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【外部院試勢向け】東北大学院工学研究科【勉強法・体験記】

2023年度の東北大学院試(工学研究科機械系4専攻)に合格できました.その体験記を軽く書き留めておこうと思います.以下お品書きです.



1. はじめに

軽く自己紹介します.某私立理系大学 理学部の4年生(2023 10/9時点)です.参考までに,3年生までのGPAは2.5でした.学科平均を若干下回るくらいです.どうしてもやりたい研究があったので外部進学することを決意しました.ちなみに自大の院試には落ちていたので後が無い状況でした.(言い訳をしておくと院試対策が全く間に合っていませんでした笑)

また,このノートが東北大学院への外部進学を志望している方の参考になればと思います.

2. 研究室見学

まずは,人によっては一番ハードルが高いであろう研究室見学です.しかし,この体験がモチベーションにつながったり,「なんかイメージと違うな…」となったりするので現地に行くことは大変重要です.
まず,自分が行きたい研究室の教授に見学する日時の相談をします.研究室の教授にメールもしくは電話で相談しましょう.自分はたまたま東北大に友人がいたのでその子に教授のメアドを教えてもらいました.本来は教授の情報を掲載しているサイトがあり,大体そこにメアドが載ってるはずです.
自分は4月に初めてメールを送り,5月に見学の予定を入れてもらいました.
メールにて見学の予定が立ったらあとは直接お邪魔するだけです(教授へのメールの書き方等はネットで検索しました).

最低限の事として,

  • その研究室が重きを置いている分野の知識

  • 志望する理由,なければ興味が湧いた理由

  • 将来どういう研究がしたいかなどの話

  • 質問や疑問,聞きたいこと

これらを用意しておくことをオススメします.何も用意していないと「何しに来たの?」となりかねません.まあぶっちゃけ過去問をもらうことがメインなんですけどね.また,見学後のお礼のメールもその日のうちに必ずしておきましょう.

研究室で聞いたことはできるだけメモを取るようにしましょう.自分は,見学後にスマホのメモに覚えているだけ書き残しましたが,リアルタイムでメモを取った方が正確でしょう.また,教授だけからお話を聞くだけでなく,院生の先輩方からもお話を伺える貴重なチャンスですので聞き逃しが無いように気をつけましょう.先輩方が実際に使った参考書や勉強方法を聞き出せます.先輩と連絡先(メアド)を交換しておくことで,後々アドバイスが欲しいときに聞くこともできます.自分は試験1ヶ月前まで先輩にアドバイスもらってました(笑)

3. 勉強方法

研究科によって問題が異なるので,工学研究科機械系4専攻(以下,機械系)の外部受験生向けに書きます.機械系の試験科目はざっくり分けて「数学A, B」と「専門科目(5教科のうち2つ選択)」です.

専門科目の選択

専門科目の選択についてですが,試験当日は熱力学流体力学を選択しました.ただ,勉強していた科目は機械力学,熱力学,流体力学の3つです.選択する2科目を完璧にすれば問題ないのですが,試験当日の難易度による点数の下振れを防ぐために3科目の過去問が解ける状態に仕上げておきました.
次に選択理由ですが,専門科目には材料力学と制御工学が残っていますが,自分は敬遠しました.というのも自分が在籍している学科が理学部で,専門科目のうち履修済みのものが力学と熱力学だけでした.さらに,見学先の先輩方から「流体力学と制御工学が例年通りの難易度なら簡単」という話を聞きました.こういった経緯もあり,3つ目の選択肢として流体力学を採用しました.

勉強の流れ

先に数学から勉強することを推奨します.この理由はいたって単純なのですが,専門科目の機械力学,熱力学,流体力学の参考書が読みやすくなるからです.数学はAとBの2つに分かれており,試験範囲が

  • A : 微積分,行列,ベクトル解析の3題

  • B : 常微分方程式,偏微分方程式,フーリエ展開・変換,ラプラス変換のうちいずれか3題

となっています.
自分は何もかも最初からやりました.1年の頃に履修していた分野でしたが,何しろこんなところで必要になるとは考えもしなかったので正直不安でした.コロナ禍で勉強しにくいというのもありましたが,1年生の頃の怠慢をとんでもなく後悔しました.まあそこは悔やんでも仕方ないのでさっさと勉強に取り掛かりましょう.

