なぜUberEatsを使ってしまうのか

最近僕はUberEatsを隔週に一度くらいで使っている。UberEatsは飲食店とユーザーの両方から手数料を取るビジネスモデルになっているため、通常のお店で買うよりもプラス500円程度高く設定されている。石焼系のメニューだったりすると、お店で食べるよりも多少は味も落ちるだろう。では、なぜ割高だと知っていて買ってしまうのだろうか。それは、単に食べ物だけを買っている訳ではないからだ。時間であったり、外に出かける準備をする手間を買っているのだ。

例えば、あなたが休日にベッドの上で映画を見ていたら、お昼ご飯を食べに行くのが面倒くさくなって、結局お昼を抜いてしまった経験はないだろうか。僕の住んでいる家からサクッとご飯を食べれるお店に行こうと思うと、少なくとも10分は歩く必要がある。往復20分と料理が出てくる間の10分を合わせて30分、さらに往復を歩く労力と家から出るための準備に割く労力を考えると、それが500円で買えるなら僕は割安だと感じてしまうのだ。その代わりに、映画を中断することなく見続けたり、本を読んだりすることができる。また、UberEatsにはスマホの購入ボタンを押すだけで、決済も瞬時に行われ、玄関先まで届けてくれる秀逸なユーザエクスペリエンスがある。一見割高で何度も頼む人なんていないと思ってしまいそうだが、食べ物に加えて、時間や手間を買っているとなると、独身男性や忙しいビジネスマンに好まれるサービスになっても何も不思議はないだろう。

もしUberEatsが拡大したとすると(UberEatsに限らず類似のサービスでもいいのだけれど)、実は飲食店にとっては結構恐ろしいことが起こるのではないかと思っている。一見、飲食店からするとUberEatsに登録すれば、これまでお店に足を運んでくれなかったユーザーにリーチする機会が生まれ、ハッピーのように見えるかもしれない。一方で、この逆も起きうると思うのだ。つまり、これまでお店に足を運んでくれていたユーザーがUberEatsを使い他のお店の商品を注文してしまうことによって、ユーザーを失う可能性がある。お店に足を運ぶ場合は、必然的に家やオフィスから近い場所を選択しがちだが、UberEatsだと距離はあまり関係ない。そのため、競合が増える。プラットフォーム依存になってしまうと、UberEatsのアプリ状のアルゴリズムやUIが権威を振るうようになり、飲食店側としてのリスクは大きいと思うのだ。

とまあ、最近よく使っているサービスを一例にとってみたのですが、そのサービスが何をリプレイスしようとしているのかはマーケティング的には重要な視点だと思っているので、色々と考えてしまう。使う前のサービスへのイメージと使った後のイメージが大きく変わったりするので、一消費者になることも合わせて大切なことだなーと思ったりする。今週も頑張りたい。ではでは。

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