見出し画像

コラム『これまでのHUNTER×HUNTER』⑤

目標と裏試験


さて、前回はゾルディック家を訪問しキルア奪還という名の実質お出迎えが終了致しました。
流れ的にはここで地味にちょっとした修行編を入れていたりする辺り、冨樫先生はまじで話の作りこみがうまいです。
基本的にダレるんですよ、修行って。
読者の気分が乗らないし、失敗してもダメだし、あまつさえ期待値は高いので最大限の成果を求められるという。
そして表層だけを見ている読者はわりとこの辺で感覚狂ってるわけですわ。あの門をどうこう出来ることが世界観の上位層における戦闘力とそれほど関係ないのは物語を読んでいけばまあわかることでもあるのです。
考えてみてください。トンの扉を開けてようが、ナイフで傷はつけられるんですわドウナッテンダヨオラ('ω')

天空闘技場

一行と別れ、キルアへと無邪気に「遊ばないの?」と聞くゴンですが、改めて定めるゴンの目標は試験で結果的に自分を見逃したヒソカを一発ぶん殴ること!
しかしゴン以上の実力者であるキルアからしても、ヒソカの実力は遥か彼方。ちなみにキルアがゴンとヒソカの実力差を地面に引いた線で表現していますが、ハンゾーの実力が相当高いことも伺えます。
実際に彼はその後かなり後半になってから登場しますが、忍者として錬磨した実力に裏打ちされた強さは相当なものであり、中々に今後を注目したい人物でもあります。

とはいえ言い出したら聞かない(ここ重要)ゴンに対し、キルアはゴンに足りない経験と路銀を獲得する手っ取り早い手段としてある場所を上げました。
そう、天空闘技場です。
ちなみに参加者が書かされる必要事項の用紙にはハンター文字で以下のことが書かれています。

・バトルクエスチョン
・ナマエ
・セイネンガッピ
・トーギジョウケイケン アリ ナシ
・カクトウギレキ _ネン
・カクトウスタイル

まあハンター文字をわざわざ解読しなくても、この辺は大体会話なんかでわかるようになっています。ちなみに天空闘技場がある国家の名前は作中でも明らかになっていないので、個人的にはそういったところが凄く気になってるんですよね(考察オタ)。
なお天空闘技場までの移動手段としてここでも飛行船が登場。序盤から一貫してそうでしたが、作中では飛行船が主な交通手段であることがここでも確認できます。

そして天空闘技場ですが、地上251階というもはやどうやって建設されたのかすらよくわからない建物ですが、天空闘技場の異様な大きさは他の建物とのサイズ比でもわかります(地味に周りのビルが描かれてます)。
始まった初戦では案の定というか、試しの門を開けるような怪力を手に入れた(もとい気が付いた)ゴンに対して普通の格闘家もどきが叶うはずもなく押し出されて敗退。ここでゴンは「……こんなに力がついてたんだ」と驚いていますが、それは違います。そもそも怪力だったゴンが、試しの門での修行で力加減がうまく出来なくなっているのがこの状態です。
相手がつぶれたトマトにならなくてよかったね!ゴン!!

その辺知ってか知らずか、キルアは無難に相手が気絶する加減を見抜いてさくっと初戦突破。
キルア、試験の際もそうなんですが実力は終始トップクラスなんですよ。家族ルールで制限されていたとはいえ、ぶっちゃけこの章で登場する念能力に関しても、半端な“纏”ならさくっとぶち抜けるぐらいの手刀出せるんですわキルアくん。まあそれじゃ物語が進まないんですけどね。オーラによる防御って不可視の膜みたいなもんなので、わかってれば強度的にも対抗手段はあるという話。ぱっと見人体なのに、不可視&触ってもわからない膜で覆われてたらそら加減わからなくなりますわという。
というわけで、実はズシぐらいならわかってればまあぶっ飛ばす方法はあったんですよね。
この辺念能力の描写は徹底されてるんですが、前後してゴンがよりによって“絶”で戦うという無茶したことで、一部で
『キルアでも“纏”は破れない』
という誤解が生まれてたり。

ちなゴンとキルアは3日で100階まで到到達してますが、これも念能力があれば200階までいけるという誤解が存在していたりします。
ここで改めて指摘すると、念能力は便利ではありますが万能ではありません。誰もが銃を持っていれば人は殺せますが、素手で人間をバラバラに出来る猛獣を相手にするハンターにとっては、それはあくまで必要技能というだけの話です。

オーラの存在

さて、順調に闘技場の参加者をぽんぽん打ち倒し、200階までやってきたゴンとキルア。
彼らはここに至るまでにキルアと戦ったズシの師匠であるウイングさんと会い、ズシが使っていた技術について問いただします。
しかしそこで説かれた内容はその後詳細が説明される念能力とは別の概念……と思われるものでした。彼はそれぞれを以下の様に説明しました。
『燃』……心を燃やす意志の強さのこと。
『点』……心を一つに集中し自己を見つめ目標を定める。
『舌』……その想いを言葉にする。
『錬』……その意志を高める。
『発』……それを行動に移す。

無関係ではないこの概念ですが、ぶっちゃけきちんと師匠が付いた状態であればこれを基礎にして念能力の発動も不可能ではありません。

これの面白いところが、実際に“点”を修めることが出来れば念能力に至っていなくともヒソカの“そよ風っぽいオーラ”程度であれば耐えられるのではというところですね。
そもそも“点”を習得している時点で念の取っ掛かりは得たようなものなので、何なら水見式を経ずとも自力で覚醒するぐらいの才能の持ち主は作中の主要人物ならゴロゴロしていたりします。
そもそも無理矢理目覚めさせずとも、メインメンバーなら恐らく試しの扉と変わらない期間で精孔開けそうなんですよね。特にレオレオ。

ちなみに先ほどわたしはヒソカがゴンとキルアを追い払ったのをそよ風と表現しましたが、実際あれはかなり優しい対応で、あの時点での無防備コンビなら殺意を込めたオーラで殺害までいかなくとも気絶ぐらいは余裕だと思われるので。まあヒソヒソからしたら現状育つのが楽しみすぎる逸材なので、余計な事態(いうなれば虫食い)になる前に待ってたんでしょうけど。
ちなアニオリでエレベーターガールだかのお姉さんがやたら強者扱いされてますが、アニメはアニメなのでここでは触れません。
原作を読んでくれ('ω')
カラー版は監修入ってないので通常版でお願いしやす。

あとがき

先週は相変わらずの体調不良で更新できず申し訳ありませんでした。
今回はその分考察や勘違いの指摘に終始させていただいたので、その分楽しんでいただけると幸いです。
面白かったりHUNTER×HUNTER読みたくなったら♡押して行ってくれるとモチベになりますのでよろしくお願いします♠

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?