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覚悟をあらわす「言葉」と「香り」|SC Talk 01 (Harunaさん)

こんにちは!サインコサインです。

企業や個人の理念、ブランドのネーミングなど。言葉で表現された「覚悟の象徴」を見る機会は多いですよね。かく言うサインコサインも、言葉を中心に数多くの個人・企業の覚悟の象徴をつくるお手伝いをしています。

でも実は「言葉」や「ビジュアル」以外にも、覚悟や想いを表現する手段はいろいろあるんです。例えば、サインコサインのオリジナルコーヒーもそのひとつ。

THE COFFEE SHOPさんにご協力いただいて、サインコサインの大切にしている価値観・イメージやコーヒーを飲むシーンをお話ししながら、たったひとつのブレンドコーヒーを共創しました。

そして今回、サインコサインのnote企画「SC Talk」にゲストとしてお越しいただいたのは、企業や個人の覚悟を「香り」で表現する、Haruna Semaさん。株式会社Selenophileの代表も務める、アロマデザイナーです。

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Haruna Sema

株式会社Selenophile CEO
Artist / Fragrance Designer
Instagramアカウント

『わたしだけが知っているわたしの望む香り』をテーマに、オーガニック・野生種の精油・天然香料を使用して香りを作っています。
パーソナル、企業さまの香りから、空間演出、結婚式や音楽ライブ演出など幅広く活動中。ひとりひとりに寄り添った香りをデザインしています。

加来と共創した個人理念は「私に、愛と尊敬を。まごころを、君に。」
企業・パーソナルフレグランスの制作や、香りによる空間演出、化粧品などの開発にも携わっています。

共に「覚悟の象徴」を形にする活動を行うふたり。今回はそんなふたりで共通する価値観や、言葉と香りの可能性について語りました。

もともと同じ会社の先輩・後輩の関係だったふたり。ラフな対談形式でお届けします。

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五感に作用する「言葉」と「香り」

加来:
まず、覚悟や想いを表現するのに、香りという手段を選んだきっかけは何だったの?

Harunaさん:
会社員としていくつかの企業に所属していたとき、常に忙しく働いていました。日々疲れていることが多い中、香りを嗅いで元気になれるみたいな経験があったんですよね。シャンプーとか、柔軟剤とか。

マッサージに行くとか積極的なアクションではなく、無意識のうちに香りで癒されている。それがすごく良いなと思い、もともとアロマが好きだったこともあって、少しずつ勉強していきました。

実は五感の中でも、嗅覚は特に重要だと言われていて。嗅覚が失われると方向感覚も狂うし、食事などの楽しみも少なくなってしまうんです。それも含めて、香りって無限に可能性がある。性別も年齢も国籍も関係なく、みんなに共通するものであることも面白いなと思っています。

加来:
ただ嗅覚に働きかけるというより、嗅覚から始まって無意識に他の部分に作用している感じだね。言葉は五感でいうと視覚、あるいは聴覚かもしれないけど、作用するのは精神的な部分。そういう意味では共通点があると思う。

言葉も香りも、わかるようでわからないものを扱っているからこそ、過程が重要になってくると思うんだけど、実際にはどんな風につくっている?

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Harunaさん:
特に企業の方だと、香りに対してポジティブなイメージばかりではなく、少しあやしいと思う方も一定数いらっしゃるんです。だからこちらがどんどん話すよりも、相手に自分のことや自社のことをしっかりとしゃべってもらうように、というのはこだわっています。

相手の好きな香りやトレンドを踏まえるのは大前提なんですが、自分の想いやそうやってつくったプロセスも含めて、アウトプットすることを大切にしているかもしれません。

加来:
僕も相手に話してもらうことを大切にしているんだけど、そういう話ってどうやって引き出す?僕はそう聞かれることが多いんだけど、逆に自分以外のひとはどうしているのか気になって(笑)。

Harunaさん:
シンプルに言うと、興味関心を持つことですね。ただ言葉のキャッチボールをするんじゃなくて、なぜこの質問に対してこの回答なのか、なぜこのワードを選んだのか、と、細かいところまで気に掛ける。

加来:
僕も同じだね。意図的でも無意識でも、興味を持って接していると思う。気持ちよく喋ってもらうというか。

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参考:SIGNCOSIGN流の覚悟の持てるコトバの共創プロセス

Harunaさん:
そうですそうです。特に日本人って、あまり自分自身の話をすることってないじゃないですか。「こんなに自分の話ばかりして大丈夫ですか?」って聞かれることもあるくらい。

あと自分の気持ちや考えをアウトプットするのが苦手なひともいるので、そういうときはどういう自分になりたいのか聞いたり、好きな土地や色を聞いたり。ふわふわなのかシャキシャキなのか、ゆるめたいのかスイッチを入れたいのかを聞いてみたり。そうやって紐解いています。

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覚悟の形もアップデートしていける

加来:
こういうひとはつくりにくいなあ、ってことはある?

