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我思う、故に敵あり——最終編1章・感想【ブルーアーカイブ】

「わたしはおまえの敵だ。おまえがはじめて出会う、おまえより切れ者の敵だ。敵よりほかに師はいないのだよ。敵以外のだれも、敵がなにをしようとしているかを教えてくれない。敵以外のだれも、どうやって破壊し征服すればいいかを教えてくれない。敵だけが、自分のどこに弱みがあるかを教えてくれる。敵だけが、自分のどこに強みがあるかを教えてくれる。そしてこのゲームのルールは、おまえが敵になにができるか、敵がしようとするなにを阻止できるかを見いだすことにほかならない。いまから、わたしはおまえの敵だ。いまから、わたしがおまえの師だ」

「エンダーのゲーム 下 [新訳版]」p.212
オースン・スコット・カード 田中一江訳

・先生と生徒達は幾度も会敵してきた。振り返ってみると、それらはいずれも各々の性格から生じる必然的な対立であった。先生は生徒達の可能性を信じる、ゆえに「子ども」を食い物にする「大人」と敵対した。ゲーム開発部は友情と勇気と光のロマンを掲げて、合理性を主張するリオに立ち向かった。ナギサはトリニティの裏切り者に怯えて、補習授業部を敵と見なした。

・その過程で、ある者は銃弾に倒れながらも自分の使命を全うし、ある者は敵対していた生徒と共に手を取り合い、ある者は目を背け続けていた自分の恥部と向き合った。そうでなければ乗り越えられない試練であった。自分にできることを、やるべきことを、足りないものを教えてくれるのは、常に「敵」という存在だ。であれば——

「——この物語は、覆された。」

先生よ——
これまでの物語は全て忘れるが良い。
これからお前の身に起こることは、
最早そのような物語(モノ)ですらないのだから——

「青春の物語」を捻じ曲げ、全てを混沌へ帰す未曾有の敵に、私達は何ができるのだろうか。何を犠牲にすれば、何を活かせば勝てるのか。そして、その戦いの果てに、やはり私達は知るのだろうか——自分が何者であるかを、どこへ行くのかを。ついに辿り着いた最終編。1章「シャーレ奪還作戦」の初見感想をお届けします。


「色彩」

・1〜5話の生徒達の動きで、重要そうなものをざっくりまとめると——

ティーパーティー:
・セイアは「色彩」(外の世界から到来する"何か")と接触したことで予知夢の能力を失う。最後に「歪な形のヘイローを持つシロコの凶弾によって、先生が倒れる」という夢を見る。

連邦生徒会:
・首席行政官リンは先生から夢の話を聞く。キヴォトスの終焉——証拠がなくて曖昧な話なので、他校の生徒会を動かすのは難しそうだが、できる範囲で対策を講じるべく動き始める。
・防衛室長カヤは何やら不穏な動き。

ミレニアムサイエンススクール:
・<Key>(ケイ)はアリスの中に潜伏中。アリス=「名もなき神々の王女」の動向を見守っている。
・特異現象捜査部ヒマリは、元生徒会長リオが残したデータから、キヴォトスに未曾有の危機が訪れることを察知。

シスターフッド:
・サクラコはアリウス自治区から「ユスティナ聖徒会の礼装」を発見。

・こんな感じ。……えっと、あの、夢の内容に大困惑してるんですが、ひとまず置いといて——この他にも、今までメインシナリオで出会ってきた生徒達が続々と登場。いかにも最終編って感じだ。テンション上がってきたなあ。アイスクリームのキッチンカーをどかされて、部員をどつかれて、ムカついたから銃撃してその場を立ち去るやべー集団(放課後スイーツ部)もしれっと出てきたけど……

・特に重要なのはゲマトリアの会議でしょうか。無名の司祭の遺産——アリス=名もなき神々の王女、および起動しかけていた「箱舟」を観測。そもそも「名もなき神々」とは、「無名の司祭」とは何なのか——

