黒板消し
「黒板消しをさ、」
「ん?」
「白いチョークの粉まみれの黒板消しをさ、」
「うん」
「2つ持って、教室の窓から、パンパンってやったことある?」
「ああ、ある。煙みたいになって楽しいよね」
「そう、あれ好きだったなあ」
「黒板消しクリーナーでウィーンってするよりも、パンパンやった方が綺麗になる気がするよね」
「小学2年生の頃かな?私はね、あの黒板消しから解放された白いチョークの粉が、いつか空まで上がっていって、雲になるんだって思ってたんだよね」
「そうなんだ」
「今となってはバカみたいな考え方かもしれないけどさ、世界が狭いっていうか」
「うん、ほんとバカだわ」
「あ、『バカって言ったらカバと結婚しないとだめ』みたいな変な考えも、ちょっと信じてた。ちょっとね」
「バカだねえ」
「あー!カバと結婚だー!」
「わー!!!ってか、ねえ、そんなことよりさ、早くこの問題終わらせようよ」
「え、なんて問題だっけ」
「『メロンパンはメロンと名乗るほどメロンの責務を全うしているのか』」
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