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【WBC 2023】1次ラウンド初戦 日本vs中国を振り返る

いよいよ始まった、WBC(World Baseball Classic)2023。
もう、ずっと楽しみにしてました!
 
2006年、2009年に大会連覇。
そこから2大会は優勝から遠のいています。
至上命題である「世界一奪回」に向け、栗山監督率いる日本代表がいよいよ始動。

注目は、かつて栗山監督が「二刀流」を掲げて日本ハムファイターズに引き入れた、「日本球界の至宝」大谷翔平。
そして、同じく栗山監督の元、ファイターズの黄金時代を支えたダルビッシュ有。
2009年の優勝の瞬間にマウンド上にいた彼も、36歳というベテランになりました。

今大会の侍ジャパンは、史上最強とも言われるほどの強力なメンバーが揃いました。
参加するメジャーリーガーも過去最多。
野球ファンからすると信じられないほどの打線と投手陣。
それに加え、侍ジャパンとして初めて日本とアメリカのハーフである、ラーズ・ヌートバー選手も加入してくれました。
彼は母親が日本人のメジャーリーガー。一体どんな活躍を見せてくれるのか、本当に楽しみです。

なかなか記事を書く時間が取れない中、あれもこれも書きたいけどWBCも書きたい…。
なら、毎試合後に短くてもいいから思う存分書けばいいじゃないか!
…とキーボードを叩いています。

どこまで書けるかわかりませんが、できるだけ試合後の興奮をそのまま書ければと思いますので、どうぞお付き合いください。

大谷翔平のピッチングに東京ドームが酔いしれた!

初戦となるこの試合の先発は、大谷翔平。
所属するエンジェルスのキャンプに参加していたため、帰国したのがつい先週。
事前の強化試合では登板しなかったが、アメリカで実戦登板が1試合だけ。
その状態で大丈夫か?と思ったが、とにかく初戦が大事だし、チームに勢いをつけるためにも必要な人選だったと思う。

遂に日本のファンの前に帰ってきた大谷。
場所は東京ドームであっても、投球フォームはテレビで何度も見たメジャーリーグでのピッチングの姿。
球も走っているし、何より彼自身の気合も十分。

日本中の野球ファンの期待を乗せて、遂にプレイボール!

大谷の投球に中国ナインのバットが空を切る!
球の迫力。変化球のキレ。そして160キロをマークする速球!
あっという間に三者三振。
調整不足の心配なんて何のその。完璧なピッチングで日本代表を勢いづける。

その裏。侍ジャパンの攻撃。
1番の“たっちゃん”ことヌートバーが初球を捉えていきなりヒット!
しかしその後、中国のピッチャーは球が定まらず、ストライクがなかなか入らない。
近藤、大谷、村上もフォアボールを選んで、結局押し出しで1点。

黙って打席に立っているだけでどんどん点が入るんじゃないか?と思えるほど。
中国のピッチャーはみんな若く、初戦のプレッシャーや日本の重量打線の怖さをマウンド上で感じたのか、どのピッチャーもあまりいい状態とは言えなかったと思う。
最初のピッチャーは2回途中で交代。その後に出てくるピッチャーもほぼ同じ。
3人目のピッチャーがいい投球をしていたように見えたぐらい。

試合が動いたのは4回。
1アウトからヌートバーがヒットで塁に出ると、続く近藤健介もヒット。
そして迎えた3番、大谷翔平。
スコアリングポジションにランナーがいる状況で、値千金のタイムリー!
レフトのフェンス直撃の大きな当たりで、一気に二人帰って2点!
メジャーの二人、そして校長の近藤の連携がうまく機能した理想的な得点!

圧巻だった戸郷翔征のピッチング

5回からピッチャーは戸郷に交代。
大谷はそのままDHへ。

DHとは、ディシジョン・ヒッターの略で、「指名打者」のこと。
WBCではパ・リーグと同じ「DH制」を採用しており、ピッチャーは打席に立つ必要はなく、その代わり指名打者の選手が打席に立つ。
そのため、大谷のような投打二刀流の選手は、ルール上交代するとその後は打席に立つことができなかった。
しかし、WBCでは打者として登録された投手が交代しても、そのままDHとして打席に立つことを許可した。
いわゆる「大谷ルール」。これは今年のメジャーリーグでも採用される。
大谷の活躍がルールまでも変えてしまった。日本人のみならず、こんなことができる野球選手は世界中にどれだけいるだろうか?

大谷からマウンドを託された戸郷。
そのピッチングが凄かった!
変わってすぐの5回表を3者凡退。
中国打線も、大谷は警戒していたものの2番手のピッチャーも同じぐらい凄くてびっくりしたかもしれない。
ストレートも走っているし、フォークのキレもいい。
これはG党としては今シーズンが楽しみになるうれしい投球!

