すぐムキになる
僕の仕事場は出勤時ハンコを押すことになっている。このご時世にまだそんなことをやっているのだ。バカバカしいと思っているからだろう、僕はよくハンコを押すことを忘れてしまう。
すると事務の女が 僕のところに駆け寄ってきて叫ぶ。
「坂下さん!また忘れましたね!社長に言いますよ!」
文ではなかなか伝わらないと思うが、マジ切れなのだ。
「もうーダメですよ〜。」なんて感じでは全然ないのだ。
「ハンコくらいでなんでそんなにムキになれるんだ??頭おかしいんじゃねーの!」
という言葉を僕はぐっと飲み込んだ。
絶対平行線だからだ。
彼女にとってそれを言うことはとても気持ちがいいことなのだ。
タチが悪いのは「自分は気持ちのいいことしかしない。」ということを自分で認めず、責任感とか義務感とかいうものにすり替えていることだ。
彼女は血走った目を僕に向け睨みつけていた。
最後までお読みいただきありがとうございます。 これからも自分の才能を信じていいものを書き続けていきます 😊