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おじいさん何者!? 遺品整理現場で刀を大量発見!

遺品整理現場での四方山話

その現場は昔ながらの賃貸アパートの一室で間取りは和室6畳とキッチン、お風呂、トイレといったよくあるお部屋です。

お部屋の荷物もそこそこあり押入れの中は物がギュンギュンに詰まっていて中を確認しようにも仮置きする場所も無かったようで、依頼者の方も作業のついでに確認していきたいとのご要望です。

まずは、お部屋の荷物を手早くスタッフとともに片付けてから、いざ押入れの中の物へと取り掛かります。

ここからはお客様と二人三脚で、私が押入れから荷物を出し→お客様が中身を確認→不用品なら別のスタッフが運び出しと、遺品整理仕分けラインの完成です(笑)。

順調に片付いていく中、ある塊が目に入りました、押入れの中には照明の明かりが届かないためよく見えないなのですが、袋に入った長い棒のような物です。

竹刀かな?と思って引き寄せみると結構な重量があります。あれ?竹刀じゃないな、居合刀か?

お客様の許可をもらって袋の口を解こうとした瞬間、どうも斜めに持っていたのがいけなかったのかスッっと刀が鞘から抜けて煌く白刃があらわに、あぶっ!!と慌てましたが幸い鞘から抜けきる前に床に当たり止ってくれました。ふぃ~危なかった。

しかし、この煌きというかギラツキ感はいつも見かけるジュラルミン製の居合刀とは全く違う。もしかして、真剣ですか?

よく見ると他の刀と思われる袋などにも登録証のような物が括り付けられています。


え、これ全部本物?と目を疑うくらいの量があります。中には日本刀ではなくサーベルのような物もあり(これは少し錆びてましたね)とにかく刀剣の類がごっちゃりと出てきました。

これにはお客様もびっくりで、どうしよう?そっちで引き取れる?と聞いてきます。


いえ、これ登録証がついてますので、美術品扱いで価値があると思われますから、まずは教育委員会にご相談された方がいいですよとアドバイス。

もし不要だったとしても、おそらく値段が付くと思いますから所有者の変更届けをされてから売られたらどうですか?と教えると、そういものか!と納得されたようで、さっそく刀を車に積み込みに行かれます。

しかし、依頼者の方が刀をまとめて抱えて走るものだから、いくつか古くなっていた登録証がパラリパラリと落ちてしまいます。

しかし、お客様は気づかずに笑顔ですたこらさっさーとばかり車へと駆けていきます。

「待って~!お客様~ちょっと待って~、登録証無しで真剣運んでたら警察に捕まっちゃいますよ~、あとその刀も袋に入れてから運んで~」と登録証と刀を入れる袋を掴んでお客様のもとへ。

最後の最後でドタバタしてしまった現場でしたが、ご依頼者の方もなんか面白い物が手に入ったと喜んでいたのでよかったです。

しかし、あの数の刀剣って故人のおじい様はどんな方だったんでしょうね?使い込まれたサーベルからしてもしかして将校さんだったのかもしれません。

日本男児なら一度は憧れる日本刀。思わぬ所で綺麗な刀が見れて眼福な一日でした。

久々に家に置いてある木剣でも振ってみるかな。

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