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2007 カンボジア•タイ旅行記7 【地雷を踏んだらサヨウナラ】

1月19日(金)  


気がつくとそこは九州上空、綺麗な朝焼けが窓の外に見えます。テイクオフの前に眠りに落ち、5時間近く深い眠りの中でした。機内食を食べ終えると、じきにTG644便は中部国際空港にランディング、この旅も本当に終りです。頭の中でエンドロールが流れる中、静かにこの旅を振り返ります。


     ◇


この旅に出るまで、カンボジアという国についての知識は、アンコール・ワットと地雷の国という漠然としたものでした。そしてこの旅に出たのも、世界遺産が見たいというミーハーな理由と、今の自分には、のどかな雰囲気の場所に行くことが必要だったからです。

そしてそこでは確かに、素晴らしい遺跡を見ることができて、一流ホテルのホスピタリティに触れ、のどかな田園風景に心が和み、子供たちの笑顔に癒されました。しかしそれだけではありませんでした。

アンコール遺跡群のあるものは自然に浸食され崩壊し、またあるものは内戦や異教徒によって破壊されていました。タイのアユタヤ遺跡もまたそうでした。遺跡は風化していくものだと言えばそうなのかもしれません。破壊の跡も歴史の一部で、それも含めて遺跡の魅力と言えばそうなのかもしれません。しかしそれは確かに暗い歴史の遺恨なのです。

そして、カンボジアの人口の70%が30歳以下の若年層で占められているという事実は、ポル・ポト(クメール・ルージュ)による暗い歴史の結果であるし、今でもなお、生活のために観光客相手に商売をしなければならない子供たちが大勢いるという現実も、この国の闇の部分なのでしょう。

アンコール遺跡群という世界にも類を見ない文化遺産を持ちながら、暗い歴史から立ち上がりつつあるこの国は、今後どのように成長していくのか、そのことが今も頭の片隅で気になっています。そしてまたいつか、あの場所を訪れたいと思ったのです。


こうして7日間の旅は終わっていきました。

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