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「SEIN編集部」インサイドストーリー

今日の担当|編集長①


こんにちは。SIGMAの季刊広報誌「SEIN」の初代編集長として創刊からウェブ移行までを担当した編集長①です(現在の「SEIN Online」は広報チームの編集長②が担当してくれています)

ちょうど今日、SEIN Online更新の一時停止のアナウンスをさせていただいたばかりです。せっかくなので、今回のサイトリニュアルを機に、SEINについてちょっとした振り返りをしてみようと思い立ちました。

というのも、創刊から今にいたるまで「SEIN編集部」名義で企画制作をすることはあっても、自分たちを主語にSEINについて語ることはほとんどなかったので、この機会にと思った次第です。

SEINとは

SEINのスタートは、2014年5月に創刊したSIGMAの季刊広報誌でした。
フルカラー30ページ、A5判のブックレット。レンズ2つ以上またはカメラ1つ以上を製品登録してくださっている方を対象に年4回、無料でお届けしました。

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メーカーとして最高の製品・サービス体験を追求するのはあたりまえのことだけれど、SIGMAはただ優れた製品をつくっているだけではない、「優れた製品を実現できる最高のものづくり」をしているんですよ、ということを声高ではなく、でも自分たちの言葉で少しずつ伝えられないだろうか、という思いからでした。

「SIGMAらしさ」の伝えかた

それにはまず、その時点でSIGMA製品を使ってくださっている方に、「あらためまして、よろしくお願いします。これから私たちに興味をもっていただけたら嬉しいです」と自己紹介して、ゆっくり理解を深め、親しくなっていくのが自分たちらしいなと思ったのでした。

号を重ねるごとに購読申し込みが増えていくなど反響が大きく、想定以上に深く意図を汲みとってくださる方も増えました。なかでもKenmatsuさんは、創刊から毎号必ず詳細に読み込んで感想を公開してくださって、本当にいつも励まされていました(今回全コラムをあらためて読み返して、ちょっと胸が熱くなってしまいました...)

Kenmatsuさん

小山和之さん

SEINこそ”Genuine”だった

SEINは本当に細部まで濃密・精密に作り込まれています。紙、印刷、製本のクオリティ。冊子を手にした時の質感や持ち重りの完成度。ブックというのは単なる読み物ではなく、それ自体がプロダクトなので、手にとって繰った時の官能面の品質は妥協できない要素でした。

2016年にシネレンズを発表したとき、「SIGMAらしさ」「SIGMAのプロダクトの本質的な価値は何か」をよくよく考えたことがあります。そのとき出てきたのが”Genuine(ジェニュイン)”という言葉でした。本物の、生粋の、まがい物でない、徹底した、細部までゆるがせにしない...。

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これは、製品だけじゃなくSIGMAのすべてに言えることだと思いました。例えばCP+のブースや展示什器。例えばコンセプトブック/ムービー。そしてこのSEINはまさに”Genuine”そのものだ、とひとり勝手に符合させて納得したことがありました。

SEINからSEIN Onlineへ

海外の展示会でSEINを置いていると「SIGMAの品質基準が現れている」という反応と共にあっという間に捌けていきました。テキストは日本語のままでしたが、わたしたちが伝えたかった「最高のものづくり、プロダクト、体験」のエッセンスは、SEINが雄弁に伝えてくれたのでした。

3年半の間に13号を刊行したSEINは増刷を重ね、全13号分の累計は約70万部(日本語のみ)に。海外での講読要望にも応えるべく、ついにウェブマガジン化することとなりました。

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2018年1月、半年の準備期間を経てウェブマガジン「SEIN Online」へ完全移行。2020年7月末までの2年半で、新規コンテンツと冊子版記事のウェブ再掲を毎週更新してきました。

冊子版SEINは、一冊の濃度・密度を追い込んだ凝縮された強さが持ち味でした。一方、ウェブ版SEINは物理的な制約がない分、記事の内容や更新のタイミング、共有方法の自由度が上がり、コンテンツやコラムの質と量もぐっと広がりました。

SEIN Onlineから始まったシリーズ
「フォトヒロノブ」 写真者・田中泰延さん
「大曽根、語る」 SIGMA・大曽根康裕
「+SIGMA」 SIGMA編集部による取材記事

SEIN Onlineから新しい取り組みを始めたシリーズ
「Scenery」 ウェブ化により映像作品の紹介も可能に
「S'neigbors」 海外も含めた更に多様なユーザーの皆さんをご紹介

「SEINがここへ連れてきた」

思えば、SEIN/SEIN Onlineがあったからこそ、たくさんの写真家、文筆家、映像作家、そのほかさまざまなクリエイターや専門家の方々に共同作業をお願いできたわけです。
SEINがあることで、新しい出会いにおいて「わたしたちはこういう者です」と自己紹介やイメージ合わせができたのだとも思います。

SEIN/SEIN Onlineがなければ、Living with Photography(2015)も、Kyotographie/KG+(2016~)への参加もなかったかもしれません。極端なことを言えばSIGMA fpのプロモーションも現在のような形ではできなかったかもしれないと思っています。結構本気で。

※小見出しは、田中泰延さんの連載コラム「文字がここへ連れてきた」を無断で拝借してしまいました。
余談ですが、この「街角のクリエイティブ」ではじめて田中泰延さんを知り、あまりの熱量と博覧強記ぶりに衝撃を受け、ずっと追いかけ続けていました。
冊子版SEINだったら原稿はお願いできなかったなぁ...

「SEIN編集部」もよろしくお願いします

2021年春までSEIN Onlineの更新はお休み(閲覧は可能)になります。
連載コラムは、改修期間中noteに場を移して継続することも検討しましたが、やはり中途半端に「仮設」で引き継ぐよりも半年間お休みし、新サイトでリスタートしたほうがよいだろう、と編集長②と相談して決めました。

ただ、一律にすべてをお休みするわけでなく、SIGMA代表の山木によるコラム「Essentials」は、「Essentials plus(仮)」としてSEIN休止中このnote「SIGMA広報部」に登場する予定です。
また、「+SIGMA」も、これは皆さんにお伝えしたいなぁ、というテーマがあった時にSEIN編集部として当番にいれようかな、などと画策しています。

来年3月まで、ちょっと変則的ですが「SEIN編集部」名義で、こちらにも出没する事になると思います。
どうぞよろしくお願いします。


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