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せかいのおきく

これ、おもしろいのかなぁ。

すいませんね、初っ端からこんなこと書いちゃって。
江戸末期と現代がごちゃ混ぜになった感じで、これ現代のお話で良くない?と思ってしまいました。
主人公のおきくも武士の娘ってよりも町人の娘って感じだし、主人公のあの二人もミョーに明るくて職業的な卑屈さ(?)が感じられなくて、人物の作り込みが浅いなぁと感じてしまった。
あの糞尿べっとりの桶、もっと生理的嫌悪感が滲むように生々しく描いて欲しかったなぁ。
取っ手を持った時のニュルニュル感(指の隙間からムニュゥみたいな)とか、手についた糞尿を着物で拭うときの周りの嫌悪感とか、その辺の描写があってこその肥溜めからの泉水のカットへつながるんじゃないかと思うんだけどなぁ(だって、相手は武士の娘だよ?)。
総じて主人公のあの二人の顔が美しすぎる。
肉体労働でもあるので、もう少し顔が脂汗でギッチギチの汚れた顔が欲しかった(最近は汗をかかない登場人物が多い)。
それから、おきくが声を失い、寺子屋(だっけ?)へ行けるようになるまでの彼女の描写もやっぱり浅いなぁと思った。
ただ、寝てるだけなんだもん。
それから、ちゅうじの元へ走るおきくのシーンで、戸口を閉めずに走り出して、慌てて戻ってきて戸口を閉めるってところも、なんかくどくてひどい演出だと思った。
ここは、戸口をしっかり閉めきれずに走り出しちゃうくらいに抑えて欲しかった。
おきくの喉元や、汚れた足元をそこまでダラダラ映さなくてもとも思った。
まぁ、そんな感じなので、広がる世界観てのはそれほど感じなくて、やはり「せかいのおきく」ではなくて「おきくのせかい」だったな。

あ、佐藤浩市の長屋での「怒んないからダメなんだよ」っぽい台詞はよかったです。

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