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テレビのキャプチャ問題について私見を述べたい

最近テレ朝が放送したある番組でまたキャプチャが問題になっている。SNSにあげるのは果たしてどうなのかという問題。私なりの意見を多角的な観点から述べたいと思う。そのため長文になることをご理解いただきたい。


前提

まず私はテレビのキャプチャは容認派であり、テレビ局もキャプチャは容認するべきだと思っている。
理由は色々あるので順々に述べる。
(もちろん画像については著作権の関係があることは十分に理解している。)

① 総務省から借りている電波だから

総務省から借りている電波というのは、いわゆるコールサインのことである。テレビ局の電波には名前がついていて、それをコールサインとよぶ。(例えば、テレ朝ならJOEX-DTVである)
つまり、テレビ局の電波というのは総務省、国から認可を受けて借りているものなのだ。そもそも電波は貴重な限りある資源である。無限ではないのだ。
電波も種類があり、中には妨害電波や人へ悪影響を及ぼす電波も存在する。しかしテレビ局の電波にはそういう悪影響を与える電波ではない極めて良質な電波が格安で提供されている。それなのに、キャプチャ禁止というのは極めて公益性から反するし、公共物でもある電波を私有化する身勝手な行為であると言わざるを得ない。

② 放送法という法律

そもそも放送法がなぜあるのか。放送法を簡単に説明するとこういうことである。

目的は、放送を公共の福祉に適合するように規律し、その健全な発達を図ることにある(第1条)。また、番組編集についての通則として、何人からも干渉・規律されない(第3条)とし、義務として、公安・善良な風俗を害しない、政治的公平、報道は事実をまげない、意見が対立している問題はできるだけ多くの角度から論点を明らかにすること(第4条第1項)を定めるとともに、放送番組の種別(教養番組、教育番組、報道番組、娯楽番組等)及び放送の対象とする者に応じて編集の基準を定め、それに従い放送番組の編集をしなければならない(第5条第1項)。

Wikipediaより

このような法律がある理由は①でも述べたように、放送局というのは国から認可されたうえ、限りある資源を使っている事業者だからという点である。
一方同じマスコミと呼ばれる媒体でも新聞や週刊誌にはそのような新聞法とか週刊誌法とかは存在しない。(紙はもちろん大切な資源ではあるが)人体に影響を及ぼすほどの害悪な何かを発するまでに至るとは考えられていないからである。(そのためテレビと比べたら明らかに偏向していて手がつけられないほど酷くなっているというところがあるがここでは割愛する)
やはりテレビ局は公共物である。電波を使って発信している限りはこの放送法から逃れることはできない。そのため政治的に中立も求められるし、ちゃんと報道機関としての使命も全うしなければならない。キャプチャで揉めている場合ではない。

③ 報道機関としての役割と矛盾

最近のニュース番組では、視聴者投稿映像でニュースが成り立っていると言っても過言ではない。映像も写真もみんな視聴者提供か旧Twitterからの動画とか....自分で取材に行けないから募っているんだろうなというその気持ちは分かる。
みんながカメラマンとかスクープBOXとか色んな名前があるが民放もNHKもそういう投稿部門はある。ただ、それを活用しておきながらキャプチャは禁止というのは矛盾している。
自分たちは取材に行けないから視聴者に頼るだけ頼っているわりには、著作権は放送局に帰属。挙げ句の果てにはテレビ画面はキャプチャ禁止っていうのは自分たちが手柄を横取りするようなものでいただけない。そんなに禁止したいのであれば、自分たちで取材に行けば良い。できないくせにほざくのはいい加減にしろと言いたい。

④ テレビを作る側のズレ

やはりコロナ禍以降になってからだろうか。あまりにも視聴者とテレビの制作側では非常にギャップを感じることが多くなった。
以前、NHKのあたらしいテレビでテレ東の某Pが「吐き気を催すような内容のテレビ番組を作りたい」と言ったことがある。それに対して私は、「本当に吐き気を催すような嫌なことが毎日のように起きているのに、娯楽で吐き気を催すような番組を見ようなんて誰が思うんですかね?テレ東ってバカなんですか??」と書いたことがある。(これはもう記事がない、前々のはてなブログで書いた)
やはりテレビ局側に立たないと分からないことだってたくさんあるだろうけど、視聴者が求めているものは完全に届いていないだろうし、完全にズレているなとここ最近は特に感じるようになった。バラエティーでは特に顕著になった。

⑤ TVerなどの配信の普及とか時代遅れの部分

TVerなどの配信の普及、U-NEXTなどでもいいのだが、今ではいつでもどこでも何度でも見たい番組を見られるという時代だ。そして今は全自動DIGAに代表されるような全録と呼ばれるレコーダーも存在する。つまり人間は時間に縛られなくなったのだ。しかしテレビ局だけがいまだに番組表通りに進行していきスケジュール通りに放送している。これは悪く言えばテレビだけが時間に縛られている状態がずっと続いているということである。
10年前ではあり得なかった、スマホの普及などつまりテレビが時代に追いついていないのである。もう娯楽はテレビだけじゃないのに、いまだにテレビ局はテレビだけがコンテンツだと思い込んでいる節があると思う。これが視聴者から嫌われている原因の一つではないか?もう娯楽はゲームもSwitchになってるし、サブスクだってそう、YouTubeだってすごく進化した。テレビだけが停滞しているのである。
そういう考えが全くアップデートできていない。制作側がアップデートできていない。だから嫌われている。視聴者の変化をわかっていないし、感じとれていない。だから吐き気を催すような...とか言っちゃう。だから晩年民放最下位のままなんだよって言いたくなる。

視聴者側にも....