数学で使用した参考書はすべてマセマシリーズで統一しました.(自分は5冊買って,残りは友人がすでに持っていたものを借りました.) 幸い,機械系の問題はほとんど基本・標準問題で構成されているのでこれだけで基本事項の理解は何とかなりました.ただし,ここで注意したいポイントが,参考書の隅々まで勉強したわけではないということです.まず東北大のホームページで公開されている過去問3年分をざっとみて傾向を考察しました.例えばベクトル解析では,「ベクトル場の発散・回転を計算させる基本問題から始まり,面積分や線積分を計算させる」という流れがなんとなく分かります.なので「最終的に解けるようになりたい問題」というゴールを意識しながら参考書の必要な部分を読めば効率よく学習できるわけです.
数学の勉強期間は4月~5月の2ヶ月間でした.

次に専門科目です.試験範囲は大まかに決まっており,また別の機会があれば書こうと思います.学習の進め方は数学と同じです.ゴールを確認して参考書の理解を深めます.先で記述したように5月に研究室見学に行き,そこで先輩方から過去問をいただきました.なんと20年分くらいありました.実際に解いたのは15年分くらいでしたが,当日の手応え的には十分でした.使用した参考書ですが,熱力学・流体力学はJSMEシリーズ(機械学会出版),機械力学は試験範囲が振動の分野でしたので,「振動工学の基礎 新装版(森北出版)」を使いました.熱力学と流体力学は6~8月上旬までかかってしまいましたが,なんとか1ヶ月弱は過去問演習に費やせました.

余談ですが,機械力学に関しては3,4月頃にはすでに勉強を始めていました.というのも,何から手を付けたら良いかわからない状態だったからです.最低限のこととして過去問を見てゴールが分かっている状態で勉強していましたが,数学に取り掛かる前でしかも数式をちゃんと追えない状況でした.しっかりと理解を深めるためにも数学→専門の順序でやりたかったですね.

長々と書いてしまいましたが,ベースは以下の通りです.

  1. ホームページで過去問の確認

  2. 自分に必要な勉強内容をある程度知る

  3. 数学をなるべく早く終わらせて専門に向かう

  4. ひたすら過去問演習(知識の抜け落ちもここでカバー)

  5. 完答を狙う必要は無いが8割強は取るつもりで解く

時間が無い中での取捨選択が大事です.自分の所属する研究室が平日のコアタイムということもあり,どうしても1日中ずっと勉強できる環境ではなかったので効率よく勉強したい方にオススメだと思っています.もちろん時間がある場合は参考書及び過去問をじっくり煮詰めてください.

4. 面接

突拍子もない質問は来ませんでした.以下,当日に聞かれた内容です.口頭試問ではないので面接時間は3分弱でした.

  1. なぜウチへ?(理学部からの受験でしたのでそこも含めて聞かれました)

  2. なぜ〇〇の分野に興味が?そのきっかけは?

  3. 試験対策はどうやった?何ヶ月くらい?

  4. 博士課程は考えてる?

  5. 今回の試験は難しかった?

上記の質問内容を見ると,やはり外部生向けですね.志望動機はスラスラと言えるようにしておきましょう.その分早く終わるはずです.
どういう答え方をしたかは別の機会にしましょう.細かい勉強法と合わせて書こうと思います.ちなみに,面接は生徒1人に先生3人の形式でした.自分が見学した研究室の教授はいませんでした.

面接に関してはそこまで気負う必要はありません.が,大学に対するリスペクトは絶対に忘れてはだめですヨ.

5. おわりに

ここまで読んでいただき本当にありがとうございます.興味本位で初めてこういった文章を書きましたが,案外楽しかったです.誤字脱字があったら申し訳ないですが愛嬌ということで.また機会があれば,細かい勉強法などのnoteも書いてみようと思っています.東北大学院工学研究科機械4専攻を外部で受ける方への参考に少しでもなれば幸いです.

あ,X(旧Twitter)もやってます.日頃のしょうもない事に対して愚痴ったりしてます.良ければフォローしてくださると幸いです(こんなに口調丁寧じゃない).最初に某大学とか言ってますが隠しきれてないですね笑

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