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【備忘録】Look through a kaleidoscope.

" A Technique for Producing Ideas/アイデアのつくり方", James Webb Young著, IBCパブリッシング版

を読んだメモを元に作成した備忘録。

雑なメモを元に書いた記事なので細かいミスと和訳のセンスのNASAには目を瞑ってください笑

「どうすればアイデアを手に入れることができるのか」

The Formula of Experience

アイデアは精神の表層に突如として現れるもののように思われるが、実際は長く目に見えないアイデア作りの過程から得られる最終産物でしかない。

つまりこの一連の過程を可視化し、公式や技術のようにしてしまえば、意識的にいいアイデアを得ることができる!!!

アイデア作りは工場で一つ一つの手順を踏み、フォードを組み立てるのとちょうど同じような活動なのだ。

The Pareto Theory

この「アイデアのつくり方」という公式を使うことは誰にでもできるのだろうか。例えば色彩感覚、音感といったものと同じように何かしら生来持つ力を必要とするものではないだろうか。

これに対する答えはパレートの著書”Mind and Society”の中で提唱されている。この世の全ての人は2つのタイプに分類される。①Speculator, ②Rentierだ。(※フランス語の綴り)
①Speculator(思索家)は常に新しい組み合わせの可能性を模索する人である。あらゆる領域(※元々この本は広告分野での需要に応じて書かれた。)において、物事に満足しない人。どうやって変えていくかを考え続ける人がこれにあたる。再建者とも呼べるだろう。②Rentier(直訳で賃借人)はSpeculatorに支配される側の、創造的でなく安定志向な人々だ。

この「アイデアのつくり方」を考えるに当たってはSpeculatorが重要であるといえる。これは生来の才覚であることもあるが、それだけではないはずだ。

自分の周りにあるあらゆるモノに対する感度が高いことはSpeculatorの一つの重要な資質であるといえる。この力は努力、より上手く使う技術を手に入れることで鍛えることができる。

Combining Old Elements

二つの一般的な原理がある。

アイデアは古い要素の新しい組み合わせであり、それ以上でも以下でもない。

②古い要素を新しい組み合わせにする能力は「関係性」を見つける能力に依存する。

→ある者にとってそれぞれの事実は知識の断片にしか見えないが、ある者には知識の輪とのつながりが見える。それぞれには関係性と類似性があるのだ。

これらの原理は新しい応用・組み合わせの鍵を暗示しており、その結果がアイデアとなる。

Ideas Are New Combinations

実際にアイデアをつくり出すにはどれかを飛ばしたりすることなく5つの手順を順番に踏む必要がある。

①材料集め

specificとgeneral二つの材料を集める。この過程は当然と思われる一方で実際に行うのは大変なものだ。

広告の観点ではある製品と顧客についての仔細な知識がspecificな材料といえる。深い観察が全ての製品と顧客の間にある「関係」の個性を気づかせてくれる。

specificな材料集めがどのようなものかはフランスの小説家De Maupassantによる引用で示されている。

"パリの通りに出かけるんだ"
”そして一人のタクシー・ドライバーを選び出す。彼はきっと他のあらゆるタクシー・ドライバーと似ていて区別がつかない存在として映るだろう。あなたは彼を説明できるようになるまで、観察を続ける。そうすれば彼は世界中のあらゆるタクシー・ドライバーとは異なる特定の人物として見られるようになる”

こうして得られるあるタクシー・ドライバーに関する知識というものがspecificな材料といえる。深い観察から個性や関連性を見出す過程が、アイデア作りでまず始めに必要とされるものだ。

対してGeneralな材料とは特定の対象に限らない。身の回りにあるあらゆるものへの感受性を高めておき、同様に材料を集めていく。

著者は広告における本当に良い、創造的な人物の以下のような特徴を挙げている。

There was no subject under the sun in which he could easily get interested.

前章で「アイデアは古い要素の新しい組み合わせである」と言ったが、これは万華鏡(kaleidoscope)に例えられる。

中にあるガラス片(古い要素)は変わらずとも、回転により、その図形的な組み合わせが変わり、新しい図形(アイデア)が現れる。

アイデア(新しい組み合わせ)を作るためには、ガラス片(材料)の数を増やすことが重要なのだ。

この過程の具体的な方法としては①インデックス・カード、②スクラップブックといった形での情報収集・整理が提唱されている。

※インデックス・カードについてはこちらの記事が参考になった。

The Mental Digesting Process

②材料咀嚼

①で集めた材料を消化できるよう、咀嚼する過程。一つの事実を異なる灯りの元で見て、その意味を考える。二つの事実を一緒にしてそれらがどれくらい合うか確かめる。など、材料の持つ意味を考え、感じる過程だ。

不完全でおかしなものであっても、ここでの発見を書き落としていく。①でも示した3x5のインデックス・カードが有効である。

直にあなたは疲れ切ってしまう。全てが意識の中で混雑し、明確な洞察がなくなる。この救いようのない混沌状態こそが、この過程のゴールである。

③消化と刺激

ここまで深く観察し、考察してきた材料を全て頭から追い出してしまう。

これは意識から追い出して忘れてしまう、というのではなく眠っている間にも消化されるように無意識の領域に渡すという意味だ。

①で料理を用意し②で咀嚼したならば、ここではこれらを飲み込んで、再編成の時を待つことになる。

具体的なモノを無意識に飲み込んだら創造力、感情を刺激する。音楽を聴いたり、映画を観たり、詞や小説を読んだりするのが有効だ。

Constantly Thinking About It

④アイデア誕生

①~③の手順を終えたあなたは、既にアイデアをつくり出す準備が十分である。考え続け、少し休んだ後にどこからともなくアイデアが湧きだすだろう。意識的に導かれた閃きのステップ。

The Final Stage

⑤アイデア洗練

④で思いついたアイデアを、より現実に即した形に練り上げる。閃き・思いつきのアイデアは発想そのものがよくともまだ上手く機能するかわからない。ここでは思慮深い批評家の元でも認められるように、アイデアを仕上げていく。

終わりに

私はあまり「創造力」に富んだ人材ではないのでこの本を何かの紹介で知った際、是非手に取ってみようと思った。

ここに特別なことは書かれていない。

材料を集め、消化し、アイデアを生み出す。

重要なことはこの一連の過程が機能するためにはあらゆるものに対し感度を高く持ち、徹底的に感じ、考え抜くことだと感じた。

私は広告のような創造性を求められる仕事に従事しているわけではない。

しかしgeneral materialsを常に集めていくことは有用だと感じた。

noteも使いながら少しずつ身に着けていきたい。

私は基本的に好きなものは好き。それ以上の説明はいらないと思っていた。この本を読み終えた今、インデックス・カードに書きつけて分析してみるのも必要なのかもしれないと感じている。

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