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猫-part2-

家族全員が気に入った猫の受け入れを断られてしまったものの、
保護猫センターのスタッフがうちの家族構成とマッチする猫を選んで、二匹紹介してくれた。
一匹目はSimba.
出産したばかりのお母さん猫で、私たちが気に入った猫に毛の色が似ていた。
二匹目は、Molly.
同じく数ヶ月前に出産した、小柄なお母さん猫だそうだ。
どちらも猫初心者の私たちには、育てやすいだろうという話だった。

家族で話し合い、まずは一匹目の猫に会ってみようと決めた私たちは、猫の里親とzoomミーティングを行う事になった。
実際に見れないのは残念だったが、猫の性格や指が一本多い特徴があり、爪のケアを頻繁にしなければいけない事などをわかりやすく説明してくれ、また私たちがどう猫と関わっていきたいかなどを質問された。
「Bye」と言ってzoomを閉じた後、顔を見合わせた家族だったが、娘の表情が曇っていた。
娘にどう思うか聞いたところ、一番最初に気に入った猫が忘れられないと言う事だった。
長い説得になりそうだなと思ったが、保護された猫を引き取るという心構えを改めて話す良い機会になった。

「三匹目の猫にも会ってみようかな。」
数日後、娘が言った。
会ってからまた考えたら良いよ。と伝えたら安心した顔を見せてくれた。
すぐに猫との面会をお願いしたところ、Simbaとは別の里親のところで保護されており、今回は実際に会えるとのいい返事が貰えた。

その週末、私たちは家から1時間ほど車で走った郊外の緑豊かな街にいた。
いよいよ猫との面会の日。
興奮が隠しきれない家族は、全員がどこかちぐはぐで可笑しかった。
「Hi!」
里親のGiana さんが出迎えてくれた。
ボランティア活動をしている彼女の家には、飼っている犬二匹、猫二匹、保護猫が三匹が住んでいた。とても清潔感のある綺麗なお宅で犬猫たちはのびのびと過ごしていた。
案内された部屋に行くと、保護された三匹の猫の中に、私たちが会いたかったMollyが座っていた。
まん丸の目で、わたしたちを見上げていた。

猫-Part3-に続く









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