ここまでテレビ局側に色々問題を言ってきたけども視聴者側にも当然問題はある。
・キャプチャでバズると....当然いい気になってしまう。それで調子に乗る人もいるのがまた残念なところ。特に過去のニュース映像や画像を持ち出していかにも今風に、今起こったかのように取り上げて、それがリポストされていると悲しくなる。画像見れば一発で分かるのに。そんなのも分からないのかよって。
・インプレッション稼ぎ→そういうやつ(上の過去の画像を出す奴ら)に限ってなんか課金してお金を得ようとしている。それはXの仕組みが悪いのだが、もうなんというべきか。日本人もいい加減踊らされるのやめよ?って言いたくなる。
・ウケるのも、バズるのも→正直視聴者がウケたりバズったりするものってすでに出来上がっているものの二次加工作品であることが多い。まあ創作で言えば2次創作。
例としていうならクレヨンしんちゃんのひろしの声真似をしている人がYOASOBIの「アイドル」の替え歌を歌ってみた。(稼いドルとか名前も変えて)そしてYouTubeの動画に出てくるのも、うまくクレヨンしんちゃんの絵を描ける人に任せて、自分はただ歌うだけ。作詞はもちろんひろしのキャラを元に適当に構築しただけ。基盤が元々あるから楽勝にできてしまうし、自分はそんなに苦労していない。しかし、残念なことに民衆ウケがいいのはこういう2次創作の方で、最初からしっかりと作っている作品やバラエティーというのはなかなか評価されないのである。
これじゃあテレビ局側も「やってられるか!!」っていう気持ちになるのは分かる。分かるけども....テレビ局の人間という自覚があるなら、せめてそんなYouTuberっていう奴らを圧倒するような黙らせるような番組を作ってみろや!YouTubeじゃできねえことをやってみろや!って思わなくもない。結局今テレビ局がやっているのはYouTubeでもなんとなくできそうなことなのだ。
だから見透かされて嫌われているんじゃないかとも思える。

最後に 電波というのは

そもそも電波は限りある資源だと何回も言っている。よくBluetoothなど、ワイヤレスイヤホンには技適マークがついている。これは日本の電波法で認められたという証でこれがないワイヤレスイヤホンは使ってはいけないと電波法で定められている。書いてないものを使ったら即違法、妨害電波などを出した場合は5年以下の懲役または250万円以下の罰金に課せられる。(よくTEMUなんていう怪しい中華サイトにワイヤレスイヤホンが売っているが当然このマークはありません。つまりTEMUでワイヤレスイヤホン買っても日本では使えません、使ったら即電波法違法になります。参考までに。ってかそういうサイトの広告をありがたがっている時点で日本のテレビって終わってますよって言いたくなるわ)

技適マーク

電波を有効に活用するためには私は前々から何度も言っているが、民放において大規模な再編が必要だと考えている。どのテレビ局がどう組み合わせて...というのはまた別の記事でやりたいと思っている。ただNHKがBS波において、BSとBSP4Kと2つに再編したというのに民放だけはしなくてよいなんてそんなのは理由でもなんにでもならないただの怠慢だし、NHKに対しても傲慢な態度である。
明らかに最近の日テレの行為は酷く、24時間テレビの募金問題や大谷翔平の新居問題とか雲仙・普賢岳のXツイートとかセクシー田中さん問題とか完全に人も亡くなっているほどの極めて悪質な不祥事ばかりが起きているのに、民放連は何もしない。これこそ自分に対して一番甘い、悪の組織の典型例である。
そんな民放連など私は不要だと思っているし、大体東京にキー局5つは多すぎる。3つで十分。この時代そんなにテレビにくぎづけになってみるような時代ではもうないんだから。いい加減テレビ局の人間も気づかないと、日本の人口なんか1億人割るのも時間の問題。そんな中で小さなことやテレビ局が5局もあることで小さなパイを奪い合っている場合ではないのだ。もっと長期的視点から物事を見る必要がある。
私はテレ朝の一番組が取り上げてくれたからこの際今までので思いを全てブチ撒けることにした。これで分かってくれてもくれなくてもいいけど、私はこの考えなんだということだけはお伝えしておく。

もしご意見があればコメント欄にどうぞ。

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