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SIGMA fp|シネマグラフの作り方

「シネマグラフ」とは、画像と映像が組み合わさったアニメーションで、写真の一部が動き続ける独特な表現が特長です。SIGMA fpではこのシネマグラフをカメラ内で作成することができます。

ここではSIGMA fpでのシネマグラフ作成方法と、主な共有方法について紹介します。

シネマグラフは6月25日リリースのSIGMA fpファームウェア Ver.2.00より実装されています。
ファームウェアのダウンロードはこちら▼
https://www.sigma-global.com/jp/download/cameras/firmware/#fp  


シネマグラフの作成

■元となる動画を撮影する
まずCineモードでシネマグラフの元となる動画を撮影します。


■メニューからシネマグラフを選択する
MENUボタンを押し、メニュー画面PLAYタブ2枚目の「シネマグラフ」を選択します。
右カーソルで「新規作成」を選択したのち、左右のカーソルでシネマグラフ化したい動画を選び、OKボタンを押すと、シネマグラフ編集画面に移ります。

■シネマグラフの編集

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①開始フレーム指定 ②終了フレーム指定 ③静止画フレーム指定
④マスク範囲 ⑤再生スピード ⑥折り返し再生 ⑦露出補正
⑧カラーモード ⑨書き出し実行 ⑩プレビュー


①開始フレーム

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指定シネマグラフの動きを始めたい開始フレームを指定します。カーソル上ボタンを押して動画を再生し、開始したいフレームで一時停止させ、 OKボタンを押します。

②終了フレーム指定

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シネマグラフの動きを終えたい終了フレームを指定します。カーソル上ボタンを押して動画を再生し、終了したいフレームで一時停止させ、 OKボタンを押します。

※動画からは最大で600フレーム切り出せます。切り出せる長さは元動画のフレームレートによって異なります。24fpsでは約25秒、120fpsでは約5秒の長さが切り出せます。
※終了フレームを切り出し可能の時間を超えたフレームに指定すると、開始フレームが自動的に移動して調整されます。

③静止画フレーム指定

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動かさない部分の元になる静止画フレームを指定します。カーソル上ボタンを押して動画を再生し、止めたいフレームで一時停止させOKボタンを押します。

※一時停止中にAELボタンを押すと、開始フレームに戻ります。再生中に AELボタンを押すと、開始フレームに戻り一時停止します。
※ 静止画フレームは、同一ファイル内であれば、開始 / 終了フレーム外からも指定できます。

④マスク範囲

シネマグラフ内で動かす範囲・動かさない範囲を指定します。タッチパネルで動かしたい範囲を指でなぞり、マスクを取り除きます(ブラシ作業)。

※色がついている範囲がシネマグラフ上で動かさない範囲です。初期状態では全範囲が動かさない範囲に指定されているため、プレビューボタンを押しても動きが無い状態になるためご注意ください。

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[ブラシ作業について]
ブラシ作業の殆どはタッチパネルでの作業になります。
ダブルタップやピンチアウトで画像を拡大して作業できます。拡大中は2本の指でドラックすると、表示部分を移動できます。
Aをタッチすると、作業を戻れます。
Bをタッチすると、戻った作業をやり直します。
Cをタッチすると、なぞった部分がマスクされます。
Dをタッチすると、なぞった部分のマスクが取り除かれます。
Eをタッチすると、ブラシオプション画面に移ります。「サイズ」、「硬さ」、「マスクの色」を右側のプレビュー画面を見ながらドラックして調整してください。

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作業中でも AEL ボタンで効果をプレビューでき、意図通りマスクできているか確認できます。|□|ボタンで上部のガイドの表示 / 非表示を切り替えできます。


その他設定
必要に応じて以下の設定を行います。

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⑤再生スピード|0.25 ~ 4.0 倍速(元動画のフレームレートによって、選択できる再生スピードが異なります。)
⑥折り返し再生|バウンス(折り返し)再生の「入・切」を設定できます
⑦露出補正|0.3EV ステップで±1EVの範囲で露出補正が設定できます
⑧カラーモード|元となる動画のフォーマットがCinemaDNGの場合カラーモードを設定できます

