「リモートワークの達人」はコロナ禍において日本の全社会人が読むべき本
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「リモートワークの達人」はコロナ禍において日本の全社会人が読むべき本

学校法人角川ドワンゴ学園ではコロナ禍の以前よりリモートワークを行い、リモートワーカーとしてシングルマザーの採用を行ったりしてきました。
運営しているN高等学校も基本的にはネットの学校であり、通学コースやスクーリングのための拠点で実際に出勤が必要となる職員はいるものの、特にコンテンツ制作やバックオフィス、ネットを通じた生徒指導に当たる業務などは基本的にはリモートワークで行うことが可能です。

元々N高等学校自体が、SlackやZoom、G Suite for Educationなどのオンラインツールを使いこなして学校運営をし、教職員も同様にオンラインでの学校運営をしてきたわけなのですが、そこで得た知見とほとんど同じことが書いてある本がこの本「リモートワークの達人」となります。たまたまこのブログで紹介されていて、自身も読んでみてこのまとまり具合に感動しました。

この「リモートワークの達人」は、Twitterやクックパッド、また我々が学園で使っているN予備校を生み出したWebアプリケーションフレームワークのRuby on Railsの開発者であるDHH(デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン)が書いた本です。

もう10年以上に渡ってリモートワークで高い成果を上げてきただけあって言葉の重みが違います。リモートワークの利点、欠点、どう運用するべきかが書いてあります。

具体的には以下のような内容となっています。自分が重要だと思ったところを31個切り取ると以下のようになります。

・会社にいると割り込みが入るため、実は出社での業務は生産性が低いこと
通勤が人生の無駄以外のなにものでもないこと
・リモートワークは交通費やオフィス代などで1人1万ドル(年間約120万円程度)の節約効果があること
・とはいえ年に何度か全社員が集まるためにオフィスがあるのは悪くないこと
・上司が見張ってないと仕事をさぼってしまうような社員は雇うべきでないこと (個人的には組織のミッションやビジョンに共感し、組織に貢献したい気持ちが強い人だけを雇うことかなと感じます)
セキュリティは会社への出社ではなく仕組みで担保すること(HDD暗号化、自動ログイン不可、暗号化通信利用、モバイル端末にパスワード、パスワードは全部別で長く複雑なものに、2段階認証の徹底など)
質問は数時間待てるならメール、数分ならチャット、1分1秒争うなら電話で行うこと
・ビデオチャットで画面共有で同じ画面を見つめながら会議や共同作業をすることが重要なこと
・リモートワークにおいてバーチャルな雑談の場(チャットの雑談チャンネル)が重要であること
・仕事の進捗を書き込むチャットチャンネルへの報告やそれぞれの成果をゆるく共有する場の導入が重要であること
・印象よりも仕事の中身や成果に注目して人を見ることが重要であること
ミーティングを減らしオンライン上にログの残るコミュニケーションを重要視すること
孤独は人を狂わせるため、一人一人が孤独にならない形で、家族や友達などとコミュニケーションをとれる環境で仕事をする必要があること
・自宅の設備は人間工学に沿った良い椅子や机を用意することが重要なこと
・運動不足にならないように運動の予定を必ず入れるようにすること
・リモートワーカーの地方の優秀な人材を採用することで、より成果をあげられること
・リモートワーカーは人柄がより大事なのでそこで妥協する採用をしないこと
・常に社員が仕事一筋にならないように監視し、休むように言い続け働き過ぎを防止すること
地域で賃金差別をしないことが、引き抜きを防ぐために重要なこと
・リモートワーカーには「有能さ」と「仕事をやりとげる力」が本当に重要で、「遅刻をしない」とかはどうでもいいことであること
・リモートワークでは、非同期のコミュニケーションが多いため、文章力がある人が重要であり、そこを妥協する採用をしてはいけないこと
・席を見張るのではなく成果に注目した評価をする必要があること
・リモートワークでは年に数回の会う機会が非常に重要で、絶対にやるべき価値があること
・できるだけ全ての業務情報に社員がアクセスできるようにし、オンライン上でセキュリティを守りつつ社内ではオープンにすること (オープンソースのプロジェクトではすべてが公開されており、たまたま詳しい人が見て素晴らしい解決策を教えてくれることもある)
・出社している人とリモートで働く人との間に情報格差等の格差が生まれないようにしないといけないこと (すべてのことはオンラインで起こっていることがわかるようにすること)
・最低でも2か月に1度はメンバーに対してオンライン1on1(1対1)ミーティングを入れ、そこで雑談をすることがとても重要であること
無駄な承認や手続きをできる限り根絶しないとリモートワークはうまく回らないこと
・仕事と遊びの区別をつけるために仕事をする際には着替えたり、近くのカフェに行くことが有効であること (日本の都市部ではカフェよりリモートワーク用にサービスを提供するカラオケボックスなどが良いかもしれないです)
・働き過ぎを防止するために、仕事用のPCと遊び用のPCを別にすることが有効であること
・リモートワークではモチベーションが何よりも重要なため、しっかり休むこと、時には2週間の休暇も必要であること
・メンバーが存在感をその仕事でアピールできるようにすること

以上のようなことが、実際のエビデンスとなるデータや体験と共に解説されています。以上の内容はネットの学校を4年以上に渡り運営してきた学校法人角川ドワンゴ学園においても、まったく同じことが言えるかなと思っています。

なおちょっと書かれたタイミングが前ということもあるので、出てくるツールに関しては、ビデオチャットのSkypeはZoomへ、チャットのIRCやキャンプファイアはSlackへ読み替えるとより今に合わせて自然になるのではないかと思います。

加えてこの本は海外の住宅事情が基礎となっているため、日本の都市部においては最近リモートワーク用にサービスを提供しているカラオケボックスなどをリモートワーク及びビデオチャットのために利用しても良いかなと思いました。カラオケ用の高速なインターネットを提供している場合が多く、防音性能も高いためです。

また上記の項目からは除いてしまいましたが、どのように組織にこのリモートワークをしっかりと導入すべきかということについてもこの本には書いてあるので、このコロナ禍においてリモートワークで成功したいと考える組織の社会人はぜひともこの「リモートワークの達人」を読むべきだと思っています。

とても短い本ですので、リモートワークでより高い生産性を得たい方は手に取ってみるとよいかなと思います。

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追伸、誤字脱字誤用指摘してくださった方々ありがとうございます!

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S高等学校 校長。IT周り担当、N高/S高プログラミング講師。「高校生からはじめる プログラミング」著者 ( https://www.amazon.co.jp/dp/4046019557/ ) 詳しくは、 https://www.soichiro.org/