黒服:
「名もなき神」とそれを崇拝する「無名の司祭」——
彼らはキヴォトスの神秘の下に体積し、痕跡だけが残るはずだった存在……
「名もなき神」——それは大地、海原、天災といった……所謂、太古の昔より存在する「神秘」や「恐怖」——とでも申しましょうか。
彼らは自然を模った形で顕現するとされております。

そして、それらを崇拝する「無名の司祭」。彼らが何のために巡航ミサイルなどのオーパーツを生み出したのかは定かではありませんが——淘汰されし旧き人は、現代のキヴォトスに対して友好的ではなかったのでしょう。

・なるほど。「名もなき神々」ってのは、八百万の神様みたいなもん?🤔 で、現代科学を持ってしても解明できない現象なんてのは山ほどあるわけで、ゲマトリアはその奥底にある形而上学的真理の解明を試みていると。

<2023/4/8追記>
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・かんむりさんから「無名の司祭が崇めているのは「名もなき神」、「神々」ではありません。」とのご指摘コメントをいただきました。ありがとうございます。自分の浅学さを恥じるばかりです。

・確かにテキスト通りに読めば、無名の司祭が崇めるのは「名もなき"神"」。でもAL-1Sは「名もなき"神々"の王女」っていう表記か。この二つは同じ存在を指し示していると見ていいのかな。それともニュアンスが違うんだろうか。「忘れられた神々」との関連性は……?🤔 今後さらに掘り下げられるだろうし、注意深く読まないとですね。気をつけます。
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「彼らは何処かへと姿を消しましたが、その技術はまだこの地に残されておりまして。そう……そして私は——彼らの遺産に大変興味があるのです。」
「なにせ、高い値段で取引されているのでね。クックックッ……。」

・今までの言動を踏まえると、黒服は神秘を解明することで利益を得ようとするビジネスマン、マエストロは至高の表現を試みる芸術家、ゴルコンダは表象を読み解く読者。必ずしも共感し合っているわけではなさそうが、神秘を解明するという目的が一致するから協力している模様。

・……薄々思ってたけど、やっぱこいつら共感できるな。手段は褒められたもんじゃないけど、未知へ果敢に挑戦し、より高次元へ至ろうとする求道者だ。悔しいけどそこは認めよう。特にゴルゴンダ。こいつ、しっかりオタクだ。暗喩や伏線を考察して、元ネタにもきっちり目を通して、作品をより深く理解しようとするオタクだ。コピペをまとめただけの量産型ゆっくり解説動画は見ないけど岡田斗司夫の動画は見る。設定資料集や絵コンテ集を買う。そんな感じじゃないだろうか。noteで記事を書かないか? #コンテンツ会議っていうハッシュタグがあるんだけど。

・本編に話を戻すと——シャーレが出現したり、箱舟が観測されたり。ゲマトリアも想定外の事態に戸惑っているようだ。極めつけは外の世界の理に属する「色彩」。百鬼夜行連合学院のクズノハ(※のじゃロリ狐耳!)によると「色彩は、我らの本質を歪曲する。より正確に言うのであれば——根源を反転させると言うべきかのう。」とのこと。ベアトリーチェはアツコを生贄として捧げる儀式によって、それを利用しようとした。クトゥルフ神話でいうところの「外なる神」のような存在だろうか。

・根源の反転、か。神秘(mystery)は反転すると恐怖(terror)になる、みたいなことを黒服が言ってたな。まだその全容は見えないが……「秩序」の対義語は「混沌」、そんな風に反転させられたら、世界には不可逆の変化が起こりかねない。その「色彩」とやら、キヴォトスに来たら大変なことになっていたに違いない。アツコを救出して儀式を阻止できて本当によかったな——

「「色彩」は今、キヴォトスに向かっております。」

バカ野郎!!!!!!!
何してんだてめえ!!!!

