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ブルーアーカイブ

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『ブルーアーカイブ』の感想記事。「キモく誠実に」をモットーに書く予定です。
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#感想

言の葉に染まる心――百花繚乱編1章・感想【ブルーアーカイブ】

 「言霊」。古代日本において、言葉には霊力が宿っており、声に発すると現実に影響を及ぼすと…

灰猫
6か月前
33

いつかその傷が足跡になるまで――錠前サオリ・絆ストーリー感想【ブルーアーカイブ】

 挨拶も、  口癖も、  悩みも。本当にそっくりな二人だ。  エデン条約編4章において、…

灰猫
7か月前
30

これは二人の"物語"――『学漫同人物語』感想【ブルーアーカイブ】

図書館の自由が侵されるとき、われわれは団結して、 あくまで自由を守る。  『図書館の自由…

灰猫
9か月前
40

不信の時代、さまよう獣達——カルバノグの兎編2章後編・感想【ブルーアーカイブ】

・高度情報社会はあらゆる主義主張を相対化させる。ポスト・モダニズム思想は、マルクス主義思…

灰猫
11か月前
55

錯綜する正義、自由と責任の在り方——カルバノグの兎編2章前編・感想【ブルーアーカ…

・「統合作戦の原則(principles of joint oprerations)」の一つに「機動(Maneuver)」があ…

灰猫
1年前
57

君に捧げる「奇跡」の物語——最終編4章・感想【ブルーアーカイブ】

・挫折の経験——永遠に癒えないその傷を身に刻みながら、なお生き続けようとするのなら、ある…

灰猫
1年前
93

責任を負う者、愛し続ける者(2/2)——最終編3章・感想【ブルーアーカイブ】

・今なら分かる。きっと客観的には何も間違っていなかったのだろう。彼女は最後まで考え得る限り最善の行動を尽くした。それでも辿り着いてしまった。捻れて歪んだ先の終着点へ。 ・その終着点に辿り着いた時、彼女は何を思ったのだろう。オカルト好きだったのなら、王の寓話も知っていたのだろうか。知っていれば、こう思ったのだろうか——過ちと呼べるものがあるとすれば、それは、王が「王」であったこと、自分が「連邦生徒会長」であったことだ、と。これが自分の「運命」なのだと。 ・彼女の胸の中にはど

責任を負う者、愛し続ける者(1/2)——最終編3章・感想【ブルーアーカイブ】

・「私」は何者か。「あなた」は何者か。この問いに答えるのは、ある点においては容易だ。どこ…

灰猫
1年前
75

死は近く、希望は遠く——最終編2章・感想【ブルーアーカイブ】

・狼——鋭い眼光、爪、牙を持つ獰猛な獣。一見すると悪や死の象徴のように思えるが、必ずしも…

灰猫
1年前
69

我思う、故に敵あり——最終編1章・感想【ブルーアーカイブ】

・先生と生徒達は幾度も会敵してきた。振り返ってみると、それらはいずれも各々の性格から生じ…

灰猫
1年前
75

無謬を穿つ、光と砲声——時計じかけの花のパヴァーヌ編2章・感想【ブルーアーカイブ…

・ウタハ部長、アリスのために言い換えてくれるのめっっっちゃいいな。アリスの前でしゃがんで…

灰猫
1年前
71

己を呪う、その果てに——エデン条約編4章・感想【ブルーアーカイブ】

・自由とは、厳密には「子ども」だけが持ちうる能力だ。行動という強制命令や秩序に囚われてい…

灰猫
1年前
150

持たざる兎は戦場を跳ねる——カルバノグの兎編1章・感想【ブルーアーカイブ】

・あらゆる団体や利害関係に歪曲されない真理、それが月雪ミヤコが希求する正義だ。この話を聞…

灰猫
1年前
67

地獄の岸辺で祈り続けよう——エデン条約編3章・感想【ブルーアーカイブ】

・祈りの言葉は得てして、自分自身で制御できる範疇を遥かに超越した、成就が困難な物事に捧げられる。「ニーバーの祈り」もその一つで……変えがたい運命が降りかかると、人はそれを簡単に受け入れられないし、変えられるにせよ過酷な運命に立ち向かう勇気は湧かないものである。そもそも、運命の質を見分けることなんてできないのだから、正常な判断のしようがない。 ・大量の銃弾を浴びても平気な肉体を持っていようが、人間がそれ程までに小さな存在であることに変わりはない。百合園セイアと白洲アズサがその