「裸足じゃイラレナイ / 明日もBeautiful Day」にまつわる雑記【Song for Prism 雑記 Vol.1】
池みたいな口の形、口の形アニメすぎるだろ!!!!!!!!!!!!!!
こんにちは、蜷川です。
シャニソンリリースから早 2 ヶ月が経ち、初のシャニソン楽曲の CD リリースとなりました。
フル音源の先行配信もありましたが、まずは無事リリースされたことへの関係者各位へ感謝とお疲れ様ですの気持ちから始めさせていただきます。
(それはそれとして最近(というより結構しばらく?)なんか Lantis のページ重くないですか……?)
さて、そんなシャニソン CD ですが、シャニマス楽曲の歴史を見ると、ソロではなくユニット単位で考えると複数ユニットが 1 枚のシングルに収まっていることが初だったりします。
まあそりゃユニット単位で進めていっているのでそうなるのは自然なのですが、6周年を手前になってその事実に対して「言われてみればそうかも」ぐらいの感覚なのもなんか不思議。
前置きはこれぐらいにしておいて、さっそく 2 曲それぞれで感じたことを遺していこうと思います。
(シャニソンは CD リリースと同時にサブスクも配信!)
※シャニソンイベントコミュ『茜色ドローイング』の内容に関する言及がありますのでご注意ください※
裸足じゃイラレナイ/放課後クライマックスガールズ
作詞:古屋真、作曲・編曲:ats- (Blue Bird's Nest)、Guitar:木村 健、Bass:ハピネス徳永、Drums:阿部 薫、Recording Engineer:岩田祐資(prime sound studio form)
作詞はもう何も言うことがないぐらいいつもお世話になっている放クラ専任の古屋さん。おかげさまで生きております。
作編曲の ats- さんは、シャニマス楽曲ではアルストの『ダブル・イフェクト』の編曲以来の参加となりました。
ats- さんの有名な曲といえば、私と同世代(アラサー)の人たちだとここら辺になるでしょうか。
𝑚𝑢𝑠𝑖𝑐.𝑗𝑝……
最近だとこれかな……。
avex 周辺のレーベルを軸に、主に編曲・サウンドクリエイターとして浜崎あゆみや Every Little Things 楽曲に参加されていた平成以降の J-POP を牽引し続けるクリエイターさんの一人です。
『ダブル・イフェクト』の音を作った人、という印象が先にあると少し以外に感じるかもしれませんが、参加された楽曲全体でみれば幅広い領域のサウンドを作っている中の一つにそれがあるぐらいで本当にいろんな形での「J-POP らしさ」を楽しめるかと思います。
ギターとドラムスで入られている木村さんと阿部さんは globe をはじめとした小室哲哉サウンドをサポートしてきた面々という印象が強いです。
ベースのハピネス徳永さんはアイマス関連だとやっぱりこれでしょうか。
すごく粒感の際立ったベースを弾かれるな~という印象のある方で、『裸足じゃイラレナイ』の 2 サビ前は特にその様子が伺えるように思います。
シャニソン最初の曲にしてかなり豪華な演奏家布陣による生サウンドとなっています。
シャニソン最初で放クラ!?の驚きと、コミュと合わせての「必然性」
さて、今回の『裸足じゃイラレナイ』に話を移すと、まず最初に
シャニソン最初のユニット新曲ってイルミネじゃないんだ!?!?!??
という驚きがありました。CANVAS 08 の『無自覚アプリオリ』が一定の意味でシャニソン初楽曲みたいな側面がありましたが、「Song for Prism」を銘打ってイベント関連楽曲としてのトップバッターがまさか放クラだとは、と驚いた方は少なくなかったのではないでしょうか。
最初のシャニソンイベコミュ『茜色ドローイング』では、「放クラとカメラ」という enza コミュの基本を踏襲しつつ、入学時に陸上部と美術部で迷っていた美術部副部長が思い描く複数の可能性に対する「選択」を通じてenza と シャニソンそれぞれを追いかけることへの心の持ち方を宣誓するようなコミュでした。
↑ 放クラとカメラの入り口総集編記事
(一方で、「選択」は今年度のシャニマスの 1 つのテーマとも思えます)
さらっとコンパクトなコミュなのに、やっているメッセージ性がやっぱシャニマスくんやなぁと肘で小突きたくなってしまうもの。
それでさぁ!!!!!!!!