・"学園"都市キヴォトス——そこにおいては、当然ながら「先生」という概念が絶大な力を有する。その先生に、エデン条約の事件で自分の思想や計画をことごとく踏みにじられたベアちゃんは激おこ。「じゃあ外の世界にあるものをぶつけまーす❗ 他はどうなっても知ーらない❗」ってことで「色彩」を呼び寄せた。私情に駆られたにしては規模がデカすぎんだろ。やりやがった……!!

・これには黒服達も驚愕。この世界の神秘を探求しているんだから、外からやって来た「色彩」でめちゃくちゃにされたらたまったもんじゃない。許しがたい蛮行だ。ということで——

・「そんなに色彩が好きなら、ほら、狂気をたあんとお食べ?😊」「おかわりもいいぞ!」と言わんばかりにヤバそうなことを実行。ベアトリーチェはおぞましい断末魔をあげて消滅した。……怖すぎるなこのスチル。コズミックホラー(宇宙的恐怖)じみてきた。

・「色彩」……今まで敵対していたゲマトリアですら畏怖するほどの、やべーやつ。それが敵か。いったいどんな災厄が待ち受けているんだ……どうすれば止められる……?


非常対策委員会、光の到来

「誰がリンちゃんですか。そういうのは控えてほしいとお伝えしたのですが……」
「誰が「リンちゃん」ですか。その呼び方は控えるようにと言ったでしょう?生徒会長。」

・リンちゃん。昔もそう呼ばれていたのか。リンと連邦生徒会長は、ホシノとアビドス生徒会長みたいな関係だったんだろうか。

「えーと……場所は、アビドス砂漠、D.U.近郊の廃墟化した遊園地、ミレニアム郊外の閉鎖地域、トリニティとゲヘナの境界付近、ミレニアム近郊の新しい都市と……あと、サンクトゥムタワーのど真ん中」

・連邦生徒会オフィスにて。キヴォトス各地で謎の高エネルギー反応を観測。しかし当該地域にはそれ以外に何も異変が起きていない。機械の故障としか思えない不可解な現象。何かが起きる前兆って感じだ。やはり「色彩」が近づいているのか……

・首席行政官兼連邦生徒会長代行ことリンちゃん……失礼、七神リンは、キヴォトス非常対策委員会の発足を宣言。各自治区の生徒会代表を緊急招集する。先生が語るキヴォトス終焉の夢を受けてのことだろう。しかし——

「いくら「代行」といえど、度を越しているわ。」

・財務室長・扇喜(おき)アオイが苦言を呈する。サンクトゥムタワーの行政権を失い(シャーレ発足前当時の状況)、SRT特殊学園の閉鎖を決定し、連邦捜査部シャーレを設置した。あげくの果てに現在は、終焉の予知夢などという戯言に振り回されて非常対策委員会を発足。連邦生徒会長の判断なら従うけれど、リン、あなたは必要に迫られて任じられた「代行」に過ぎない。その行動に根拠と正当性がなければ、連邦生徒会を私物化する存在と見なす。そう語る。

うるせえ〜〜〜!! 行政権を失ったのも、SRT特殊学園を閉鎖したのも、元を辿れば連邦生徒会長の失踪が原因でしょうが! シャーレ発足も連邦生徒会長の指示だよ! リンちゃんはその状況で考えられるベストな判断をし続けてきたのっ! ごちゃごちゃ言うんじゃないわよ❗❗😡 ……と言いたくなるけど、アオイみたいなことを言ってくれる人も組織には必要か。だって私も2ヶ月前は——

大丈夫? 職権濫用の温床にならない? つーか濫用するよ。私の性癖にドンピシャな生徒達を各学園から集結させてやんよ。ケモミミの楽園を築いてやるからな。

少女の「選択」、その向こう側へ——プロローグ感想【ブルーアーカイブ】より

・こんなこと言ってたから……シャーレを私物化しようとしてたから……その節はマジですんませんでした……さておき、リンは生徒会代表の緊急招集を進める。

「そうですね……非常対策委員会にシャーレを同席させるのは、いかがでしょうか?

