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10年間電気、ガス、水道を使わずに生活されていた高齢者
遺品整理現場での四方山話。
今回は孤独死現場で家族からお聞きした衝撃的なお話し。ご依頼は県外の物件で依頼者は遠縁の親戚の方となります。
その現場は、夏場の暑い時期だったこともあり、ご遺体を警察でのDNA検査の結果を待ってからの遺品整理だったのですが、その警察からの結果を待っている間にいろいろと故人の状況を確認していた際に発覚したことが、驚くべき生活実態とのこと。
見積もりの際にその状況をお聞きしたのですが、なんでも故人は80代ではありながらも職について働いていたそうです。
しかし、公共料金の停止をしよと確認したところ、ここ10年程、電気も水道もガスも契約していないことがわかりました。
実際には料金の未納で停止されていたとのことですが、10年近くライフラインとも言える電気や水道を使用せずに生活できていたことにびっくりです。
大都市や繁華街に近い場所に住んでいる場合は食料品はコンビニ、洗濯はコインランドリーといった中食産業などのサービスの発展の結果、冷蔵庫や洗濯機を持たずに生活されているという方は遺品整理の現場では良くみかけます。
しかし、今回の方は冷蔵庫や洗濯機といった物ではなく、その大元となる電気を10年間使用していないというのですからちょっと事情が違いますよね。
当然室内には冷蔵庫も洗濯機もなく、白黒テレビかと思われるくらい旧式のテレビが二台ホコリを被って室内に残されていただけです。
室内はコンビニか近くのスーパーで購入されただろう食品やペットボトルのゴミが山となっており、また電気も水道もないことからトイレやお風呂も何十年と使われていない廃墟で見るような状況となっていました。
遺品整理を進めていくうちにいくつかの書類が出てきました。役場からの通知や後期高齢者としてのお知らせなどの役場系の物から、各会社からの督促状の数々。
依頼者へお渡しする必要がある書類かどうかを確認する為に各通知を確認していくにつれて、故人はかなり色々なところからお金を借りていたことがわかります。
それも一般的によく聞く大手の消費者金融の名前ではなく、そのどれもが初めてみるような名前の会社ばかり。
内容も督促状や和解案の提示、裁判所からの通知と多重債務者の遺品整理現場では良くある状況となっていました。
これだけの借金がある為、ライフラインとも言える電気や水道の料金も払うに払えず、なんとか賃料だけは支払いを続けて生活されていたようです。
ご近所の方にお話しを聞いたところ、いつもコンビニの袋を持って帰ってきているのに、朝も夜も電気が点いているところをみたことが無いとおっしゃっていました。
以前、孤独死してから10年近く発見されなかった方の現場の遺品整理をしたことがありましが、その時にも人が死んで何年も経過しているのに、誰にも気づかれないことに衝撃をうけましたが、その際も公共料金や税金の支払いはどうなっていたの?と思わずにはいられませんでした。
滞納していたら税務署の職員が乗り込んできて発見されそうなものですが、何かが上手く(?)噛み合ってしまうと、こんなちょっと信じられないような状況も出てきてしまうんだなと思ったものです。
高齢社会が進む中、孤独死を防ぐ対策も必要ですが、孤独死をしたらすぐに発見してもらえる対策も今後は必要になってくるのでしょうね。
遺品整理や死後事務のご相談は名古屋の第八行政書士事務所までどうぞ~。
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