二つの可能性を象徴する靴紐で無限を描いて終わるのすごすぎ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
enza とシャニソンの二つを追っていくことになる最初の曲で、掛け持ちになる陸上部への挑戦を描いたコミュと合わせて 2 本の靴紐でできる蝶々結びを「無限」と表現するの、何食ったらできるんだよ……。
「靴紐 ムゲン エガケ」という魔法の呪文で終わるの、シャニマス、そして放クラの祈りすぎて……。
えぇ……、これ書いてて改めてすごってなっちゃった……。
MV も絵具のエフェクトとクラウチングスタートの振りがあって、やっぱコミュと映像演出としてのステージの相乗効果をシャニソン一発目から見せてくれる完璧なスタートダッシュとなっていたのではないでしょうか。
明日も Beautiful Day/アルストロメリア
作詞:鈴木静那、作曲:丸山真由子 (Blue Bird’s Nest) 編曲:清水武仁 (Blue Bird’s Nest)、Guitar & All Other Programing:清水武仁 (Blue Bird’s Nest)
Aメロ、ほんと何?
作詞はこちらもアルスト専任の鈴木静那さんで、作曲と編曲はシャニマスだとイルミネの『FELICE』以来のタッグ参加となる丸山・清水ペア。こちらも長年 avex 関連周辺で色々プロダクトを出されていた方で、ats- さんも含めてもともとHΛLというサウンドクリエイターチーム所属だったこともありました。
AAA とか i☆Ris が好きな人だったらどこかで聴いたことがあるんじゃないでしょうか。
丸山さんに関しては ats- さんが編曲で参加していたアルストの『ダブル・イフェクト』以来のアルスト 2 曲目の作曲参加にもなりました。
譜面……譜面?
で、音ゲー部分プレイしてみたら、……え?…ァ…………?
やっぱりシャニソンって音ゲーじゃなかったんすね。
それはそれとして……。
ボサノバ・クラーヴェのウラ・オモテ
この曲、イントロからカフェで流れてそ~な感じありますよね。まあ小見出しに書いちゃってるんですけど、開幕からすんごくボサノバの雰囲気がします。
今回はリズムに注目してこの雰囲気の源流に近づいてみましょう。
まず最初に、イントロ部分を「カッ」と「チャッ」の中間みたいなちょっと高めのパーカッションの音に注目して聴いてみてください。
タッッタッッタッンッタッッタッッ / タッッタッッタッンッタッッタッッ / タッッタッッタッンッタッッタッッ …..
このリズムを譜面に起こすと次の動画のようになります。
2 回リズムを取るためのバスドラムと一緒に該当のハンドクラップが流れるので、1 回目をよく聴いて、2 回目でドラムと一緒に乗っかってみて、3 回目ハンドクラップだけ、最後にリズムのバスドラムだけで上手く叩けるか挑戦してみてください。(4 回目でバスドラムにつられないように叩けたら OK!)