カヤてめえ!!!!
何を企んでやがる!!!

「勘がいいじゃないか先生。だが、少し気づくのが遅かったがな。」

うわああああああああ!!!!!

・カイザーに拉致られました……貴様はもう用済みだと、カヤもカイザーに拉致られる。カイザーのプレジデント曰く、「砂漠でオーパーツを発掘した今の我々には、防衛室もゲマトリアも不要」とのこと。狡兎死して走狗烹らる、ってのは誤用かもだけど、利害関係だけで結ばれているならなおのこと、不要になればあっさり切り捨てられるもの。

・黒服は「箱舟」を実在する物質だと考えてカイザーにアビドス砂漠を発掘させていたが(<Key>の一件で抽象的な概念である可能性が浮上したらしい)、カイザーは別のものを、脅威的な兵器たりうるオーパーツを発掘。それを動かすためにサンクトゥムタワーの力が必要とのこと。

・非常対策委員会の会議が終了し次第、カイザーPMCはサンクトゥムタワーへの突入を開始し、速やかに制圧する算段。その作戦の末に、連邦生徒会の行政権を掌握することで、キヴォトスを支配下に置く。それがカイザーの目的だ。時を同じくして——

・アロナはシッテムの箱の内部で、流星を観測。何かの到来を予感し、

この時はレーパン履いてますね

・シロコはオーパーツらしき構造物と接触する。「色彩」と、無名の司祭が残したオーパーツ——二つの未曾有の敵が、先生と生徒達に立ちはだかる。


狂犬と兎

・先生はカイザーPMCによって牢屋に幽閉。シッテムの箱も没収されてしまった。メタルギアなら、ここで機転を利かせて脱獄するんだけどな。どうしたもんか……と、そこへ助けに来てくれたのは——

カンナあああああ!?!?
血、血、血ぃ!!!!

・先生を救うためにかなり無茶をしたようだ。な、なんてこった、ついにケモミミにも流血表現が……ぜってえ許さねえからなカイザーPMC……!!

・生活安全局のキリノ、フブキと合流。カンナから連邦生徒会の状況を聞く。非常対策委員会の会議は案の定、決裂してしまった。そして、この強引な招集と同時に先生と防衛室長カヤが行方不明とあっては、誘拐の容疑がリンにかかるのは必定。「連邦生徒会長の失踪もリンの仕業なのでは?」という疑惑がもっともらしく聞こえる状況に。結果、ついにリンの不信任決議案が通過してしまう。あんた達にリンちゃんの何がわかるって言うのよ❗❓😡

・リンが有する連邦生徒会長代理の権限は停止。これでは生徒会長が失踪した時の状況と同じだ。連邦生徒会の機能は麻痺したも同然。カイザーPMCはその隙を狙って、サンクトゥムタワーを手中に収めて、D.U.に戒厳令を敷いた。D.U.を行き来する交通網、通信網は全て遮断され、当地の治安はカイザーが掌握した状態になっている。このままではサンクトゥムタワーの行政機能が乗っ取られて、キヴォトス全体がカイザーに支配されてしまう——

「ようやく成し遂げた」という会心の笑みでありながら、
どこか自嘲的な笑みにも見える。
カンナの複雑な心理が垣間見れる表情だ。

・……と、カンナは一連の情報を届けるために、そしてシッテムの箱を取り戻すために、血を吐きながら戦った。ヴァルキューレ内部にはすでにカイザーの魔の手が伸びており、先生はD.U.に位置するヴァルキューレ第3分校に幽閉されていた。ゆえに、そこから先生を救い出せるのは、ヴァルキューレ警察学校の内部事情に精通した、公安局長であるカンナしかいなかった——彼女は己が使命を全うするために、命を賭して先生を救い出したのだ。

