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農業には、みんなを幸せにする力がある

 自分は47歳の時に25年間勤めた農業高校の教員をやめて農業を始めました。
 専業農家の長男であった自分は、卒業したら農業をやるつもりで大学の農学部に進みました。専攻は農業経営学、卒論は「企業的農業の可能性」でした。
 ところが、どう考えても農業をやって楽しい生活が送れるとは思えません。休みもお金もないような農業しかイメージできませんでした。友人たちの多くは公務員や農業や食品の関連産業に進んでいきました。
 そこで、「農業高校で、生徒たちと一緒に農業の可能性を考えてみよう」と思い高校教員になりました。

小笠高校卒業アルバム

 教員生活は大変楽しく充実していて、何より安定していました。しかし、勉強や部活動で目標を決めて一生懸命に取り組んでいる生徒や、時には「そんなこと無理だよ」と思っていた夢を実現してしまう生徒がいて、そんな彼ら、彼女たちがとっても、まぶしく思えました。
 「農業の可能性を伝えたかったら、自分自身がやってみよう。農業に興味を持った学生を受け入れられるような農業経営体を目指そう」と思い、妻の応援もあって農業を始めました。


踏み出させてくれた生徒たち


 それから7年、まだ農業の可能性を示しているとはいえません。疲れたり、悩んだり、予想通りにいかないことばかりです。ホームページに農業高校時代の授業風景の写真があるのですが、「みんなが自分の予想以上に楽しく農業の授業を受けてくれたから、自分は農業に未来を感じてしまったんだよなぁ」などと写真の中の生徒たちに時々、愚痴ったりしながらも、それでも、写真からは農業の楽しさや大切さが伝わってきて、元気をもらいます。
 当社の基本理念は「育てる人、食する人、地域の人にしあわせをお届けします」です。
 農業には、みんなを幸せにする力があるのだと信じています。そのことを立証するのが、自分のライフワークだと思っています。


【記事の出典元について】

しあわせ野菜畑の代表の大角は、静岡県高等学校の農業教員でしたが、47歳の時に退職し2008年に農業を始めました。 教員生活は大変楽しく充実していましたが、農業経営者として自分自身が農業の可能性に賭けてみようと考えました。
起業して7年目の2014年4月から1年間、地元の静岡新聞に農業経営者の声「こだま」を毎月2回書かせていただく機会がありました。
「こだま」は農業者が交代で書くことになっており2015年3月で終了しましたが、その後、毎月1回農業欄のコラムとして「野菜が好きになる話」を書かせていただくこととなり、現在も続いています。
野菜宅配セットをお送りしているお客様にお届けしているニュースレター「しあわせ野菜新聞」、それからNoteの文章は、静岡新聞の農業欄「野菜が好きになる話」が元原稿になっています。

今回の記事は2014年に書いた「こだま」の原稿です。
当時とは、現状が変わっている部分も多いのですが、自分自身の原点としてそのまま記載しました。

今後、第2版として、「その後」の文章や写真を加えたりしたいと思いますが、まずは「農業で起業したころの想い」としてお読みください。

「(農業を始めた理由)農業には、みんなを幸せにする力がある」
第1版 2024年9月2日発信
 
(出典元)静岡新聞2014年3月第1日曜日、農業欄「こだま」より

#しあわせ野菜畑
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