このハンドクラップのひとカタマリは 3:2 ボサノヴァ・クラ―べと呼ばれます。
クラ―べとはラテン音楽で良く用いられるリズムパターンのカテゴリで、今回リズムパターンはクラップの間の時間の長さを 3/3/2/(2)/3/3 (上記譜面で 8 分音符を 1 とカウント)となります。前半では 3/3/2 の 3 つの音、後半では (2) の休みを除いた 2 つの音があることから、このパターンを 3:2 クラ―べと呼びます。
時間の区切りに注目すると、3/3/2 のカタマリと (2)/3/3 のカタマリが交互にくっつく形になっていますね。似ているけれど表と裏が逆になったものが交互に来ることで、ボサノヴァ独特のグルーヴ感を感じられるのではないでしょうか。
実はこのリズム、たぶんシャニマスというかアイマスが好きな人は良くも悪くも普段聴いているのではないでしょうか。
というのも、このリズムってアイドルマスターチャンネルのチャンネル登録画面で流れている例の TOWN アレンジでも「ポク」と「カッ」の中間の高めのパーカッションのリズムで使われているんです。
(暗めの動画の雰囲気壊すから嫌いだけど
こうやって引用のために使えてしまうのがなんか癪)
……で、 3:2 ボサノヴァ・クラ―べは 3/3/2 と (2)/3/3 のカタマリの順番でくっつけていましたが、このくっつける順番をひっくり返す、つまり
(2)/3/3/3/3/2
のカタマリはどのように聞こえるでしょうか。3:2 のものと同様にに 4 回のレッスンループがありますので、ぜひチャレンジしてみてください。
このカタマリは、さっきのが 3:2 だったのに対して、順番を逆にしたので
2:3ボサノヴァ・クラ―べと呼ばれます。
もしかすると 3:2 よりこっちの 2:3 の方が『明日も Beautiful Day』のイントロの印象に近いかもしれません。
これは、「トゥルリ トゥルラ」のメロディーが 2:3ボサノヴァ・クラ―べを基盤としているからです。一度 2:3 ボサノヴァ・クラ―べのクラップをしながら聴いてみて、気持ちよくメロディーとクラップが重なることを確かめてみてください。
と、ここまで 2 種類のボサノヴァ・クラ―べを見てきましたが、振り返ってみると、イントロではパーカッションと歌のメロディーでそれぞれ 3:2 と 2:3 のボサノヴァ・クラ―べが同時に使われていることがわかります。
表と裏のボサノヴァ・クラ―べが一緒に使われることで表と裏のリズムが入り乱れて細やかなステップを作り出す、そんな豊かなリズム感はブラジル音楽の面白さの一つです。
Aメロも続けてボサノヴァ特有のリズムがこんなに贅沢に使われているのに、なんで譜面をセリフ合わせにしたんですか……。(どうして by bossa cat.)
それはそれとして……。(2)
おわりに
シャニソン開始の 2 曲でそれぞれ
・コミュと MV の融合
・まさかのセリフ譜面(譜面?)
というシャニソンならではの楽曲たちとなった CD でした。
作詞担当はこれまでの引き続きで、サウンド面もこれまでの実績十分でお世話になっている方々によるもので良いスタートを切れたように思います。
ただ、1点気になることとしては、作編曲が avex の流れを強く汲んでいる Blue Bird’s Nest 所属の方々で固められていたのが少し気になってしまいます。
もともと avex 色の強いシャニマスで、もちろんシャニマス内外で実績十分な方々でスタートを盤石に切るためには最高の布陣ではあるのですが、新 CD シリーズの冒頭をこうやって固めらてしまうと( Lantis くんほんまにそれでええんか……?)みたいな気持ちになってしまいます。
プロデューサーと A&R チームが現体制になったのが CANVAS 03 からなので動き始めからぼちぼちぐらいか 1 年ちょっとかと思いますが、なんか少し気にならなくはないかも……という感情がしなくもないです。
電音部とかで別方面はガッツリ開拓しているのと、シャニマスの楽曲方面のブランディングとしてあまり Lantis らしさを出す場所じゃないのかもしれないですけど、なんかちょっと大丈夫なのかなと……。
という余計なお世話すぎる杞憂で締めるのもちょっとあれですが、それでは~。
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CDかシャニマスのフェザージュエルに濃縮還元されるサポート