【ショートショート】1.少女セシィ
ここは北にある、とても寒い寒い小さな集落のある町。
そこには幼い少女と少年が駆け回って遊んでいた。
少年「ま、待ってよ、セシィ!」
少女「あははは。ラウノはいつも走るのが遅いんだから」
少女の名はセシーリア(セシィ)。幼馴染の少年、クラウス(ラウノ)とは、とても仲良しで、毎日クラウスのいる港へこっそりと行き、時には小さな丘を駆け回り、時には花を摘み、その花で冠を作り一緒に遊んでいた。
遊んでいる途中でクラウスはふと、立ち止まる。
セシーリア「どうしたの、ラウノ?」
クラウス「ボクはヴァイキングの子として生まれてきたのに、弱すぎて、誰の力にもなれない。父さんにもいつも弱々しいと言われてしまう」
セシーリア「そんな事ないわ!ラウノはいつだって強い優しさを持っている勇敢なヴァイキングの子よ!」
クラウス「セシィ…ありがとう。キミの言葉は皆に勇気を与えてくれる…ボクはいつか、キミを守れる強いヴァイキングになるよ!」
セシーリア「うん、約束だよ」
クラウスは周りにあった花を摘み、指輪を作り、セシーリアの指にはめた。
クラウス「うん、約束する!」
そうして2人は、約束を交したのだった。
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