かからの郵便か?とも思いましたが、伝票に記載されている購入者もご本人です。

遺言執行者、死後事務受任者の権限で開梱して内容物を確認してみると、結構色々な物が詰めあわされていますが、中に入っていた多くの物が室内にも沢山箱買されている健康食品の類いです。

ああっ!そういうことか!!

これアマゾンの定期配送だと。私もアマゾンでは良く買い物をしますが、人によっては同じ物を何度も買う方もいますよね。

特に食料品などはだいたい消費する日数も決まっていますから。2ヶ月毎や3ケ月毎に自動で購入して、配送するようにしておくことができます。

この方も持病の関係から健康食品を定期購入されていたらしく、それがたまたま遺品整理の日に重なったということですね。死後事務手続きを進める上では非常に運が良かったと言えます。

なぜなら、ご本人からはアマゾンプライムを利用しているということは聞いていなかった為、もし、この配達がされていなければアマゾンプライムの契約に気づくのはだいぶ後になっていたからです。

アマゾンプライムの利用料金の支払い方法にもよると思いますが、銀行やアマゾンのギフト券などで支払いを都度しているなら会費が支払わなければ自動的に権利は失効するでしょうが、アマゾンを良く利用される方はクレジットカード払いにされている方も多いかと思います。

そうすると、クレジットカード払いで会員資格も自動更新としていると定期購入も設定を解除しなければいつまで経っても無人の家屋へと郵便物が届くこととなってしまいます。

まさに今回はこの状態でしたので、もしかしたら遺言執行と死後事務手続きの過程でクレジットカードの解約をする段階になるまで、アマゾンプライムの会員だったことに気づけなかったかもしれなかったということです。

今回のアマゾンプライムに限らず、コロナウイルスで在宅で気軽に映画を楽しめるVOD(ビデオオンデマンド)などは各家庭に一気に浸透してきたのではないでしょうか。

こうした定期で支払いが発生するサービスは支払い方法をクレジットカードで自動更新のようにしておくと、家族にはまったくその存在が分からない状況のまま放置され、誰も使用していないサービス料だけがどんどん請求されてしまうことになりますので注意が必要ですね。

電子的なサービスの普及で私たちの生活はより便利で快適になっていきますが、その反面非常に秘匿性が高く、周りには気づかれにくい側面も持っています。

相続手続きを行う際には今後は目に見えない部分についてより注意を払っていく必要がありますね。

相続、遺品整理、死後事務でのご相談は名古屋の第八行政書士事務所までどうぞ~いつでもご相談可能です。

死後事務委任契約って何?

死後事務委任契約とは死後に必要とされる手続き、たとえば、葬儀、納骨、役所の手続き、未払いの入院費用の清算、遺品整理等、一般的にはこれまで親族が行ってきた手続きを信頼できる第三者にお願いしておくという契約です。

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死後事務委任契約について詳しく知りたい方は「死後事務委任契約について」をご参照ください。

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