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ご友人の死をきっかけに気づいた死後事務の難しさ

今回は働き盛りの年代の会社を経営されている方からの死後事務委任契約のご相談の話し。

その方はご友人の死をきっかけに死後の手続きについて真剣に考え始めたということです。

遺品整理の現場でも両親の遺品整理をきっかけに「こんな大変な事は自分の子供達にはさせられない」と生前整理に取り組み始めるという方が多くいらっしゃいます。

同じように、死後事務委任契約も、分かってはいても、どこかニュース内の出来事や他人事のように感じている方が多いのですが、身近な方の死をきっかけに急に自分にも直結する問題だと痛感させられるといった出来事があったりします。

この方のケースもご友人の死をきっかに自分も他人事ではないと痛感させられて何か出来る準備はないのか?と探し始めたとのことです。

相談内容としては遺言書、死後事務委任契約、現在の商売についての3点でのご相談が主なものとのことで、いつも頼りにしている司法書士の先生にも同席してもらいながら相談内容をお聞きしました。

なんでも、仕事仲間だった方が突然亡くなられたそうで、その方は独身で身近に相続人と呼べるようなご家族がいなかったそうです。

警察がなんとか見つけてきた親戚の方も自分が相続人ではないことを知ると、お金ももらえないのに面倒な事はご免とばかりにすぐに連絡が取れなくなってしまったそうです。(遺品整理の現場では良くあることです、、)

仕方なく葬儀等の必要な手続きはご友人の方々で進められたそうですが、家族ではない人間がひとりの人間の死亡したことによる手続きを進めていくことの難しさを実感されたそうです。

どこへ手続きに行ってもまず「あなたは故人のとどういう関係?」というところから始まり、何の権限もない人が手続きを進めることに難色を示され続けたそうです。

最近は個人情報保護の観点から役場などでは必ず本人確認をされますし、まして死亡に伴う手続きをいくらご友人とは言え家族でもない方が行うというのなら役場などでの手続きが停まってしまうのも仕方のないことかもしれません。

そういった経験を通して、ふと自分の状況を見つめ直したところ、自分だって独身で家族は既に鬼籍に入っている両親と疎遠になっている親戚関係だけ。

自分が今なんの準備もせずに亡くなったら自分の会社はどうなってしまうのだろう?ということがまず頭に浮かんだとのことです。

自分の築いた財産もそうですが、まずなにより会社や従業員が路頭に迷ってしまうのではないか?ということを心配されて今回のご相談となりました。

相談者が亡くなった場合の事業承継については、相談者の方の希望がはっきりと、こうしたいという希望がありましたのでそれを実行する為の方法について司法書士の先生から説明して頂きした。

また自分の経験した死後の手続きについては当事務所の行っている「死後事務委任契約」についてご案内することに。

死後の事務としては、訃報を聞いてからの遺体の引き取り、葬儀の手配、喪主は誰が行うのか、誰と誰に連絡をしなければいけないのか?、葬儀のプラン、埋葬や納骨の方法、遺品整理や賃貸契約の解除、役場での手続きや病院や施設への未払い料金の支払いなど簡単に挙げただけでも沢山の手続きが必要となってきます。

配偶者やお子さんがいらっしゃるのなら、なんの心配もいらず生前に簡単な希望を伝えておいたり、最近はエンディングノートなどもありますのでそれらを活用するのもいいでしょう。

しかし、少子高齢社会でお子様がいなかったり、そもそも結婚されていない独身の方、兄弟や親戚はいるけど仲が悪かったり、高齢の兄妹に迷惑を掛けたくないなどの理由から死後の手続きを任せる相手がいなかったり、お願いし辛いといった環境になりつつあります。

そういった面で当事務所では提携の司法書士や税理士等とチームを編成して死後事務委任契約に力を入れておりますので、ご心配な方はいつでもご相談ください。

今回のご相談者の方はまだまだ働き盛りの年代でもあり、まずはご自信の財産の把握と自筆証書遺言の作成を勧め、併せて入るべきお墓がないということでしたので納骨堂等の利用方法をご紹介させて頂きました。

財産を書き出すことによって(財産目録)自分の現在の状況が一目で確認することが出来るようになり、その財産をどうするかを遺言書で決めていく段取りとなります。

ここで良く言われる公正証書遺言ではなく自筆証書遺言をお勧めするのは、ご相談者の方はまだまだ年齢的には若く今後どのように生活が変わっていくかは分かりません。

ですので、まずは万が一の事を想定して今現状での希望を書いた遺言書を作成することで事故や突然の病気などによる死亡に備えるというわけです。

自筆証書遺言でしたら紙とペンと印鑑があれば作成できますので何度でも書き直し、作り直しが可能です。

また、昨年より法務局で自筆証書遺言を預かってくれる公的サービスもはじまりましたので、これまで自筆証書遺言の際にネックとなっていた家庭裁判所での検認手続きも不要となりました。

早過ぎる段階で公正証書遺言を作成してしまうと、手続きに掛かる費用や手間などから作り直しを躊躇ってしまうこともありますので、大きな買い物や生活状況の変化が少なくなるまでは自筆証書遺言で保険を掛けておくということですね。

今回のご相談者は年齢的にもまだまだお若く、心配な持病などを持っているわけではありませんでしたので、死後事務委任契約を結ぶことはありませんでしたが、最近は若い方でも自分の死後の事を考えるようになってきていると実感するところです。

遺品整理や死後事務のご相談は名古屋の第八行政書士務所までどうぞ~。

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