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イメージするということ。

よく、イメージが大切だ!音楽、芸術は想像力だ!という言葉を聞きます。

しかし、それらが具体的にどう演奏に生きてきて、なぜ大切なのかを論理的に説明できる方は、音楽講師の中でも少ない気がしています。

ボーカルのレッスンのときに、よく人体模型や体内図を用いて、身体の動きを説明されますよね。
軟口蓋、丹田、横隔膜の動きなど、普段聞き慣れない言葉を聞けば、それだけで何か自分は専門的なレッスンを受けているんだ、とお思いになるかもしれません。

身体の仕組みを知る、それ自体はとても大切なことだとは私も思います。
しかし、それを知ったところでそれを自在に使えるかはまた別の話です。
現に我々は、歩くときも食事するときも、身体の仕組みを知らずともそれらを自然に行なっています。(力学的にも身体的にも合理的な運動をとれているかはまた別問題ですが。)

野球をしたことのない方に、先に身体内の動きを説明したところで、当然すぐに出来はしません。

では、どうやって声を出すときの正しい身体の在り方を説明していくか。

ここで出てくるのが「イメージ」です。

これがボーカルレッスン特有の最も難しいところでもあります。
例えばギターやピアノであれば、実際に目で見て、動きや押さえ方などを伝えることが出来ます。人間の視覚情報は本当に強く、講師が実際に実演すれば、ほとんどの方が目で見て、時には手技を用いて提示されたことは出来る様になるでしょう。

しかし、歌はそうはいきません。こちらの声帯の動きを見せることも、相手の声帯がどうなってるかを観察することも叶いません。

苦し紛れに、もっとイメージをしよう!もっとフィーリングで!などと言われると、とても抽象的な印象を持ち、たちまち声の迷路に迷い込むでしょう。
なぜならそれは、どんなイメージで、どんなフィーリングなのか、という具体的な説明がないからです。

例えば、Live等のサウンドチェックで、PAに「これくらいの音量を下さい。」と言われれば、楽器の方であれば正確に対応出来るでしょう。目で見えるメモリがありますから。
もしボーカルが8割くらいの音量で下さいなどと言われたら(実際によくありますが)、皆さんは自分の8割くらいの声量を正確に把握していますか。

単に大きい声を出して、と言われるよりも、向かいのビルの3階にいる人に届くくらい、と言われた方が何となく声量の音像が見えませんか。
小さな声で、よりも、すやすや眠っている赤ん坊が起きないくらいの小さな音量、と言われた方が自然に音量設定が働くはずです。

何なら、すぐ目の前で話している人に対して、選手宣誓するくらいの音量感で普段話さないですよね。
逆に、駅のホームの向かい側にいる人に、お葬式で話すくらいの音量で語りかけないはずです。

つまり、普段から我々はその視覚情報に合わせて、自分たちで勝手に声量設定しているのです。
アレクサンダーテクニークの言葉を借りてくれば、我々はこうしたプライマリーコントロールと言われる、特に首から背中、脊椎に関わる初源的調整作用によって、無意識のうちに身体を自分たちでコントロールしています。

イメージの肝は、視覚情報の代わりに、これらをイメージに置き換え、自然なコントロールを働かせるということにあります。

自分で無理に、体内の横隔膜や声帯などを動かそうなどと意識せずとも、イメージにしっかり身体が従えば、とても力の抜けた自然な状態でのパフォーマンスが出来る様になるということです。

少し難しい説明展開になってしまいましたが、より分かりやすい説明を求む方は、ぜひ一度レッスンを受けてみて下さい。

想像力は我々人間だけに与えられた、とても素晴らしく、何物にも替えがたいものだと思います。

ぜひSidewaysにて、無限に広がるイメージの中から、あなたしか想像出来ないような音楽世界を一緒に創り出しませんか。

皆様のお問い合わせをお待ちしております。

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