Harunaさん:
そうですね……「私なんか・・」と、自己肯定感が低いひとだったり、自分に自信がないモードのときの人とのコミュニケーションは、いつも以上に、言葉選びに気を配ります。

でも話をしていくうちに、自分はこういう人間なんだ!ってそのひと自身も整理されて、今の自分を受け入れて認められて。結果的にポジティブで終わることがほとんどです。

そうやってセッションが終わって、今の自分に必要な香りと共にポジティブな思考やアクションに繋がっていく。そのサイクルがとてもうれしいです。リピーターさんは、前回の自分との比較なんかも体験できるので。

加来さんはどうですか?

加来:
僕がつくりにくいのは、これまであまり自分で行動を決めてこなかったひとかな。人生にまだ本気出していないんで、みたいな。個人理念をつくっても、ふわっとした言葉に着地してしまいがちで、納得感が得られにくい。

ただそれをきっかけに行動して、それを振り返って考えて、具体的に語れるようになる……ってサイクルはあるかも。それが自己肯定感につながるなら、大事なことだよね。

Harunaさん:
私の個人理念を考えてもらったとき、フレグランスはお守りみたいな、自分を肯定するためにあるよねって話になりましたよね。言葉もそうで、自分を肯定してもらうためにつくるって面があると思います。

だからこそ、どちらも何かのタイミングでアップデートしていける。いまの私はこの理念と香りだけど、ステージが変わって思考や行動が変われば、その変化をまた言葉や香りで表現する。それも面白いですよね。

加来:
まずは自分を肯定してもらうためにつくるんだけど、それが行動につながって、行動の結果、言葉も香りもアップデートされる。そのサイクルでより良い方向に向かうっていうのが良いよね。言葉も香りも、つくり変えやすいものだから。

Harunaさん:
そうですね。自己紹介では香りづくりをメインでやっていますと言うんですが、実際にはちょっとちがう。香りを通じて、そのひとがよりポジティブなほうへ向かえるように、チューニングする仕事なのかもしれません。

“香りがある場”の価値

加来:
嗅覚を刺激することで、心も身体も変化するっていうのはやっぱり実感するよね。言葉の理念も、文字だけじゃなくて声に出すことでより良く浸透することもある。香りにすることで、もっと変化が期待できるかもしれないな。

Harunaさん:
そういうことに敏感な企業は、受付のディフューザーで企業独自の香りを使ったり、お土産にアロマスプレーを渡したりしていますね。他社との打ち合わせでアイスブレイクに使ったり。サインコサインのコーヒーもそうですよね。

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加来:
そうだね。コーヒーはつくる過程もすごく良かったし、飲むたびに理念を思い出せるなと。オリジナルコーヒーは関係するひとたちにも贈っているんだけど、離れていてもつながれるツールとしても良いなと思ったんだよね。

この1年以上で生活様式がガラッと変わってしまったけど、別の場所にいても共通するものをひとつ持っていることって、嬉しいものなんだなって実感したな。

Harunaさん:
コーヒーやアロマスプレーのような物があることで、思い出を共有できるし、思い出すためのツールとしても良いですよね。

加来:
最後に聞きたいなと思っていたんだけど、今後やってみたいのはどんなこと?

Harunaさん:
写真集とか絵とか音楽とかと香りを合わせて、五感を活用して楽しめる、みたいなことがやりたいなと。私の香りをベースにして、そのイメージで絵を描いたり服をつくったり、感性に振り切ったことをやってみたいです。どんなシナジーが生まれるんだろうって。

自宅にいなくちゃいけない状況が続いて、その結果IT化が進むのは良いことだとは思うんですけど、だからこそ触れるとか見るとか、画面ばかり相手にする仕事と対局のことをやりたいなと。

加来:
サインコサインも一緒にやりたいね!「五感で感じる人間理念展」とか良いかも。集まらなくても何でもできるけど、あえて集まるからこそ、そこでしか味わえない“香り”の価値は高まっていきそうだな。

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最後に

言葉と香り。異なる手段で表現するふたりですが、根底の価値観は同じ。形にすることで想いや覚悟を整理できたり、より前向きになれたりするような象徴を共創しているんですね。

今回の対談を通して、「言葉×香り」の新たな可能性も見えてきました。今後またふたりの新たな活動について、ご報告できることを楽しみにしています!

SIGNCOSIGNでは、個人・企業に関わらず理念の制作を行っています。ワークショップも随時開催していますので、「理念をつくってみたい!」という方は、お気軽にご連絡ください。

またHarunaさんにもご協力いただき、理念を表現した香りづくりも行っています!ご興味のある方は、一度ぜひご相談ください。

※SIGNCOSIGNの詳細はこちら

written by シンドウサクラ
photo by haruna sema
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