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PHPerKaigi 2023に学ぶハイブリッド配信の世界とその凄さ

TL;DR

本職で 技術広報をやっている私。配信周りに学びがあった。

  • ハイブリッド配信における質の高さ

    • コメ流したり、配信画面作るところが非常にGood Point

  • 音声に関するこだわり

    • ハウらない音飛びしない堅牢な作り方

  • 当日スタッフでできる仕事に落としているところ

    • 心理的安全性を確保する手慣れ感

来年は配信噛めると嬉しいね!

はじめに

TrackAの様子

しゅーぞーです。

昨日は PHPerKaigi2023 に当日スタッフ参加しておりました。オフライン、オンライン合計で600人を超える参加者を誇る大きなイベントです。

3日間ある日程の内、最終日のみをスタッフ担当していました。担当は主にタイマーとLT時の配信スタッフでした。

スタッフ参加における私の関心事


Findyさんのブース風景

本職が技術広報なため、以下の項目に着目しながらスタッフをやっていました。

  • イベント運営をどのように行っているか

  • スポンサー各社どのような広報活動を行っているか

    • 特にブース出品について

  • イベント配信の裏側

個人の関心事として「配信」に非常に意識を持っていかれ、そこばかり見てしまったため、今回の記事ではその部分について触れようと思います。

ハイブリッド配信はそもそも難しい。


ハイブリッド配信、つまり現地開催とオンライン配信の融合を行う形式では配信難易度があがります。

  • 現地開催のみ(つまり、配信なし)

  • オンライン開催のみ(つまり、配信上のみ)

であれば、考えることはかなり減ります。オンラインだけであれば配信に関わる人員もオフラインよりは少なく済みます。お金も使用するサービスのSubscription料で済みます。

しかし、ハイブリッドとなると急激に難易度が上がります。なぜなら物理的制約やトラブルが格段に増えるからです。これはTrack数が上がるごとに難しくなると考えて良いです。機材も増えるため当然かかるお金も増えます。

PHPerKaigiでは、非常にうまく配信設計を行っており、かつ、オペレーション自体は当日スタッフにも出来る程度まで仕事が落とし込まれていて凄さを感じました。

今回はその凄さについて話していきます。

凄さの前に、配信方法の詳細について

配信の詳細については、主催の @tomzoh さんの記事を引かせていただきます。

また、初期に配信設計を行った @rela さんの記事も参照しておきます。

想像に基づいた正確でないことを話すのは、あまり価値がないと思うので、詳細についてはこれくらいにしておきます。

凄さを感じたポイントについて

端的に3つに絞ります。

  • ハイブリッド配信における質の高さ

  • 音声に関するこだわり

  • 当日スタッフでできる仕事に落としているところ

ハイブリッド配信における質の高さ

友人 岡田さん(@okashoi)の発表画面

PHPerKaigiのTrackAでは、このような画面を会場に投影し、これと同じものがニコニコ生配信に流れていました。

驚くことに「オフライン会場の投影画面に配信のコメントが流れる」というミラクル仕様になっており、驚きを隠せなかった…!!

これは複数台のPCで OBS を起動し、コメントが流れる透過画面を重ねているらしい…!  (※1)

私から見るとそこまでしてやるのは、もはやなにかの執念に見えました。

登壇時間がもう少し!ペンライトを振って!

みたいなコメントが流れてみんなでペンライト振る時間があり、オンとオフが融合する素敵な時間でした。

みんなでペンライトを振ってる様 (肖像権を気にしてピンぼけ利用)

また、

  • 登壇者

  • 会場映像

  • Web上の登壇者情報

が、デザインされた画面に混ぜられているため、とても見やすい画面設計となっていました。これも複数人が関与して設計している、と聞きとても関心したポイントでした。弊社も是非、真似したい。

※1: これはスタッフ中に @rela さんに口頭で聞きました。

音声に関する隠されたこだわり

オンライン配信において、音がクリアでないことはかなりのストレスとなります。また、ハウる(※2)とこれまたストレスです。なので、音の管理はとても重要なポイント。

基本的には、「録った音を、音を録ってる場所にそのまま鳴らす」のは結構リスキーです。マイクで拾っちゃうから。

PHPerKaigiはここも当然考えていて以下のような構成。

  • マイクの使用頻度の高い登壇者や司会

    • 取り回しづらいが、音を拾いにくい有線ダイナミックマイク

  • 使用回数が比較的少ない質問者とオーガナイザの @tomzoh さん

    • 取り回しはいいが、混線しやすくトラブりやすい無線マイク

加えて、会場の歓声を拾おうとすると一気にハウりやすくなるため、ここは捨てられており、やはり抑えるところを抑えていて、心のなかで「:sasugayade:(さすがやで)」スタンプを押していました。

※2: スピーカの音をマイクが拾って、キーンと高い音がなること

当日スタッフでできる仕事に落としているところ

ここまでツラツラと長く書きましたが、

配信は属人化しやすい

ShuzoN

ことが実際的には一番解くのがむずかしいです。配信設計はやればできるけど、それをよくわかってない人間にやってもらうのはよっぽど難しい。

弊社も機材を使った配信が出来る人は多分3-4人程度しか居ない気がします(一般には多いと思うが1800人の会社なので…)。配信は難しいイメージが強いため、あまりやりたがる人が居ない印象があります。

PHPerKaigiでは、おそらくですが

ここを触ったらええで

謎のスタッフ

と口伝され、当日スタッフが配信を担当していました。


結構これはすごくて、一番ミスると怖い(つまり配信止めたり体験を悪くしうる)部分をちゃんと分けてやってもらう体制にしていくのは大変だろうな、と思います。

オペレーションを明確にして、

「こうやればできるから!わからなかったらコアスタッフにきいて!」

心理的安全性を作れるのは、カンファレンス慣れしているからゆえのムーブだろうな、と謎に感心していました。

長くなってしまったので以上で終わります。

まとめ

  • ハイブリッド配信における質の高さ

    • コメ流したり、配信画面作るところが非常にGood Point

  • 音声に関するこだわり

    • ハウらない音飛びしない堅牢な作り方

  • 当日スタッフでできる仕事に落としているところ

    • 心理的安全性を確保する手慣れ感

来年は配信噛めると嬉しいなぁ…!


その他、細かいポイント

  • トラックごとに機材、配信を独立しているのである程度構成がシンプルになる。全部をまとめると配信難易度がやはり上がるので、そのへんの塩梅が上手だなーと思った。

  • HDMIでは物理的に遠い距離を伝播できないため、SDIやLANに信号を変換し取り回しているのはとても学びがあった。広い会場を利用する全社総会などで提案できそう。

  • オンライン登壇者をマネキン+画面で融合して登壇させるの発想の斜め上すぎてめっちゃ笑った

  • 機材の撤収について、めっちゃ細かくケースに入れるべき機材が書かれていて超わかりやすかった

  • キャプチャボードの画質が落ちることを気にしてパススルーを利用しない、とか、OBS多段階で重ねると結果として多段階のレイヤを作れるとか、細かい工夫がいっぱいあってすごい

  • Web画面からデータを持ってきて配信画面作るのかっこよすぎるので俺もやりたい

オンライン登壇者をマネキン+画面で融合


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