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政治家は社会をよくしてれば議会中に居眠りをしてもいい ①期待効用モデル B

例えば、ふるさと納税を年数百億円の単位で取ってこれる芸人さんが市議会議員さんになったとします。仮にその議員さんが寝ていてもその予算を使って街を良くできれば、その議員さんは当選した方がいいじゃないでしょうか。

(ちなみにこの例はあくまで例なので特定の人物を指すものではありません)

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結局政治家に対する評価は、その政治家が当選することで社会がどれだけ良くなるかに帰結します。

勿論、居眠りする姿を市民がみることによってストレスがたまって社会が悪くなる可能性はありますが、年数百億単位で市政予算が増えるのであれば、居眠りしてもいいのではないでしょうか?

現実はそんなに甘くなくて、実際にそこまで知名度のある人が政治家になる例は少ないです。

では、「居眠り」をどう評価するのか?

「居眠り」の観点から我々はどのように投票行動を変えるべきか考えてみましょう。

「居眠り」を評価する視点① 期待効用モデル

現在メジャーな投票行動のモデリングとして期待効用モデルというものがあります。

効用という言葉聞きなれないと思いますので分かりやすく言い換えれば、「自分がどれだけ得できるか」という話になります。

期待効用モデルを言い換えると、自分の投票行動で議員さんが当選、落選が決まる確率と議員さんの当選によって自分がどれだけ得をできるか等の視点から投票行動が決まるという話です。

期待効用モデルを構成する要素の一例を出してみれば・・・

ライカーとオードシュックによるモデル
ダウンズのモデルを発展・精緻化させたのがウィリアム・ライカーとピーター・オードシュックである。彼らは、有権者Aが投票するか棄権するかを、投票参加による利得に基づいて決定すると考え、それを規定する4つの独立変数を想定した。 (R=P×B+D-C)
Pは、自分の投票行動が選挙結果に影響を与える確率(possibility)についての、有権者Aによる主観的予測である。その確率は、客観的にはゼロに近いが、ここではあくまで有権者本人が主観的に見積もったものである。
Bは、有権者Aにとっての政党間(候補者間)の期待効用差(benefit)である。これはダウンズのモデルにおける期待効用差と同じである[1]。
Dは、投票に参加すること自体が長期的にはデモクラシーの体制維持に寄与するという信念の強さ(democratic value)、あるいは投票しなければならないという義務感(duty)である。より具体的には、(1)投票をすることにより有権者としての義務を果たしたとの満足感、(2)政治体制への忠誠を果たす満足感、(3)最も好む政策に支持を与える満足感、(4)投票での意思決定や意思決定のための情報収集に対する満足感、(5)政治システムにおける有権者の能力を確認したことによる満足感、がそれにあたる。
Cは、投票参加にかかる労力や費用(cost)である。これは、単に「投票所が遠くて時間がかかる」ということだけではなくて、「各党の政策の違いを調べて期待効用差を判断するには労力がかかる」、「投票のために仕事を休む」(機会費用)、「投票のために旅行をキャンセルする」なども含まれる。
Rは、以上の独立変数によって算出される、投票参加による有権者Aの利得(reward)である。このとき、R>0であれば有権者Aは選挙に行くと考えられ、逆にR<0であれば選挙を棄権すると考えられる。

このモデルに従えば議会で「居眠り」する議員はBの部分が少なくなるので当選確率が下がる。

ここで最初に出した「ふるさと納税を年数百億円の単位で取ってこれる芸人さんが市議会議員さん」の例を出してみましょう。彼以外に投票することを想定して彼が「居眠り」をしたことによって落選することになると、Bの変数は-数百億となります。

そうするとR<0になる可能性が高く、その投票は自分が得していないことになります。

あとがき 政治を動かすのは何か?

私は居眠りを不快とは感じません。まぁ人間眠くなることはあるんじゃないでしょうか。

勿論、居眠りを不快に感じる人もいるでしょうから今回のモデリングを参照して投票行動を変えてみてもいいと思います。

実は裏話がありまして、このモデリングの結論として、義務感とかの感情因子がなければ基本的に「選挙には行かない方が個人的に得である」という話になります。

なぜなら、あなたの一票によって議員の当落選が決まる確率(P)は0に近いからです。(規模の大きい自治体であればあるほど)

では、政治はなにによって動くのか。

実は見えてくるのはDやCといった変数になります。つまり、政治に参加しなければならないという義務感などです。

期待効用モデルが示すのは、「政治は心によって動く」という現実ではないでしょうか?

私には面白い帰結である一方、大変なことだなぁと感じます。(なんせ心が動きにくいし、そんなあやふやなものにまかせていいのかって話)

「居眠り」はやはりその議員さんを落選させたいというDに近い変数を落とす効果があるのかもしれません。

私はBだけに換算しますが(笑)

ご清聴ありがとうございました。

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