「これが現実だと妥協し、腐敗しきった警官の私にできる、最大限の抵抗でした……先生の教えがなかったら……私はまた、踏み出せずに終わっていたでしょう。」

・カルバノグの兎編では、防衛室長カヤの言葉に振り回され、違法リベートに手を染めた。「手を汚さずに、正義を掲げ続けることなどできない」——そう自分に言い聞かせながらも、歪んだ正義の在り方にずっと疑念を抱ていた。理想を前に歩みを止めてしまった。そんな彼女は先生から「最終的に自分の未来は、自分で判断し続けていくものだよ」という言葉を贈られた。その言葉をしかと受け止め、自分なりに必死に考えた。だから今のカンナがいる。血を吐きながら希望を託す彼女の姿が。自分の未来を、自分で判断した結果が今ここにある。

カルバノグの兎編の感想記事で「どんな状況であろうと、自分のやるべき仕事に迅速に着手する、ただひたすらに事務的な言葉」がいかにもカンナらしい、なんてことを書きました。今のカンナはまさにそうですね。彼女は自分を腐敗した警官だと卑下する。しかし、命を賭して善良な市民を守る行為が、正義でなければ何だというのか。口や頭では自分の信念を表現できず、ただひたすらに行動だけで示す、それが尾刃カンナという警官の生き様なのだ。

「たいていの人間は」と刑事はつづけた、「おれの職業を白い目で見ている。この職業の人間は芸術家や知的職業の人間とは同列に扱われない。だがおれはこの職業に馬鹿みたいに誇りを持っているんだ。だからおれは"破滅"なんだ。おれは第一に刑事で、第二に人間なんだ。おれはお前を放免するよりほかにないし、その後で警察をやめるほかはない。まあ、速達郵便車の運転ぐらいはできるだろう。お前の千ドルを返すのはますます遠のくよ、ジョニー」

「ラッパのひびき - オー・ヘンリー傑作選」大津栄一郎訳

・ありがとうカンナ。これが終わったらあの時みたいに、ご飯作って、耳かきしてあげるね!(存在しないメモロビ)

・かくして先生はシッテムの箱を取り戻して復活。しかし、先生の指揮があるとはいえ、生徒3人でカイザーPMCに立ち向かうのは無理がある。そんなピンチに駆けつけてくれたのは——

見え……

・RABBIT小隊。体制に押さえつけられ、時代の渦に飲み込まれながらも、本当の正義の在り方を泥に塗れながら探し続けていた両者が——狂犬と兎が、ついに手を取った。いつか道を交える時が来る予感はしていたけど、まさかこんな形で……!! 手が震えてます……マジで熱すぎる……!! お互いに上の都合に振り回されてきた両者だからこそ、巨悪を打ち砕くために手を取り合う様はカタルシスに満ち溢れている。

・学園都市キヴォトスは今、私企業により非合法に乗っ取られようとしている。そんな「敵」が立ちはだかる現状こそ、あらゆる利害関係に囚われないSRT特殊学園と、市民の安全を守るヴァルキューレ警察学校の「正義」を履行するべき時——自分が何者であるかを「敵」に知らしめる時だ。我々は獲物として追われる狡兎ではない、都合のいい走狗でもない。戦場を自在に跳ね回る兎であり、悪しき者に食らいつく猟犬だ。

・っしゃ行くぞオラァ!! サンクトゥムタワーの行政制御権を掌握しているのは、シャーレの地下にあるクラフトチェンバー。それをカイザーPMCから奪還しなければならない。作戦名は——

「ではこれより、シャーレ奪還の「パセリ作戦」を——」

・う、うーん、なんか締まらないな。なんでパセリなの?🤔 も、もしかして、先生が普段いる場所なんて、付け合わせのミックスベジタブルみたいに取るに足らない存在ってこと……?😭

