見出し画像

複数台のマイクとカメラを使ったWeb配信を行う方法 -基礎編-

イベントでWeb配信をしてみたい。

そんな人のために、今回は複数台のカメラとマイクを使ったWeb配信の基礎編を説明する。この記事では各機材の役割を説明する。

この記事のゴール

この配信構成図が読めるようになるはず

この記事の対象読者

  • まだWeb配信をやったことがない人

  • これからWeb配信を学ぼうと思っている人

  • 簡単な配信を担当したことがある人

最も簡単なケースは「PC標準」カメラとマイク


オンライン通話もWeb配信だ

実は、ノートパソコンを使う多くの方はすでにWeb配信を経験している。

というのも、「オンライン通話」はWeb配信だからである。

つまり皆さんは、すでに経験者なのだ。少し怖さがなくなっただろうか。

最も基本的なWeb配信の構成

PCに標準で付いているカメラとマイクを使い、通話をすることはWeb配信の最も基本的な形と言える。

実は内部で繋がれているだけで、パソコンの中にマイクとカメラが内蔵されているのである。

パソコンの内部でマイクとカメラが接続されている

通話ソフトは、MS Teams, Zoom, Google Meetなどどれでも良い。今回、例に用いるのはZoomとする。

実は参加者100人を超える大規模なオンラインイベントであっても、基本は同じである。

外付けのカメラとマイクを使うときも同じ考え方

次は「外付けのマイクやカメラ」を使うケースを考えてみよう。こういったUSBで使えるマイクやカメラを利用する方も増えていると思う。

このような外付けのカメラやマイクを使うケースも、さきほどとほぼ同じ構成だ。

外付けのカメラやマイクを使う場合

こういった外付けのカメラやマイクを使うケースも、先ほどの基本構成で "カメラとマイクがパソコンの外に出ているだけ" と言えるだろう。

やったことがある人ならば、どんどんWeb配信が身近に感じられるはずだ。

複数台のカメラとマイクを使うときは「まとめる」

ここからは先ほどよりも少し要素が増える。

複数台のカメラやマイクを「混ぜる」機材が必要になる

台数が増えると「それらを一括して扱う」機材が必要になる。

  • 音をまとめて扱う機材

  • 映像をまとめて扱う機材

と、それぞれの領域で「一括で扱い、それらを混ぜる」機材が必要だ。

オーディオミキサーとビデオスイッチャー

音はミキサー、映像はスイッチャーと呼ぶことが多い

音声と映像をそれぞれまとめる機材を以下のように呼ぶ。

  • 音をまとめて扱う機材 = オーディオミキサー

  • 映像をまとめて扱う機材 = ビデオスイッチャー

オーディオミキサー、ビデオスイッチャーを利用することで複数台のマイクとカメラをそれぞれまとめて扱う事ができるようになる。

多くのビデオスイッチャーは映像と音をまとめる機能もあるため、

オーディオミキサー  →  ビデオスイッチャー

のように連携して繋ぐことも多い。

ビデオスイッチャーをPCにカメラとマイクとして認識させるとZoomで利用できるようになる。

USBに変換する必要があることも

ビデオスイッチャーにはそのままPCに繋げられないビデオスイッチャーも存在する。

機材によってはUSBへの変換が必要なケースも

HDMI出力のみで、「USBの出力」がないケースがそれだ。
この場合は別途、USBへの変換器が必要だ。

実際の機材を繋げてみる

では実際の機材を繋げてみてみよう。

これまでの構成をおさらい

機材は私の会社で使っているものを例に、実際の構成を見てみる。

実際の機材に置き換えて見てみる

最初に掲げた構成図に戻ってきた。

ここまで到達した人はおそらくそれぞれの機材が何をしているか想像できるようになったのではないだろうか。

  • Zoom L8 : オーディオミキサー

  • Roland V8HD : ビデオスイッチャー

  • Roland UVC-01 : USB変換器

ここまで読めるようになっていれば、この記事のゴールに到達しているはずだ。

おめでとうございます 🙋‍♂️
質問があればコメントをください。

Q: OBSなどソフトウェアスイッチャーはどこに入るの?

知人から質問があったので追記。

Q: 音と映像を混ぜることのできるものの一つにOBSがあるって認識で合ってます?(挿入されている図とは順序が異なるとは思いますが)

知人の質問


OBSなどのソフトウェアスイッチャーはパソコン上の音や映像を扱える


込み入った構図を作るときも便利

OBSはソフトウェアビデオスイッチャーなので、 マイクやカメラの他に、PC上の音声や映像を扱えるのが特徴です。

基本的にはPCと配信ソフトウェアの中間に入ります。

しかし、OBSは突然一発で飛ぶことがあるので、単一障害点になることを避けるためにあまり私はその使い方をしません。

複雑な構図がほしいときにビデオスイッチャーの上流に入れることもあります。

僕はあまりソフトウェアの安定性を信用していないので、事故のない配信のためにできるだけハードウェアに寄せることをおすすめします。

機材選定は難しいのでおすすめを書いておく

はじめての人にとって機材選定は難しい。ひとまずおすすめを書いておく。

私の会社で使っているミキサーとスイッチャー

Zoom L8 は非常に廉価であるが8chの同時入力/録音が可能と高機能であるためおすすめ。チャンネル数が不安な人は上位機種のL12を買うとよいだろう。

V-8HDは高価ながら、映像と音声をワンストップで操作できる上にUIが非常に使いやすい。また、安定性が素晴らしく1年ほど利用しているが一度も不調になったことがない。

ビデオスイッチャーが高いよって人には

「まずは配信を始めたい」という方はATEM miniをおすすめする。

ATEM miniでは少しスペックが足りない…という方にはRoland V-1HD+が良いだろう。

HDMI → USBへの変換器が必要な場合は…

USBへの変換がどうしても必要な場合は、変換器が必要となる。私の会社ではこちらを利用している。

こちらも大変安定しているため、おすすめである。ゲーム配信などにも利用できるため趣味利用にも向くだろう。

マイク

最初のマイクはSHURE SM58をおすすめする。プロの業界では知らない人が居ないマイクである。

カメラ

カメラは予算等によるが、SONY ZV-1 IIが良いだろう。SONYがVlog用に開発されたZV1の後継機である。広角性能や電池持ちも改善され、配信においては非常に使いやすいだろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?