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ベランダの小さな庭

よく陽の当たる、奥行きの広いベランダのある家を選んで、5年目。

家の中でヒョロヒョロの観葉植物をおざなりに育てていただけだったのに、週末には日がなベランダでみどりの世話をするのが趣味になった。

秋の暖かな陽射しが気持ちいい。

実のなる木が好きだ。

ブルーベリー、オリーブ、ギンバイカ、花梅。

それぞれ思い思いに花をつけ、派手に花殻を落とし、赤や紫色の熟れた実をならせる。
細かに世話をしなくても、みんな丈夫にすっくと立っているのが頼もしい。
近くに養蜂している場所があるのか、春先やって来るミツバチたちとも仲良くしているよう。

花ものは多年のものが楽しい。

夏にすっかり葉を落として眠っていたシクラメンが、寒さを感じはじめる頃に、突如目を覚まして、葉を伸ばす。
おはよう、今年も目覚めたね、そう喋りかけてみながら、生き続けてくれたことに心底ホッとする。

もうだいぶ寒くなったのに、バラはまだ花をつけている。
たくさん栄養を欲しがって世話が焼けるけれど、あの綺麗な花には敵わない。
無意識に服従させられている感じが面白い。

2年前に切花で買ったクチナシが花瓶の中で根を出したので、鉢にしてみたら、元気に立派な中木に育っている。
つやつやした葉っぱがとても綺麗。

ドルチェ・ヴィータさんは今日も元気

食べられるみどりと一緒に暮らすこと。

今年はハーブやグリーンリーフを育ててみた。
種から始めてみたくて、発芽させるところから、植え付け、摘心とやってみた。
旺盛に葉を伸ばすので、育ち過ぎないようにどんどん収穫しなくてはいけなくて、エディブルな暮らしって大変なんだなと、実感する。
でも、みどりの都合に合わせて、その日の食卓を決める生活は本質的で、ちょっと楽しい。

エディブルは日々を追われる


生来、生き物にはすこし苦手意識があって、犬も猫も飼ったことがない。
植物は自立的で、強くて頼もしい、いい距離感を保てる相手だ。
片手に下げて連れて帰ってきたオリーブの幼木が、いまや同じ身長になっているのだから、逞しいったらない。

ある日のベランダの小さな庭の風景。
もうすぐバラが葉を落として、シクラメンが咲き出す季節になる。

蔓を伸ばしてぐるぐる巻きのハゴロモジャスミンと、今年迎えたユーフォルビアを、そろそろ家の中に迎えてあげよう。

ユーフォルビアはまだ小さい

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