「えっ、その……ウサギが好きな食べ物なので……」

えっ///
ちょっとやだ急に……///
みんなが見てるでしょっ///


沈みゆく物語

・おー……モエの範囲攻撃えっぐいな……

・RABBIT小隊、ヴァルキューレ警察学校の有志達、そして先生の指揮により、シャーレ奪還作戦は成功。監禁されていたリンちゃんも救出。直後、

・空が真紅に染まる。キヴォトスの終焉を告げる、セイアの夢と同じ景色だ。そして——

・ご、ゴルゴンダ……!? ど、どうしちまったんだよお前……note始めたらフォローしようと思ってたのに……

・彼は自らをフランシスと名乗る。そして、彼が語るには——

この物語は、一つのジャンルを掲げていたが故に、
「先生」が主人公でいる事ができた。
物語であったから、あなたは無敵だった。
——これはそういう物語だった。
しかし今となっては……
——この物語は、覆された。
脈絡、構成、ジャンル、意図、解釈……すべてが破壊され——
その意味は絡み合い、混ざり、撹拌され——
統制できない程に褪せてしまった。
先生よ——
これまでの物語は全て忘れるが良い。
これからお前の身に起こることは、
最早そのような物語(モノ)ですらないのだから——
主人公も、悪役も、事件も、葛藤も無く——
全てが分解され、縺れあい——
脈絡も、構成も、必然性も無くなってしまった……作為的な世界。
そうして——果ては意味を失い、力が暴れ回るだけの——
理解不能で不条理な世界へと。
嗚呼、そうだ——元より、この世界はそのように存在していた。
我々は皆、それを忘れていただけだ。

これが——もう物語でなくなったとするならば、
お前はもう何者でもない。
学園と青春の物語は、幕を下ろした。
覆され、解体されてしまったジャンルで、お前の価値は揺らぎ、地に落ち、無に等しいものとなる!

・ふむ……ゴルゴンダは観測した事象や神秘を、物語のセオリーに従って解釈していたようだが。オープニングで走るアニメは名作とか、ツンデレの黄金比率は9:1とか。しかし、「色彩」の到来により「反転」してしまったのか。あるいは闇落ちか。この世界は物語ではない、我々はそれを忘れていただけだ、という語り口になっている。

「ナギちゃんもほんと、優しいっていうか優しすぎるっていうか……創作の中の明るい学園物語じゃないんだし。そんな都合の良い話、現実には存在しないのに。

・そういえば、エデン条約編2章でもミカがこんなことを言ってたな。「いやこれ学園x青春x物語RPGやないかーい!👆💦」とは思ったけど……こんな些細な台詞でさえ、最終編のこの導入に至るための布石だったのか……?

・メタ的に解釈すると、フランシスの台詞は第四の壁を越えた台詞。プレイヤーが暗黙の了解として抱いている「これはゲームだ。青春x学園x物語RPGだ」という認識を根底から覆すものだ。それが意味するものは何だろう。単なるショッキングな演出ではなく、この世界の根幹に関わる話であるように感じられるが……いったん解釈を保留して続きを読もう。フランシスに対する先生の回答は——

違う。
敵対し、裏切り、覆ってしまった……沈みゆく物語だとしても、
物語と呼ぶのに相応しくない、歪な創作だとしても、
そんなことは、どうでもいいんだ。
ジャンルの解体なんて好きにすればいい。
宇宙戦艦や巨大ロボットが登場したって構わないんだよ。
どんな未来であろうと、私たちは乗り越えていくのだから。

「であれば、それを見守るとしよう。先生——いや、主人公よ。」
「絶望を——破局を迎え——そうして、結末へと走り出すエンディングを!」

・あーあー……すっかり闇落ちオタクになっちまって。「色彩」を止めればゴルゴンダに戻るだろうか。その時はお前の一番好きな日常系アニメ、教えてくれよな……!

