マガジンのカバー画像

農業について思うこと

32
大学農学部卒業後、高等学校の農業教員を25年間勤め、2009年に47歳で有機野菜を生産直売する株式会社しあわせ野菜畑を起業しました。 この間、農業について学んだこと、考えたことを…
運営しているクリエイター

#可能性

農業には、みんなを幸せにする力がある

 自分は47歳の時に25年間勤めた農業高校の教員をやめて農業を始めました。  専業農家の長男であった自分は、卒業したら農業をやるつもりで大学の農学部に進みました。専攻は農業経営学、卒論は「企業的農業の可能性」でした。  ところが、どう考えても農業をやって楽しい生活が送れるとは思えません。休みもお金もないような農業しかイメージできませんでした。友人たちの多くは公務員や農業や食品の関連産業に進んでいきました。  そこで、「農業高校で、生徒たちと一緒に農業の可能性を考えてみよう」と

秋野不矩美術館で考えたこと

望みつつ 望みつつ しかし 「いつか」は やってこない 。20年くらい前の元旦の静岡新聞で知った沢木耕太郎さんの言葉です。やりたいと望んでも「いつか」と思っている限りは実現できない、そんな意味だと思います。 自分は今から7年前の47歳の時に農業を始めました。それまでの仕事は楽しく充実していて安定もしていたし、何より踏み出すのが怖くて、農業をやってみたいという思いは「いつか」で終わってしまうのかなと思うことがよくありました。 踏み出すことが出来たのは妻の応援であり、周囲の理解が