【ショートショート】5.真実
武装した大柄な男、セシーリアの伯父である、
コンラードが家に現れた。
コンラード「マグヌス、大変だ!町が…」
マグヌス「町がどうしたんだ?!…お前、その姿…」
コンラードは体中、服も全て真っ黒く、汚れていた。
コンラード「沖にいた謎の船が突然、
燃え盛る弓の矢を町へ向けて大量に放ち、
港中が燃え出したんだ。」
その火が原因でコンラードの全身は煤に塗れていた。
マグヌス「なんだって?!」
コンラード「マグヌス、済まないが…町を守ってくれないか?」
マグヌス「…分かった。」
セシーリア「私も行くわ!」
コンラード「ダメだ!」
セシーリア「どうして?私だって、
ベルセルクの血を引く者として、
生まれたからには一緒に町を守りたい!」
コンラード「……」
マグヌス「……」
コンラード「セシーリア、お前はこれから私と一緒に
山を越えなければならない」
セシーリア「どういう事?」
コンラード「お前にはベルセルクの血を持つ者としてだけではなく、
神聖な力を受け継ぐため、ヴァルハラに向かう必要がある。」
セシーリア「私が神聖な力を?」
マグヌス「そうだ。今まで黙っていたが、
お前が生まれる時、神の力を受け継ぐ者として、
ヴァルハラからの光を宿して生まれてきたのだ。」
セシーリア「!?」
驚愕の事実にセシーリアは驚きを隠せなかった。
コンラード「だから、ヴァルハラに向かい、
力を得た上で町を、海を救って欲しい。」
マグヌス「それまでは、俺が町を守る。
さあ、急ぐんだ!」
マグヌスは家にあった武器をかき集め、装備を整えた。
マグヌス「コンラード、セシーリアを頼む。」
コンラード「分かった。セシーリア、行くぞ!」
家を出ると、二手に分かれ、それぞれの行き先へ進んで行った。
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