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風景に潜る能力、世界を二重にみる能力

研究者や専門家、職人やアーティスト、何かしらの視点をもつ人とフィールドワーク(と言っていいのかしら)に同行する度に、改めて感じ入ることがある。

彼らは、初めての風景にもスッと潜っていき、しばらくすると何かを抱えてもどってくる。それが何なのか最初はよくわからない。でも、その手にあるキラキラとしたものをお借りして、目の前の風景を眺めさせてもらう。すると、次第にみえないものがみえてくる。


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ハケの上にかつてあった製糸工場の煙突がみえてくる。住宅地に変わる前の陸稲の畑が、目の前にある樹木の65年前の姿が、戦闘機の威嚇射撃の様子が、削り取られる前の平地が、生き生きと映し出されていく。その光景に最初は驚くが、そのうちに慣れて、現実の風景と二重写しのまま眺められるようになる。
一体、これはどんな能力なのだろう。


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彼らの所作は、知識というには余りにも身体的で、運動神経や動体視力に近いように感じる。
潜り方は人それぞれだ。どれも簡単には真似できないものばかりで、暫し愕然とする。それでも最近は、彼らがどこの筋肉を使っていて、どういう身体の使い方をしているかは、何とかわかるようになってきたかもしれない。それが少し嬉しい。

日頃の素潜り(誰からも教えてもらっていないので、デタラメかもしれないけど)のおかげだといいなあ。

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