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乃木坂46 主人公の卒業に寄せて

乃木坂46 3期生 大園桃子の卒業

加入して5年、彼女はまた普通の女の子に戻る。


初めて彼女に目を奪われたのは
17枚目シングル全国握手会で行われた
ミニライブでのことだった。

新加入した3期生12人は緊張した面持ちの中、
多くのファンの前に立ち、3期生楽曲「三番目の風」を披露した

彼女は曲振りまで涙を浮かべ言葉を詰まらせたのに
イントロが鳴り出した瞬間、
表情は変わり、溌剌と踊り出した。
曲中は心から楽しそうにしている姿に魅せられた。

彼女は初めて"推しメン"と呼べる存在になった。
番組での発言や雑誌のインタビュー、
ブログやモバメ、ラジオにLIVE、
彼女の一挙手一投足を見逃すまいと追いかけた。

どんな時も飾らず、感情をあらわにできる姿は
可愛らしく、微笑ましく、羨ましくもあった。
擦れていない純真な心が眩しかった。

18枚目シングル「逃げ水」で与田祐希とWセンターになった時は嬉しいとかよりも大丈夫かな、押し潰されないかなと心配になったのを昨日のことのように憶えている。

何をするにしても泣きじゃくって、
批判されることも多かったけど、
とても人間らしい反応が素敵だと思ってた。

心配もよそに、先輩に支えられながら
次第に涙を見せることよりも笑顔が多くなっていった。
先輩とも仲良くなっていく過程は多幸感と安心感をくれた。


それでも休業が発表された時はやはり心配だったし
もう戻ってこないんじゃないかとさえ思った。
ラジオから聞こえてくる声が頼りだった。

2019年全国ツアー神宮球場の「三番目の風」で復帰した時のパフォーマンスは初めて目を惹かれたあの時と変わらず誰よりもキラキラと光って見えた。

帰ってきてくれて本当に嬉しかった。
また笑ってる姿が見れて安堵した。




顔が好きだった。
頭身のバランスも好きだった。
歌声もハスキーな声自体も好きだった。
個人PVで見せる演技も好きだった。
左手を腰にあてながら右手の人差し指で言葉を選ぶ話し方も好きだった。


ガチガチに緊張してた乃木坂工事中の3期生紹介で
トマト食べる時だけニッコニコになるのが可愛かった。

モバメで絵しりとりの絵をひたすら送ってきたり
あどけなく無邪気に話しかけてくるモバメが好きだった。

本気で嫉妬してるようならじらーでの掛け合いや
握手会で桃ちゃん推し以外は認めない態度も愛くるしかった。

人の話を聞く時に、うんうんと相槌をうったり
丁寧に大切に言葉を紡ぐ姿も素敵だった。

ドキュメンタリー映画で監督からの投げかけに疑問を呈したり
ふとした瞬間の本質的な言動にはハッとさせられた。

桃ちゃんは、
マスコット的な動物的な無条件の可愛らしさがあったし
大人になると忘れてしまうような感覚や想いを強く持ち続けているようでもあった。

そんな綺麗で強力な求心力もあったから
色の違う個性に溢れた12人の3期生
という奇跡が存在できたんだと思う。


先輩に支えられながら
日々成長していくよだももが好きだった。

初期の頃からあだ名で呼び合う
純度の高いひーこもーこが好きだった。

歳の離れた本当の姉妹みたいに
仲良しなまいやんとの関係性がすきだった。

お互いに少しずつ心を開き合って
寄り添い合っている飛鳥ちゃんとのペアが好きだった。






乃木坂の真ん中に立つ姿がまだ見たかった。
もっとアイドルとして活躍する姿を見続けたかった。

私にとって彼女は"主人公"だった。
人によってはそれが生駒里奈であり堀未央奈であるように。
私にとって、
乃木坂46という物語の"主人公"は大園桃子だけだった。

勇者や冒険者はいても、もう"主人公"はいない。


その姿をもう見れないと思うと
寂しさに飲み込まれそうになったり
喪失感でいっぱいになったりするけど、

それでも世界のどこかできっと温かい人たちに囲まれて
小さな幸せを大切にしながら桃ちゃんは
これまでと変わらず笑っていると信じてる。

卒業セレモニーでの姿は
そう信じれるだけの力強さがあったから
笑顔でいると願ってやまないから

これからも彼女の存在を感じながら
その空白のある未来を受け入れたい。



アイドルとしての大園桃子を
5年間も応援できて本当に本当に楽しかった。

ずっとセンターだった。


元気でね。

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