⑩プレビュー(AELボタン)
シネマグラフの仕上がりを確認できます。

⑨書き出し実行
シネマグラフを書き出します。


完成したシネマグラフ

[作成に関する注意]
・動画のフォーマット、圧縮形式、解像度、フレームレートの制限なく、SIGMA fpで撮影された動画はシネマグラフ化することができます。
・シネマグラフのフォーマットは、元動画のフォーマットに関わらず、MOV ALL-Iで作成されます。
・シネマグラフの解像度は、元動画の解像度と同じになります。
・シネマグラフのフレームレートは、元動画のフレームレートによって、23.98 / 25 / 29.97fps のいずれかに設定されます。
・シネマグラフのファイル番号(拡張子: .MOV)は、メディアに入っている最後の静止画ファイルの次の番号が割り当てられ、DCIMフォルダ(静止画が保存されるフォルダ)側のサブフォルダに保存されます。
・書き出しにはかなりの時間を要します。「処理中...」メッセージの表示中にOKボタンを押すことで、書き出し処理は中断できます。
・再生時間が1秒未満のデータになる場合、同じ画像が繰り返し記録され、1秒以上のデータが作られます。


編集作業の再開

一度編集した動画ファイルは、編集状況を記録した編集ファイルが作成され、作業中断後や書き出し後も再編集できます。

1.「PLAY」→「シネマグラフ」→「編集」を選択します。
2.プレビューされた編集ファイルから、編集を再開したいファイルを選択し、OKボタンを押します。

※編集ファイルには、ファイル番号「Cinemagraph XXX」が付きます。(番号は 000 ~ 999 まで作成されます。)
[メモ]
同じ動画ファイルから別バージョンのシネマグラフを作成したいときは「新規作成」から始めてください。ちょっとした変更(再生スピードの変更)などは「編集」から始めると便利です。


編集ファイルの消去

必要のない編集ファイルを消去できます。
1.「PLAY」→「シネマグラフ」→「編集ファイル消去」を選択します。
2.後ダイヤルの左右で編集ファイルの切り替えをし、消したいファイルで決定ボタンを押します。後ダイヤルの上下でゴミ箱マークを表示させて決定を押すと、一度に複数のファイルを消去できます。

※シネマグラフの編集ファイルを消去しても、元の動画ファイルは消去されません。


完成したシネマグラフを見る・共有する

シネマグラフはMOVファイルで保存されます。楽しみ方や共有の仕方によって、再生の設定や変換が必要になります。

■PCで見る
MOVデータをそのままデフォルトの動画再生ソフトで再生できます。動画ソフト内で繰り返し再生の設定をするとループで楽しむことができます。

ex.) Windows Media Player|「連続再生」をオンにする。

■SNSで公開する(2020年6月時点)
SNSなどウェブ上で公開する場合は、アプリやサービスによって動画が連続再生されないものがあります。その場合は作成したシネマグラフに対して、変換や編集が必要になります。

・Facebook、Instagram、Twitterなど
サービスの仕様上動画の投稿が自動的に連続再生されるため、作成したシネマグラフをそのままアップロードすることでループ再生で共有することができます。

・noteなど
サービスの仕様上、アップロードや貼り付けをした動画は1回きりの再生で停止するようです。以下では動き続けるシネマグラフを共有するための方法を紹介します。

※各サービスにおける動画再生の仕様は、使用するアプリケーションや環境によっても異なる場合があります。投稿前にご自身の環境でのテストをおすすめします。


1.GIFアニメーションに変換する

動画編集ソフトやアプリケーションからGIFアニメーションに変換することで、Twitterやnote上でも動き続ける動画を投稿することができます。変換にはPhotoshopやPremiere Proなど一般的な画像・映像編集ソフトが使えるほか、スマートフォン用には無料のアプリケーションも多数リリースされています。
また、ウェブサイトの埋め込み素材として使用する場合にもこの変換が必要になります。

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※GIFが表現できる色数が最大8ビット(256色)のため、元動画に比べて色味や階調が変化する場合があるので注意が必要です。


2.長い動画に再編集する
作成したシネマグラフを連続させ適当な長さに延長することで、連続再生に近い見え方の動画を作ることもできます。

ex.)Windows標準アプリケーション「フォト」を使用
1.プロジェクトライブラリに作成したシネマグラフを読み込み
2.ストーリーボードにライブラリの動画を好きな長さになるまで追加していく
3.「ビデオの完了」から書き出し 
※「フォト」を使用する場合書き出し形式はmp4のみとなります


シネマグラフギャラリー

最後にSIGMA fpのシネマグラフ機能で制作された作品を紹介します。
シネマグラフ機能を使ってぜひ色々なアイデアを形にしてみてください。


今回紹介したカメラ


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