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sig.miyauchi
2020年8月20日 22:58
五時半、まだ薄暗い寮の廊下に、一斉に声が響く。”起床ー!起床ー!起床ー!”。直後、総計20室の扉が勢いよく開き、寝起きの中高生が走り出す。我先に食堂に集まり、寮長の掛け声に合わせて、乾布摩擦を始める。どこの地方の方言か今でもわからない掛け声は、”おっせい!おっせい!おっせい!おっせい!”だ。平日の寮は、毎朝そんな風景から始まる。私の暮らした学校は、不思議な場所だった。岡山の片田舎で生まれた私が