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入院2日目、おかゆはミッション!(ふりかえり卵巣がん日記 #23)

入院2日目。
気分も体調も上々な朝です。

6時起床後は、すぐに洗顔、着替えをして(パジャマから部屋着に。大差ないけど)ラウンジへ。
ここから景色を眺めるのが何よりも気持ちよく、気分転換になったので(私のベッドは窓側ポジションじゃなかったから)起き上がれない数日以外は、朝の30分くらいはラウンジで過ごすのが日課になりました。(看護師さんが回診にくるのが7時半前後のタイミングだったので、それまでには部屋に戻るように気をつけつつ。)

入院4日目が手術なので、この日とその翌日は手術に向けての準備です。3食おかゆ+下剤摂取でコンディションを整えるのが最大ミッション。

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毎食、こんな感じ。おかゆ以外に、ほんのちょっとのおかずが付きました。朝はゆで卵、昼は煮魚(白身の小さい切り身2切れ)、夜はお豆腐を煮たやつ(2分の1丁ぶんくらいの、さいの目切り)。
とにかく食べること大好きな私が、ほぼ絶食状態に耐えられるだろうか...と少し心配でしたが、ぜーんぜん大丈夫でした。
もうこれは「食事」という感覚じゃなくて「仕事をこなす」感じ。「たのしい食事」は完全に意識の外にあり、食欲もありません。ふーん、人って絶対手に入らないものは、欲しくならないモンなのね。

いろんな説明は昨日で済んでいるし、特に何の宿題もない手術前の2日間は、のんびり過ごしました。

この日は、入院することを伝えたわずかな友人たちに「無事に入院したよ」のメールを送ったり、なぜか日頃ほとんど連絡も取り合わない同業者の先輩から「ホームページ作りのことでちょっと教えてほしいんだけど」と来たメールに返信したり。(このタイミングでなんで?面白いですねぇ。なぜかこういうことありますね。)

あとは「そうだ、リンパ浮腫のDVD。返す前にもう一度、ドレナージュを練習しておこう(まじめだなぁ、私)」「あ、爪も手入れしておこうかな」なんてちょこちょこやってるうち、あっという間に時間は過ぎました。その合間合間に「ボーッ」とする時間も取らなきゃならないし。

私、ふだんも、カフェや家でボーッと過ごす時間が必須なので、ぼんやりタイムを挟みつつ、自分のペースで過ごすのは得意中の得意、退屈する暇なんてありません。というか...入院中の時間の流れって、ふだんの仕事が暇な時とたいして変らないじゃないの(笑)

お昼ごはん前には、「お変りないですか?」とA先生が来ました。おや、こんなに頻繁にドクターって来てくれるんですね、ありがとうA先生。そして「良性だった場合、卵巣はどうしよう?」の話題になったので「その時は残したいです」と伝えました。入院前にいろいろ考えたけど、そうしようと決めてました。
しかし...夜、サブのドクター2人の診察があり、この気持ちが揺らいでしまいます。

「先生ならどうしますか?」って聞かれるんですけど

えっと、サブのドクターという言い方でいいのかな?
入院初日に、若い女性ドクターが病室に来て「A先生と一緒にうずらさんを担当するGです。」と、ベッドの名札を差しながら「ここにも私の名前が書いてあるんですけど、主治医のA先生以外に私とあともう1人、Hという医師が担当として付きます」と。あ、ほんとだ。「担当医」として女性2人の名前が。気に留めてませんでした。

G先生はこの日初めて会うドクターでした。20代かな?とても若いけど堂々として落ち着いている。「うずらさんの状態を手術前に一度診させてもらいたいので、明日にでも診察したいと思います」とのこと。

ほー、サブのドクターも付くのか。これも大学病院ならでは?G先生、いわゆる「研修医」なのかな?(「研修医」について、あまりよく分ってないけど)A先生ともだいぶ仲良くなってきたけど、女性ドクターの顔が見れると、それはそれでなんとなくホッとするのも正直なところです。

そして予定通りこの日の夜、G先生とH先生の診察がありました。
2人のドクターはとても忙しそうで、あれやこれやの合間をぬってやっと来れた、という雰囲気。お疲れさまです。H先生、はじめまして。H先生はG先生の先輩っぽいな。年もG先生より少し上みたい。

診察室も同じフロアにあるんですね。そこに入ってさっそく内診です。ドクター2人でエコーの画像を見ながらあれこれ喋ってる...私もお勉強の対象ね。いやいや、全然いいです、喜んで。ただこれが男性医師2人だったら、ちょっとイヤかなぁ?そうでもないか、関係ないか。
ま、女性2人が私の足下であーだこーだ言い合ってるこの状況には「どうぞお好きなだけ。じっくり診てください」という感じです。

ややあって、診察は終わり、Hパイセン先生が「思ったより(卵巣が)動きそうですね」と。続けて「(カルテの)写真だけ見てたら、もっとガチガチかと思ってました。子宮内膜症は良性でも、他臓器にからみつきやすいんですよ。尿管をつかんじゃってたりとか」とも。昨日、A先生もそんなこと言ってたっけ。さらにH先生は「卵巣の大きさも変化ないし、破裂もしていないし(うんうんOK)」と、手術に向けて心配なことはなさそうな様子。よかった。

ドクターお二人とも、キッチリ、キッパリ、サッパリしたタイプにお見受けしましたが、特にH先生はサバサバしてて話しやすい雰囲気の方でした。

そのH先生に「どうですか?何か聞いておきたいこととか気になることとか、ありますか?」と聞かれ、ふっと口をついて素直に出てきたのが
「あの、良性だった場合、もう片方の卵巣をどうするかなんですけど。『残そう』って決めてて、今日A先生にもそう伝えたんですけど。でも、昨日のA先生の説明を聞いてるうち『あぁ、やっぱりがんって恐いな』って思って。残そうと決めたのに、またちょっと迷いはじめてしまって」でした。卵巣問題、なかなか決着がつかない。

H先生は「なるほど!」とうなずいた後で「同じ質問を、私が女ということで、患者さんからはよく『先生だったらどうしますか?』と聞かれますね」と。

うっ。一瞬、「あ、でも、ここでH先生の意見を聞いたら、ますます迷っちゃうかな」と思いましたが反射的に「じゃあ、先生だったらどうしますか?」と聞いてしまいました。

H先生は「私がうずらさんの年齢だったら...うーん...取るかなぁ」と。
うわーん、やっぱり。そして続けて「女性の婦人科医に聞いたら、たぶん半々だと思います。いや、取るって言う人のほうがちょっとだけ多いかな?婦人科医ってガッツリしてるんで(笑)」

さらに「気持ちの問題だと思うんです。『あるものは最後まで使ってやろう!』と思うか。それはそれで良いと思うし、『もう手術なんて面倒くさい、したくないから取っちゃおう!』と思うか。」

たしかに、気持ちの問題なんですよね。考えたところで、どっちがいいか分かることじゃないし。
H先生は最後に「後悔のないように、よく考えてください。まだ時間はありますから」と。ギリギリまで考えてもらって大丈夫です、と言ってくれました。

さーて、どうしようかな...
診察が終わって夕食、卵巣問題をぼんやり考えてるうちに消灯時間です。考えてるはずが、気づいたら寝てました。(つづく)

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