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パティオ北白川リノベーション Side:Owner #2 一部屋に何ヶ月かけるねん 期間の長さが生むもの
有限会社橘地所 柏元です。
ただいま京都市左京区で、築40年超の弊社賃貸マンション「パティオ北白川」のゆっくりリノベーション進行中です。
改装期間 8ヶ月
三点ユニット約20㎡の住戸が22戸あるパティオ北白川。
現在三部屋合体工事と、そしていろんな住まい方・暮らし方を実感してもらう各種企画をおこなっている新207号室は、三部屋続きで空くことがわかったのが今年の春で、実際に空いたのがたしか6月半ば。
すでに半年が経ち、竣工は2月半ばの予定ですから8ヶ月をかけることになります。
通常、賃貸物件の改装は一部屋にかけるのは2週間から1ヶ月。
大がかりにやっても3ヶ月かかることはそうありません。
竣工後、お客さまがなかなかつかなくて半年空いてるという悲しいことはたまにありますが、一住戸の工事に8ヶ月。なんぼ時間かけてるねん。
お家賃その間、入ってけーへんやん。
みたいな感じですので、着工前に相談したリノベの先達の不動産屋さんには少々あきれ顔をされました。
時間はかけすぎてるわ、コンセプトや企画はふわっとしているわ。
かけている時間については上に書いたとおり。
コンセプトはターゲットを絞ってないのでふわっとしてます。確かに。これはもうちょっと言語化したいところ。
コミュニティ型のリノベーションはターゲットをしぼり、一気に入居をすすめて雰囲気をかため、軌道に乗せるのがひとつの定石ですが、その方向は採っていません。
時間をかける意味
パティオ北白川のリノベーションにかかる前に、企画者であるKOSAKUSITUに念押ししたことがあります
「今現に住んでいる人たちをないがしろにしないように」
それで初回の工事挨拶と現場見学会のお振る舞いでは、他の住居にもご挨拶と参加のお声かけをしてもらいました。
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工事の期間については、2025年春の募集に間に合わせるように、というのがオーナー側から出した条件。もともとパティオ北白川は春以外はあまり入退去のない物件なのです。
はたして、期間いっぱいを施工と企画にあてることになりました。
企画はDIY施工の現場ならではのありようを楽しみ関わりを持ってもらうものと、専用住宅以外の使い方の夢と妄想を広げるもの。
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公開イベントとしてのDIY施工と各種企画は月に一回ですが、企画にご協力くださるみなさんの案内や施工の下準備で、KOSAKUSITUは頻回にパティオ北白川に足を運びます。
するとごく自然に、今住んでいるみなさんとも挨拶をし、言葉を交わし。
リノベーションと元々の物件が、人も建物も部屋も、だんだんとなじんでいきます。時間をかけて。
それはまるで長屋のような
着工前、ちょっとあきれた顔の先達不動産屋さんに、
「長屋のコミュニティの雰囲気と魅力は、コンセプトがつくったものではなくて自然と生まれたものでしょう」
と言いました。
長屋の魅力というと住民どうしのつながりがよく語られますが、ここは少し、使われ方暮らし方に目を向けてみてください。
京都にお住まいの方は想像しやすいでしょうが、私の地元の柏原でも見られたものです。
住居というプライベート空間としてのみ使われているものもあれば、仕出し屋になっているところ、洋裁をしているところ、そろばん教室。
各住戸はじつにさまざまな使われ方をしていて、しかもそれは割と頻繁にやっていることや使い方が変わったりしている。
開く。閉じる。多様な住まい方・使われ方・暮らし方。
それは用に応じて生まれてきた棲み家の在り方です。
そして長屋という共同住宅で互いの棲み家の在り方を互いに受容するためにコミュニケーションが生まれ、それが結果としてゆるやかなコミュニティとなります。
ゆるやかさと多様性を持った棲み家をめざし、長い時間をかけてパティオ北白川のリノベーションはすすみます。
「ゆっくりリノベーション」と自称する由縁です。
207号室ンは2月で竣工しますが、リノベーションはこれから建物のあちこちに続いていきます。
その記録を関係者がいろんな立場から綴ってゆく、「パティオ北白川リノベーション日記」
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