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夜行列車で北へ【ドイツ鉄道旅行2023】

 Mannheim Hbfのホームに上がると、Basel SBB行ICE 375 (ICE 4)は既に入線して発車を待っていた。

 19時35分定刻に発車する。夕食を取ろうと食堂車に向かう。Hamburg-Altonaから延々と走ってきただけあり、食べ物は売り切れているし、グラスもないとのことで生ビールも提供できないとのこと。仕方がないので瓶ビールとサンドイッチをもらう。夕暮れの黒い森 Schwarzwaldを眺めながらのビールというのも悪くないし、黒パンにきゅうりサラダを挟んだサンドイッチも美味しいが、夕食としてはもの足りない。元の計画では、この列車でBaselまで行くつもりであったが、予定を変更してFreiburgで下車して夕食を取ることにする。

 

 Freiburg Hbfには定刻の21時06分に到着する。ホームの向かい側には、MünchenからのICE 3が停車している。

 Freiburg Hbfはホームから階段を上がると、そこがトラム乗り場で、非常に利便性の高い構造となっている。

 落ち着いた雰囲気の街を10分ほど歩いて、レストラン"Brennessel"に入り、ポークステーキと地元のビールで遅めの夕食とする。ドイツにも様々な料理があるが、この地域の料理は本当に美味しい。

 22時半に駅に戻る。Freiburg Hbf構内にはスーパーがまだ営業しており、店内は賑わっている。寝酒にビールとワインの小瓶を買ってホームへ。 Siemens製の最新型電車Desiro HC (1462形)によるRE Offenburg行が発車すると、ホームはわずかに人影があるのみで静かになった。

 23時近くになり、101形に牽引されたプラットホームに入って来たのはZürich発Hamburg-Altona行の夜行列車NightJet (NJ) 470である。客車は9両、前から2両目の307号車、二階建て寝台車に乗る。この客車は以前、ドイツ鉄道 DBが運行していた夜行列車City Night Line (CNL) 用に1995年に登場し、CNL運行終了後はオーストリア連邦鉄道ÖBBに移り、NJに使用されている。

 この客車には15の個室が設けられており、私は2階の2人用個室を予約している。2段式ベット、テーブル、椅子2脚の他、洗面台・トイレ・シャワーも設けられ、狭いながらも空間をうまく利用した設計がなされている。登場から30年近くが経過し、古さを隠せないのも事実であるが、室内には上質な雰囲気が漂う。

 持ち込んだワインやビールを楽しんだ後、床に就く。

 ベッドは少し狭いが、よほど高身長でなければ苦痛は感じないレベルであろう。最高200km/hで走る列車だけに、カーブでは遠心力を感じ、停発車時の揺れも伝わって来るが、時々目を覚ましつつ、5時半過ぎまでゆっくり眠ることが出来た。
 6時に車掌が朝食を運んで来る。NJの寝台車では朝食のサービスがあり、様々な飲み物や食べ物のリストから6種類を選択して、前日のうちに車掌にリストを渡しておくと、指定された時間に車掌が届けてくれるのである。

 朝食後にシャワーを浴びる。トイレもシャワーも非常に狭いですが、やはり共用ではなく個室にあるのは貴重である。途中工事の関係で5分遅れたが、6時48分にBremen Hbfに到着する。

 慌ただしく階段を上り下りし、6時53分発RE1のNorddeich Mole行に乗り込む。146形が2階建て客車を牽引する編成である。車内はガラガラ、特に1等車は他に乗客の姿はなかった。

 列車は西へと向かう。概ね10分おきに停車し、Oldenburg Hbfでまとまった乗降があったが、それ以外は車内は静かである。

 Leerで10分停車して方向転換し、8時41分にEmden Hbfに到着する。

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