オールドコンデジで机の上を撮りたかった
ある日、部屋の片隅から出てきた、昔のコンパクトデジタルカメラ。
Sony Cyber-shot DSC-T10。
ミラーレス一眼を買ってから使わなくなって、忘れていた。
バッテリーは充電できない。
メモリーカードは、対応のカードリーダーがない。
PCに接続するケーブルも、説明書もなかった。
電源が入らないので、使用可能かどうか確認もできない。
このまま処分するか、それともバッテリーを買い直してまた使うのか。
作業机に置いておける小さなカメラで、作業途中の様子を手早く記録できたら便利なのでは、と思いついた。
接写ができるなら、クラフトのお供に使えるのではと。
バッテリーとメモリーカードリーダーを購入した。
おもちゃみたいなシャッター音がした。撮れた。
壊れてはいないようだった。
ひとしきり遊んで使い方を思い出した。無事使えそうだ。
これで各種クラフト製作過程写真の撮り忘れを減らせるはず、と思った。
実際いくつかのクラフト記録にこのカメラを使用した。
すぐに起動できて、シャッターボタンを押すだけ。終わったら机のひきだしに収納。
余計な機能がないから手早く記録できて、作業の流れを邪魔しない。
思ったとおり、便利だった。
ただ、便利とはいっても普段使うミラーレスやスマホカメラとは勝手が違う。思い通りに写せなくてもどかしくもあった。
練習と遊びを兼ねて机の上のあれこれを撮った写真が、メモリーカードに残っている。
古いカメラのレトロ感、と言いたかったけど被写体も背景もレトロだと違いがいまいち伝わりづらい。
そういえばこのミラーレスも既に10年くらい使ってるから、レトロになりつつあるのかもしれない。
ホワイトバランスの細かい設定ができないのが不満だった。
ホワイトバランス「オート」は、光源や被写体によって色味がコロコロ変わって使いにくい。
低彩度なら違和感が軽減するかもと、ふんわり撮ってみた。
モノトーンならホワイトバランス関係ない!ナイスアイデア!と思った。
組立はともかく、塗装の記録も白黒で撮る気か?と我に返った。
ホワイトバランスを「フラッシュ」に設定し、発光はせず、自然光+室内照明で撮影した。
セピア寄りの、ノスタルジックな色合いになった。
2~3か月ほど普通に使っていたが、不意に、調子が悪くなった。
撮影モード起動後、本体と画面が振動し、まともに撮影できない。
調べてみると、手ブレ補正機能の不具合が原因だとか……。
手ブレ補正をOFFにしても、バッテリーを抜いて入れ直しても、直らなかった。
修理は有償、修理代で別の安価なコンデジが買える、のみならず、修理しても再発の可能性が、という話を見てお別れすることにした。
ああぁ残念………。
一眼はかさばる。
スマホはカメラ以外の機能が多く、集中力を削ぐ。
作業中に使うカメラとしてコンデジは最適だったと思う。
短い間だったが、いつもと違うカメラで遊べて面白かった。
※後日談
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