見出し画像

SIGMA fp Lの新機能をご紹介します

SIGMA社員が独断と偏見でSIGMA製品への思いを語るコーナーです。
今回はプロサポート担当が、4月16日(金)に発売したSIGMA fp Lを試してみました。

今日の当番|TK

こんにちは。プロサポートを担当しているTKです。
SIGMA fp Lが発売になり多くの方が撮影を楽しまれていると思います。
今回はお問い合わせの多い新規搭載のカラーモード、クロップズーム、QRコードを使った設定の保存/読込などを中心にご紹介したいと思います。

画像1


ファームウェアアップデート

4月27日にSIGMA fp LのファームウェアがVer.1.01にアップデートされました。まだアップデートされていない方は、こちらのページからアップデート手順を参考にアップデートをお願いします。


SIGMA ELECTRONIC VIEWFINDER EVF-11

画像2

SIGMA fp Lの発売にあわせてSIGMA fpシリーズ専用の外付け電子ビューファインダーがラインナップに加わりました。昨年開催したfpフェスでもお客様からとても多くのご要望が寄せられ、検討を重ね製品化することができました。
高解像で高輝度なファインダーでとても見やすく、天気の良い日の屋外での撮影で背面の液晶モニターが見づらく困った経験をされた方もこれで解消されます。
また、チルト機構も搭載されているので、ローアングルの撮影で便利に使えたり、中判カメラ風の撮影スタイルが楽しめるなど、撮影の幅が広がります。
SIGMA fpをお持ちの方は、初夏にリリース予定のVer.3.00のファームウェアにて対応しますので、もうしばらくお待ちください。

なお、このEVF-11の取り付けにはちょっとしたコツがあるため、ご使用の際には以下のチュートリアルビデオもご覧ください。


SIGMA史上最高画素数6100万画素

SIGMA fp Lの最大の特徴は、有効画素数が約6100万画素であることです。高画素になればなるほどより緻密で臨場感のある映像を手に入れることが可能です。うんちくはこれくらいにして、早速実際に撮影してみました。

画像3

何の変哲もない桜の写真ですが、立体感と臨場感を感じて頂けるのではないでしょうか。

この画像を等倍(100%)表示して見てみると

等倍

細かなディテールまで描写されているのに驚かされます。この画を見てしまうと、寄りの画が欲しい時は無理に被写体に近づかなくてもクロップで対応できるのではと考えてしまいますね。

もう一つ鞄を撮影してみました。

画像5

この画像も等倍(100%)表示してみると

等倍2

細かいホコリやゴミまで解像していることに驚きです。鞄もちゃんと手入れしなければと反省しつつ、有効約6100万画素による描写の凄さを実感しました。

SIGMA fp Lで撮影した画像はどれもすっきりとした印象がありますが、これは高画素による緻密な描写によるものです。この高画素を活かすために、ブレには細心の注意が必要です。三脚を使用したり、できる限り速いシャッタースピードを選択したりする工夫をして撮影を行ってください。

高画素を活かしたクロップズーム

SIGMA fp Lには、高画素撮像素子の特徴を活かし、撮像素子の記録範囲を変化させズーム効果を得る「クロップズーム機能」が搭載されています。この機能を利用すると単焦点レンズでもズームレンズを使用しているようにズーム撮影ができます。また、最大5倍の拡大撮影ができるので、それを活かした超望遠撮影や超拡大撮影も楽しめます。

では、実際にどのくらいズームできるのかSIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN | Contemporaryの400mm側で月を撮ってみました。

画像7

400mmでも意外と大きく写らないなと思われた方も多いのではないでしょうか。月は撮像素子上に焦点距離/100mmの大きさにしか写らないので、月を大きく写したいときには、通常もっと望遠のレンズに替えたり、テレコンバーターを使用する必要があります。しかし今回はSIGMA fp Lのクロップズーム機能を利用して5倍で撮影することにしました。

画像8

2000mm相当の画像となり、このように400mmのコンパクトなズームでも迫力のある撮影が楽しめます。

レンズを1本しか持っていないとき、望遠やマクロ撮影で重宝する機能なので積極的に活用してみてください。

新しいカラーモード:パウダーブルー・デュオトーン

SIGMA fp Lには新しいカラーモードとしてパウダーブルーとデュオトーンが加わりました。爽やかなブルーが特徴的で、明るく透明感のある印象に表現するパウダーブルーはカラーネガフィルムから着想を得ており、その色味と柔らかな描写が魅力です。

パウダーブルーでムスカリを撮影してみました。

画像9

フィルムライクな柔らかさとトーンで被写体の良さを魅せてくれますね。

ちなみにスタンダードで現像してみると、

画像10

見慣れたムスカリの画像になりました。こうして見比べてみると表現の違いがよくわかります。

パウダーブルーは、その名前から青い被写体を探して撮影しがちになりますが、実は緑の描写も特徴的なので、緑の被写体も積極的に画面内に取り入れるのがコツです。草花が咲き誇るこれからの季節の撮影にぜひ活用したいカラーモードですね。

そしてシャドウ、ハイライト間を印象的なグラデーションで置き換えた画像を生成するデュオトーン。70~80年代のポスターなどで多く使われた手法で、2つの色を組み合わせて表現するカラーモードです。最近Webサイトのデザインなどでも使われることがあるので、目にしている方も多いのではないでしょうか。

今回は比較のためにスタンダードとパウダーブルー、デュオトーンに用意された10種類のプリセットを並べた画像を用意しましたので撮影の参考にしてください。

画像11

上段左から
スタンダード、パウダーブルー、デュオトーンB1、デュオトーンB2
デュオトーンG1、デュオトーンG2、デュオトーンM1、デュオトーンOR1
デュオトーンP1、デュオトーンR1、デュオトーンYE、デュオトーンYG

デュオトーンは独特の表現になるカラーモードなので、撮影前に写す被写体やどの色味を選択するか悩んでしまいがちですが、積極的に使ってみることで、思いがけない表現に出会えると思います。

SIGMA fpをお持ちの方は初夏にアップデート予定のカメラファームウェアVer.3.00をお待ち下さい。それまで待てないという方は、SIGMA Photo Pro 6.8.0にこの二つのカラーモードが追加されていますので、RAW現像にてお楽しみください。

積極的に活用したいQRコード(設定の保存/読込機能)

SIGMA fp LにはQRコードによる設定の保存/読込機能が搭載されています。これはカメラの設定をQRコードの画像として保存したり、QRコードから設定を読み込むことができるもので、この機能を利用すれば、自分のおすすめの設定をユーザー同士で簡単に共有することができます。
例えば、ポートレートや風景におすすめの設定や、タイムラプス撮影やWebカメラに最適な設定など、楽しみ方は無限です。

QRコードから読み込んだ設定はカメラに設定の上書きをする他にカスタムモード(C1~C6)にも保存できるので、例えばC1はWebカメラ用の設定、C2はポートレート撮影用の設定などと用途に応じた設定を保存しておくととても便利です。

ちなみにサポート部門では、不具合が発生したお客様のカメラの設定をこの機能を利用してQRコード画像にしてお送りいただくこともあります。弊社のカメラでお客様の設定を再現できるので、原因特定の一助になっています

今回、私のおすすめの設定をQRコード画像で保存しましたので、ぜひカメラに読み込んで撮影の参考にしてください。

画像12


ここでご紹介した以外にも便利な機能満載のSIGMA fp Lなので、この週末は撮影を楽しまれるのはもちろん、様々な機能を探し出して楽しんでもらえればうれしいです。


今回使用した機材