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ひとつ終わって、ひとつ始まる。


2021年2月12日、父が他界した。

父の人生が終わり、

僕の人生が始まる。


父のこと

父が食欲がないと訴え入院をしたのは10月の末。2ヶ月間の入院期間で顔を見れたのは主治医からの検査の報告などを受けた時の2回だけだった。3年前に癌を患って続けていた抗がん剤治療の副作用もつらくなったようで、治療をやめれば長くても後2ヶ月との余命宣告を受けた。この後、父の希望で緩和ケアのある病院に転院。そこでは面会が少しだけ可能になり、ゆっくりと話せる時間もできた。

父は30歳の時に鉄道の写真を撮るために、仕事を辞め冬の北海道で旅をしたらしい。以前から話には聞いていたが、詳しい内容を聞いたのはこの時が初めてだった。その後、今の仕事を始めてからはゆっくりと旅をする時間はなくなったが、この時に経験した旅は、父の人生にとってかけがえのないものになったと話してくれた。

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そんな話を聞いている内に、自分の人生についても考えるようになった。


これからのこと

父と一緒にやっていた写真の仕事は葬祭関係ということもあり、先の予定が立てられない仕事だった。それでも僕が手話を始めた後は、嫌味ひとつ言わず休みをくれて僕を送り出してくれた。そのおかげで僕は全国の大会に参加することができ、手話に深く触れて、たくさんの仲間たち出会うこともできた。

そして僕一人になった今、それが難しくなってしまった。だから僕は父と一緒にやってきた仕事に一区切りをつけ、4月からフリーカメラマンという名の無職として生きていこうと決めた。

カッコつけて書いてはいるが具体案は全くない。スタジオで修行をしたこともなければ、カメラの基礎知識を真面目に学んだこともない。父の仕事を手伝っていただけ商売をしたこともない。そんながやっていけるのか不安で仕方ないが、心配していてもしょうがないので不安はない。困った時は助けてくれる仲間がいる。食えなかったら...ご飯奢ってください。


父が作ってくれた時間で学んだ手話

父がいなければ始めることはなかった写真

このふたつで生きていきたい。


父の人生を貰って、

僕の人生を始める。


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