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入院快適グッズを探して(ふりかえり卵巣がん日記 #20)

プレ入院ネタその2。今回は入院のために用意したものの、メモです。

入院日と手術日が決定した日から、遡ることほぼ2ヶ月。入院が確定した3月末からしばらくの間は、かなり熱心にネット上をウロウロして入院生活に役立ちそうなものを物色してました。

私は「あるシチュエーションで必要なものを考えて用意する」という作業そのものが大好き。
分かりやすいところでは旅行ですね、旅行そのものより下準備で燃えるタイプです。まぁ、これが旅行ならともかく、とても不謹慎ですが「非常用持ち出し袋」を作る時も、情報を集めてあれこれイメージしつつ「軽量、コンパクト、でも性能がいいのは?」などと調べて揃えたりしてると..「んーなんだか楽しい〜」になっちゃうタチ。
こんな調子だから、もちろん入院に向けても張り切りました。時間もたっぷりあるし。なにしろ初めての体験だし。

さて、まずは...何を用意したらいいんだろう?
病院がくれた冊子「入院のご案内」の「ご準備いただくもの」のページに記載があったのはごく常識的なわずかなもの。
タオル類に、入浴と洗面に必要なもの(ボディーシャンプーの類)、ティッシュ、イヤホンなど。衣類も「部屋着かパジャマ、下着、羽織るもの」とだけ。

ただひとつ注意されたのが、病棟内での履物は「かかととつま先のある滑りにくいもの」じゃなきゃダメなんだそうで(スリッパやクロックスはNG)、これは災害時の避難を想定してのことと。なるほどね。

持って行ってよかったもの

必要最低限のもの以外にも「あれば便利」みたいな情報が知りたくて、おなじみ「がん情報サイト」内の「入院の持ち物リスト」を見てみました。こちらはもっと具体的なものがいろいろ、チェックリスト形式になって載っています。さすが!これをプリントしてそれに沿って用意しました。ほんと頼りになります。
あと、ラジオを聞いてたら、ちょうど良いタイミングで「GWに入院します。何を用意したらいいか、おすすめを教えてください」というリスナーからのリクエストに応える形でちょっとした入院グッズ特集が。おぉ、参考になりそう。

そんなこんなで用意したものから、実際に「持って行ってよかったな」と思ったのは

・S字フックと、小さめのトートバッグやエコバッグ
・エッセンシャルオイル
・ウェット手袋(シャンプー)
・耳栓とアイマスク
・携帯ホルダー

などです。では順番に。


* S字フックと、小さめのトートバッグやエコバッグ
大部屋での自分のペースは限られていて、収納の場所も少しだけ。細々したものを整理するのにS字フックとバッグが活躍しました。

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* エッセンシャルオイル
普段は、気が向いた時に使うくらいのライトなアロマ愛好者ですが、入院という非常時には頼れるものには頼りたい。いい香りにはホッとできそうだな〜と、持って行きました。
と言っても、なにせ大部屋。香りが広がって迷惑にならないように気をつけねば。そこで、香りが強くないオイルを選び(アロマショップの店員さんに事情を説明しながら教えてもらった)、アロマストーンに2滴くらいたらして、自分のすぐそば(手元や枕元。それもお隣と接して無い側)にだけ置くようにしました。(香りが広がってないか、病室に来た母に確認したところOKと)

ちなみに、持って行ったのはラベンダー、ベルガモット、マジョラムなど。
余談ですが、「マジョラム」の名はラテン語の「major=人生を長く延す」から来た説もあるとのこと。へぇ、なんだか縁起いいじゃないと、お守り的要素も頼りにして。

香りといえば、入院前の壮行会で、入院歴のある友人がにおい袋をプレゼントしてくれました。彼女曰く「大部屋だと、自分の世界はこのへんだけだから(身の回り5センチくらいにバリアがあるような仕草をしながら)枕元にでも置いてね」と。この白檀の香りにもフッと気分が和みました。

* ウェット手袋(シャンプー)
手術後、5日間シャワーが浴びれない時に使いました。当時、私の髪は肩より長く、長い髪が匂うのはちょっとねぇ...と。でも粉末のドライシャンプーは扱いが面倒そうだし、他に何か良いのは?と探してみたら、ウェットシートが手袋型になってるものがありました。これ、シャンプー用に作られたもので、手袋をして地肌や髪を拭くだけ。洗い流しも必要無し。これだけでもずいぶん気分がサッパリしました。(ちなみに私が買ったのは「水のいらない泡なしシャンプー ウェット手袋」ってやつ。)
タイミングが良ければ、看護師さんに助けてもらいながらシャンプー台でシャンプーもできたみたいだけど...

* 耳栓とアイマスク
普段の生活でも耳栓愛用者の私。ちょっとした雑音が気になる時は、一人暮らしの自宅でもすぐ耳栓をする習慣があるので、あれば便利といより必須アイテムでした。(でも、同室の方はみんな静かで、音で気になることはほとんど無かった)
そしてアイマスク。寝るときは真っ暗じゃないとイヤなんですが、病室は常夜灯がついてるし、私のベッドはドア寄りで、ドア近辺を照らすライトも明るめだったので、これも必須でした。

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入院中って、ずっとパジャマを着てるモンなの?

イメージできなかったのがこれ。入院中って、どこでどんなふうに過ごすものなの?ずーっとベッドにいなきゃいけないのか(寝なくても基本そこに座ってる?)、一日中パジャマじゃなきゃダメなのか?