・時を同じくして、ゲマトリアの黒服が対峙していたのは——

・……顔が少し似ているだけだ、別人に違いない、そう自分に言い聞かせていたけど。やっぱり同じなのか。だって、あの青い×印のヘアピンは……

黒服:
「色彩」は、すでに「名もなき神」と接触した後でしたか……これは完全に私の不手際です。
嗚呼、の神の裏側は——そういうことだったのですね。
命あるすべてを常世へと導く、死の神(アヌビス)……
それがあなたの神秘の裏側、恐怖(terror)であった、と。

砂"狼"シロコ……

・作戦完了後もなお暗躍するカイザーPMC、彼らが発掘したオーパーツ、「色彩」、反転したシロコ。立ちはだかる敵は数多。私達は問わなければならない。敵は何者か、何を仕掛けてくるのか、阻止するために何ができるか——そして、自分が何者であるかを。


完走した感想

ゾクゾクするわ。良い意味でも悪い意味でも。

・今までメインシナリオで登場してきた生徒達が続々と登場。ここから「アベンジャーズ」みたいな展開になっていくんだろうなというワクワク感がありますね。RABBIT小隊とヴァルキューレの共闘、本当に熱かった。他校はどうなるのか期待が高まるばかりだ。

・一方で、いつになくサイコホラー&コズミックホラーな演出。第四の壁を意図的に越えているであろうフランシスの台詞。いったい何が始まるんだ……って戦々恐々としてます。導入として完璧すぎる。ほんとこわい。ブルアカこわい。

・「敵の正体は何か」「敵は何を仕掛けてくるのか」「私達には何ができるのか」。その疑問はまだ宙に浮いたままだ。そして、その問いの果てに辿り着くであろう実存的探究——「私達は何者か?」。ブルアカならそこまできっちり描いてくれるだろうな、という確かな信頼感がありますね。なんでかっていうと、今までのシナリオの完成度の高さもそうですが——

・……これを見ちゃったらな。1章を読む直前に初めて見ました。気づけば涙がこぼれていました。それりゃあもう、あの少女の悲痛な語りがあったからね。少し長くなりますが語ってみると——

・そもそも私がブルアカ感想文を書き始めたのは、プロローグにおける少女の心情に思いを馳せたことがきっかけでした。「……私のミスでした。」——その最初のたった一言に、どれほどの悔恨の情が込められているのか。それを言語化したい衝動に駆られて、がーっと書き殴りました。

・後に、エデン条約編4章感想記事を書いていると、ふとプロローグの語りがフラッシュバック。そういえばあの少女も過ちや責任について語っていたな、あの時想像していた以上に凄惨な出来事があったのだろうか……と、そんな予感を遥かに上回ったのがあの4thPV。あれはもはや暴力だろ。ブルアカ始めたばかりだったから何もわからなかったけど、みんなが4thPVだけで異様に盛り上がってた理由、ようやく理解できたよ……とんでもねえなこれ……

・しかし、過酷な運命が包み隠さず誠実に描かれている証拠だし、エデン条約編における哲学的な語り口が再び活かされるんだろうなあと思わせてくれる。それが前述した「ブルアカならそこまできっちり描いてくれるだろうな、という確かな信頼感」に繋がっています。

冒頭でも述べた通り、最初に登場する謎の少女の語りで、グッと引き込まれました。彼女が口にした「選択」にどれほどの意味が込められているのか。少しずつ明かされていくであろう全貌に、期待が膨らむばかりです。

「少女の「選択」、その向こう側へ——プロローグ感想【ブルーアーカイブ】」より

・期待が膨らむばかりです。あの時以上に。……怖いけどね。めちゃくちゃ怖いけどね。

・話が脱線してきたので、今回はこの辺で。いよいよ次からが本番だろうか。気合入れて臨みます。それではまたどこかで。

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