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100均リメイク 或いはお絵描き? くもり空の撮影ボード

2024年2月製作。


いつだったか100均で買った気がする、コルクボード。約40×60cm。
ほとんど使わないまま忘れていたのをリメイクして活用したく。
塗装して小物撮影用の背景ボードを作ることにした。

飛行機模型に似合う、空っぽい色が良い。



良い色だ。上から塗っちゃうけど。

最初に、コルク板にリメイクシートを貼る。塗装下地として。切れ端が出たのでついでに木枠にも。多少隙間ができても気にしない。塗装面の大部分をざっくり覆えば良し。

以前コルクに直接塗装した時、表面の細かい穴に絵の具が吸い込まれて塗りづらかった※。
今回は塗る面積が広い。下地材を使うことで、下塗りの手間を省き、絵の具を節約したい。細かいエンボス加工のざらざらした質感は絵の具の定着もよさそうだし。
ただ、リメイクシートの説明書によると、時間が経つと裏面のシールの粘着力が弱まり剥がれてくる可能性もあるとのこと。もし剥がれたら接着剤で貼り直そう…。

※絵の具がコルクに吸い込まれた話はこちら


そして、アクリル絵の具を塗る。
単色でぺたりと塗ろうとしてもどうせムラになる。
だったら最初からまだら模様にすればいい。曇り空だ。

絵の具は適当に混色し足りなくなったらまた適当に継ぎ足し、色合いを微妙に変えながら筆で雑に塗り重ねた。
濃い色から始めて、徐々に明るい色へ。


普段てのひらサイズの小さきものばかり作っている。
広大な画面を塗るのはなんだか勝手が違う。床の上に新聞紙を敷き絵の具のチューブを散らかして。さてどこから塗る?と戸惑ったのは最初だけ、ざくざく筆を動かしてると、画家気分。楽しくなってきた。むしろ童心か。大きなキャンバスに自由にお絵描き、一度やってみたかったのかもしれない。



SPADで試し撮り

写真うつりをチェックしてみる。
思ったより色が濃い。
良い色ではあるけど、背景としては派手すぎる。
空というより海?
明度を上げて、彩度を下げたい。色みは青緑から青寄りに。


白多めの薄い色を重ねていく。
明度が高いほうが日中の空らしく見える。

雲の陰影を表現するのに、ほんの少し黒を加えてみたり。

さらに水で薄めたのを塗り重ねると、ざらついていた筆致がなめらかになった。



2回目の試し撮り

もう一度撮影してみた。
絞り開放で、背景はボカす。ぼんやりまだらな空模様になった。
主張しすぎない、薄曇りの空。


SE5aは平置きで撮ってみた

ボードを立てて背景にすると模様がボケるのに対して、平置きだと下地の質感や筆の跡まで見える。これも良い味わい。被写体の位置を変えれば違う筆跡に出会う。
単色の背景ボードより遊べる。



色の変遷

左:塗り始め。リメイクシートがまだ見えている。
中:試し撮り1回目の時の色。
右:試し撮り2回目の時の色。リメイクシートの色味に近づいた。


色塗りに満足したので、最後に仕上げのニスを塗る。


ニスを乾かしながら眺めていたら不思議な気分になった。

適当に塗り重ねただけなのに。
飛行機模型の背景だから空っぽい色でと思っただけなのに、筆跡のひとつひとつを見ているとこれは作者の空への憧れが表現された絵画作品なのではと、自分の中の鑑賞者目線が適当な事を言い出す。

撮影ボードは、アートではなく実用品だ。
けど。空の色を目指した動機の中に、空への憧れがあったか否かはともかく、空を表現するべく色を重ねたのには違いない、なら「絵」と呼べなくもない? 塗装ではなく、お絵描き?



編隊飛行

ニスが乾いたので遊んでみた。


戦闘中?
雲を置いてみた

影が出ないように撮ると、飛んでるように見える……?

模型が本物に見えるように、というより、被写体と背景を調和させて一枚の絵に見えるように撮れたら、と思う。
撮り方はこれから研究したい。



アルバロトス(赤)の翼幅は約6.4cm

ちいさな模型に広大な背景。
実際使ってみると、この広さのおかげで奥行きのある写真が撮れる。

リバーシブルにするべく裏面には別のリメイクシートを貼った。そっちは塗装せず、飽きたら気軽に貼り替えて使おうかと。

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