結果的には、ベッドに寝てる時間より、起きて自由に動ける(ラウンジで過ごしたり、院内を歩いたり)時間のほうが多かったです。
部屋に居る時も、手術後数日以外は昼間はベッドの頭を起こして、座椅子に座るような体勢で過ごしてました。
手術前はとうぜん元気だし、手術後3日目くらいからはけっこう動いてたので、パジャマよりも部屋着のほうが気分よく過ごせました。しまった、あまり部屋着持ってこなかった...。そこで入院後すぐ、ユニクロのウェブストアでセールになってたTシャツやリラコを数枚、実家宛てに買って、母が来る時についでに持ってきてもらいました。

着るもの関連で、ついでに「パンツ問題」。入院前の看護相談(入院オリエン)で「ゆとりのあるものを」と言われてました。で、形はどんなのがいいの?「お腹に管が何本か付くんですよね?としたら、浅履きのほうがいいんですか?」と看護師さんに聞いたところ
「締め付けなければどちらでもいいんですけど、浅いものだとかえって傷などの、しんどいところに当たるかもしれません」とのことだったので、おへそまでかくれるものを選びました。某大手カタログ通販社の5枚で2000円弱の綿の一分丈ショーツ、これを普段よりワンサイズ大きいのにしたら、足の付け根も楽で肌触りもよく、とてもよかったです。(見た目のオシャレ感ははこの際、後回し。)

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ついでについでに「ブラジャー問題」。家ではもっぱらノーブラの私。出かけて家に戻るとすぐ外すくらいブラジャーが嫌い。当然、入院中にブラジャーなんてしたくないけど、でもさ、看護師さんやドクターともちょいちょい会うわけで、いわば病棟はパブリックな場?いくら超貧乳と言えど、ノーブラっていうのも....(パジャマ、ちょっと透けそうだし)と迷いました。

「入院用ブラ」なんてないよね...?と探してみると、これもカタログ通販会社のサイトに「授乳用ハーフトップ」というのがありました。あら、これラクチンそう。で、大きめサイズを買ってみました。タンクトップの上だけみたいな形で、フロントに3つボタンがあって、ここでパチパチと留めるようになってる。これ、締め付け感ゼロでとてもよかったです。なんちゃってsloggiみたいなのでも薄手でフィットしすぎると、かえってピチッと圧迫されてるように感じてダメな私でもこれなら大丈夫。よし、これで安心。(いや、誰も私の胸なんて気にも留めてないのは分っちゃいるが)

そして病棟内の靴は、Amazonで安いスリッポンを探して買いました。かかとを踏んでも履けるデザインのやつ。へー、こういうのあるんですね。手術後すぐに歩く時など、できるだけ簡単に脱ぎ履きできるものをと思いました。軽く、歩きやすく、今は近所の買い物時に愛用してます。

ラジオはスマホで聞けばいいのかな?

朝から晩までラジオとともに生活している私。入院中も当然、ラジオ無しでは過ごせないわけで...。家の外でラジオを聞く時に使ってるスマホアプリ「ラジコ」で聞けばいいかな?と思いましたが、データ通信料をどれくらい使うかよく分からなかったので、念のため小さい携帯ラジオを持って行きました。

ついでにスマホのこと。大部屋ではwi-fiが使えないので、通信と情報はスマホ頼りでした。私はLINEモバイルの、データ通信料3GBのコミュニケーションフリープラン(今は終了したサービス)でiPhoneを使ってます。これだとSNSやLINEを使うぶんには容量を食わないのでこれは計算に入れず(と言っても、これらもたいして使わなかったけど)
2週間、たまにラジコ、そしてAmazon musicとPrime viedoを好きにストレス無く使う(と言っても、1日中どっぷり使ってたわけじゃないです。気分転換に聴いたり見たりする程度)ぶんには容量は買い足さずにじゅうぶん足りました。いつもより多く使いそうだからどうかな?とちょっと心配だったんですけど。
たしか前月の繰り越し分はけっこうあったかもしれないけど...それでも全部で5GBくらいだったかな?これが余裕で余るくらいでした。
(なので、携帯ラジオは持っていかなくても大丈夫だったかも。)

そう、Prime viedo、ちょいちょい見ました。まさかスマホで映画を見るなんて...。これまで電車などでドラマ?映画?などを熱心に見入ってる人を見るたび「いくら忙しくても...こんな小さい画面で見ても意味ないんじゃない?」と思ってたくせに、人は極限状態だと(言い過ぎ)それもOKになるんですねぇ。

で、そんな時、スマホホルダーが役に立ちました。けっこうかさばるし、いらないよね〜と思ったけど、例のラジオ特集で「おすすめ!」と聞いて、用意しました(3COINSで買いました)。

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こんな感じで「アンタ何しにいくのよ?」と自分にツッコみつつ、まるで旅に出るかのようにいそいそと準備しましたが、ムダなものも多かったです。優雅に好きなお茶を楽しもうと用意したティーバッグと保温カップも、給湯設備が無くてダメだっだり。(ホテルじゃないんだから...)

旅がそうであるように、入院も結局は自分の生活がそのまま引き継がれるわけで、普段の暮らしぶりが反映されるんだろうと思います。
「もし、こんなことがあったら...あれが必要かも」
「これもあったほうが便利かも」
と考え、荷物が多くなってしまった私は、憧れのミニマリストからは程遠いのだと思います。どおりで断捨離が苦手なワケだ。

スーツケースをパンパンにして、そのうえ小さなボストンバッグもぶら下げて、暑い陽射しのもと入院しました。
次回からは入院生活のお話を。(つづく)


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