しかし6回に捕まってしまう。
渾身のストレートを捉えられ、レフトスタンドに運ばれてしまった。
突然の失点。しかし、この日の日本代表が許した失点もこの1点だけだった。

地上波解説の原監督曰く、「戸郷はストレートとフォークしか投げていない。スライダーとかいいものを持っているんだから、使わないとどちらかで待たれて打たれてしまう」。
確かに、ストレートもフォークも良かったが、本当にそれしか投げていなかった。

そんな原監督の言う通りなのか、7回にさらに捕まってしまう。
昨年までソフトバンクにいた真砂にヒットを打たれると、その後の打者にもフォアボールを選ばれてしまい、スコアリングポジションにランナーを背負うピンチ。

しかし、ホームランを打たれてもピンチを背負っても、戸郷の投球は冴えていた。
その後の二人をきっちり三振で抑える気迫のピッチング。
見ていて頼もしい、完璧なピッチングだった。
Twitterのトレンドに「戸郷めちゃめちゃ」とあり、何だろうと思ったら、「戸郷めちゃめちゃすごい!」という言葉をみんな使っていたようだ。

心配していたバッターに次々1本が飛び出す!

7回裏。
強化試合からヒットがなかなか出なかった牧の打席。
セカンドの守備は盤石で、ショートの源田との二遊間は鉄壁。
あとは1本が出ればこれからどんどんヒットを量産して調子も上がってゆくはず。
普段ベイスターズでは手強い相手だが、日本代表でヒットを打てず、ちょっと心配だった。

しかし、そんな心配を吹き飛ばす1発!
大きな当たりはライトスタンドへ一直線!
東京ドームに集まったベイスターズファンはもちろん、日本中のファンを安堵させた。
お馴染みの「デスターシャ」もようやく見れた。
やはり、牧、岡本、山川の重量打線が本領を発揮してくれないと、世界一奪回に近づくことはできない。

8回から、セカンドは牧に変わって山田哲人。
ミスタートリプルスリー。日本代表にも何度も呼ばれ、侍ジャパンになくてはならないベテラン。
しかし去年から調子を崩しており、強化試合でも安打は見られなかった。

8回裏。舞台は1アウト満塁。
最高のシチュエーションで山田哲人の打席。
ドームのファンは、全員が彼の復活を願って名前を叫ぶ!

するとそれが通じたのか、最高の場面で値千金のタイムリー!
さすがはベテラン。本番の強さを見せたのか、本当の復活なのか!?
牧と山田。二人のセカンドプレイヤーがきっちり結果を残してくれた。

この回では同じく結果が出ていなかったキャッチャー甲斐にもタイムリーツーベースが飛び出す!
東京オリンピックで値千金のヒットを放ち、金メダル獲得に大きく貢献した甲斐にも1本が。
これで明日以降の試合も楽しみになってきた。

ピッチャーは8回から湯浅→伊藤大海の継投でしっかり抑えてゲームセット。
終わってみれば1対8の大勝。
幸先のいいスタートだったが、難しい試合でもあった。

気になる点

大谷翔平は流石の大活躍。今後も彼を中心にチームは回っていくと思う。
そして盤石の1、2番。ヌートバーと近藤。
二人とも状態がいいようで、しっかり塁に出て繋いでくれる。
どのチームと対戦しても怖い存在になると思う。

反面、4番に座った昨年の三冠王、村上の調子がなかなか上がらない。
強化試合のオリックス戦ではようやく1本ホームランが出たが、その後の打席からヒットすら出ていない。今後が心配だが、通常であればまだシーズン前。信じて待っていれば必ず結果を出してくれると思う。

状態が上がらないのは岡本も同じ。強化試合ではそこそこいい状態だったと思うが、今後もヒットが出ないとちょっと心配になってくる。
二人とも日本球界トップレベルのバッターだし、彼らなりの方法で調整してくると思うので、心配が稀有に終わればいいと思う。
第一、球界トップレベルの打者がみんなバンバン安打を打てれば労せずに世界一が転がり込んでくると思うが、そんな甘い世界じゃない。

明日の展望は?

明日はいきなり一次リーグの天王山。
宿敵、韓国戦。
2009年の「死闘」は忘れたくても忘れられない。

しかし韓国、午前中に行われたオーストラリア戦では、乱打戦になるも1点届かず破れている。
この結果がどう響いてくるのか?
過去の対戦から、韓国チームは日本に苦手意識がないと思う。
きっと死力を尽くして挑んでくるはずだ。

対する日本の先発はダルビッシュが有力。
長く日本のマウンドで投げていないが、どんなピッチングを見せてくれるのか?
球数制限があるWBCでは第2先発の存在も重要。
こちらも好調の今永が有力。韓国打線相手にどんなピッチングを見せてくれるか?

打線も今日とあまり変えずに挑むと思われる。
今日のような展開で勝てれば、気を緩めることはできないが、少しは楽になってくるはずだ。

今大会はAmazon Primeで中継してくれるのがありがたい。
2009年の大会では、どうしても試合が見たくてPSPのワンセグチューナーを買って電車内で見た記憶があるが、今やネット回線とスマホがあれば高画質で試合を見ることができる。いい時代になった。
今後を占う大一番を楽しみたいと思う。

タイトル画像はWBC公式Twitterより使用させていただきました。

最後に、声優の日高のり子さんのステキなツイートをご紹介。
ヌートバー選手のミドルネームは「タツジ」。
日本名もあるそうです。
なるほど…野球で「たっちゃん」なら、確かに日高のり子さんですよね!
一緒に応援してください!きっとたっちゃんが甲子園…ではなく、決戦の地アメリカへ連れて行ってくれますよ!

※3/11追記:WBCでは「1次ラウンド」という表現が正しいようなので、タイトルを変更しています。

※韓国戦の記事はこちら。


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