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【レポート】2021.08.29 『シュシュシュの娘』を監督の前で好き放題に語る会@Loft9 Shibuya

8月29日にLoft9 Shibuyaにて「僕らのモテるための映画聖典」のメンバー、入江悠監督、上鈴木伯周さん(ラッパー)、駒木根隆介さん(俳優)、亀田梨紗さん(俳優)、林賢一さん(脚本家)、大川喬さん(編集長)の6名によるトークイベントが行われました!

その名も「『シュシュシュの娘』を監督の前で好き放題に語る会」

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2時間半、ゲストもお招きしながら『シュシュシュの娘』についてネタバレあり、裏話あり、とたくさん語っていただきました!

今回はネタバレを含まない形でレポートさせていただきます!

第1部「公開直後の『シュシュシュの娘』をみんなで語る!」

監督以外の5名の方が思う『シュシュシュの娘』についてのプレゼンをしました。

○大川さん 

テーマ「『シュシュシュの娘』は何を描いた作品なのか」
なんと37枚ものスライドと共に熱くプレゼンしてくださいました。
『シュシュシュの娘』を「FUKUYAサーガ」の第5部であるとし、本作に『シュシュシュの娘〜ちくわをめぐる冒険〜』というサブタイトルをつけた大川さん。それに対し監督からは「えーー!?」との声が。ちくわの穴というのは未宇の心の穴であり、私たちの心の穴である。その心の穴を武器に変えて戦う未宇の物語であることから、心にちくわを抱えていても生きていいんだ、戦っていいんだというのが『シュシュシュの娘』であり、「FUKUYAサーガ」であると締めくくりました。

○駒木根さん 

テーマ「シュシュシュとは何か」
本作の核心である部分はまさにシュシュシュですがそれ以外にもシュシュシュはあるのではないか、ということ隠れシュシュシュを探してくださいました。自警団のメンバーがずっとやっている動き、牟根田が鴉丸家で未宇に会うシーンでの手の動きをあげた上で、シュシュシュと発声すると口から空気がシュッとでていくのと同じように外に働きかけている身体の反応であると定義しました。シュシュシュとは私たちの中にある。シュシュシュと外に出ることが難しくなった時代この映画を作った入江監督のフットワークもシュシュシュであるし、これから私たち日常の中にもシュシュシュは隠れているのではないのかという考察でした。

○林さん 

テーマ「カット職人」
僕モテを始めてから7年間、映画のカット数を数えていて、最近の2年間はカット数を数えるのはやめて「コメディカットに恋してる」という連載をしている林さんが、久々に本作のカット数を数えてくださいました。総カット数は409カット、1カット平均が12.9秒。また映画が進むに従ってカット秒数が短くなることで映画のテンポが上がっているとプレゼンしてくださいました。また今作のコメディカットにも注目してくださり、林さんの好きなシーンは、鴉丸吾郎が未宇に秘密を打ち明けたシーンの吾郎「薬はいらね。」、未宇が吾郎に向かって「…技とかない」の2シーンだそうです!

○亀田さん 

テーマ「『シュシュシュの娘』の色気について」
亀田さんが一番色っぽいなと感じた点は未宇の秘密の姿の衣装の布だそうです。ぱっと見ではわからないけれど、よく見ると生地に刺繍がされていたり、艶や輝りがあることに気がついてくださった亀田さん。吾郎に服を見せに行った時の部屋に入る光、高峰産廃でのオレンジの光、最後の必殺仕事人のシーンの月夜の光、当たる光によって変わる布の印象の違いを熱く語ってくださいました。また、エンドロールで流れる「新型コロナウイルスにより苦境に追い込まれた全国のミニシアターへ」という文字に亀田さんが一番グッときたと言ってくださいました。

○上鈴木さん 

テーマ「照れるな入江悠!」
神鈴木さんは入江監督の作品を並べて、それぞれの作品を点で見るのではなく、その映画の点がつながって次の作品へと繋がることから線となり、そして今回の『シュシュシュの娘』へとつながり、ここからシュシュシュの学生スタッフのこれからの活動、ミニシアターへの広がりへと繋がるとお話ししてくださいました。作品を点から線、そして面とみた後、監督自身を点から線そして面で見てみると…?監督デビューの時の写真から、メジャーな映画を制作した多忙期を経て、『シュシュシュの娘』の時の晴れやかな顔の写真を見てみると、監督は色々なことを経て、ミニシアターを背負って純粋自主映画を撮れたことで「気持ちいい〜!」と思っているはず!入江悠史上1番軽い作品で、しっかりと練られて筋の通った軽さ、つまりちくわである!とお話ししてくださり、最後は上鈴木さんによるラップで締めくくりました。

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第2部「『シュシュシュの娘』の関係者が集結! 映画の舞台裏をネタバレなしで大公開」


『シュシュシュの娘』で欠かせない印象的な音楽を作曲してくださった海田庄吾さんをゲストにお迎えして、音楽の制作についてお話ししてくださいました。
入江悠監督『ビジランテ』『ギャングース』、次作の『聖地X』でも音楽を担当されていて、入江監督とは今作で4作目の付き合いとなる海田さん。型にはまらないよう、今作では風船を引っ張って出るピューという音を使ったり、スタッフや上鈴木さんが自宅で録音した「シュ」という声を組み合わせたりと音楽制作の裏話を聞かせてくださいました。海田さんによると今作の音楽は自由にやりすぎたそうですが、それが『シュシュシュの娘』ならではの良さでもあると感じます。

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後半は市長・小池宗介役の三溝浩二さん、市長秘書・佐川宣人役の松澤仁晶さん、主人公未宇の職場の上司・牟根田瞳役の金谷真由美さんがゲストとして来てくださり、お客さんや僕モテメンバーからの質疑応答が行われ、制作秘話について語ってくださいました。

ーー市長が居酒屋で「桜を見る会でも〜」と話すシーンはどのように生まれましたか?

実は三溝さんによるアドリブのシーンだそうで、監督に「1分間、自由に話してください。」と事前に言われていた三溝さんは、実際に市役所に取材に行って生の声を聞きながらセリフを作られたそうです。また松澤さんも監督に「7分くらい話せるように準備しておいてください。」と言われたそうで、松澤さんも秘書の方に取材をされたようで、役作りに対する思いを聞くことができました。

ーーセリフに「コロナ」と入っているけれど、役ではマスクをしていないので、映画を撮る上でコロナ禍の描写をするのかしないのか悩まれましたか?

監督は、フィクションにおいてマスクをするかしないかは難しくて答えが出ていないけれど、今作ではしないという選択をしましたが、市役所の役員役の中でもマスクをする人を作ったりして、コロナがあったということをスルーするのではなく、今の時代を残したいという思いからこのような選択をされたとお話しされました。

ーーオーディションではどのようなことをされましたか?

今作が入江監督とは初めてだった金谷さんは、初めに脚本を読んだ上で、悪役だったらあなたはどうされますかと監督からメールで役作りについて聞かれ、金谷さんは熱い思いを返信したことで牟根田役としてオーディションに呼ばれたそうです。ただ、オーディションで1番緊張したのは鴉丸吾郎役の代役をした時だそうで、会場は笑いに包まれました。

第3部「『シュシュシュの娘』、レアグッズをプレゼント」


第3部ではグッズプレゼントの抽選会が行われ、景品には『シュシュシュの娘』のTシャツやサコッシュ、Mini Theater Parkのシールやマスクケース、そして、駒木根さんのが自宅から持ってきた私物の「成敗」という協力型カードゲームなどがありました。そして最後にご来場いただいた全員に入江監督の自主映画レーベル「BROCCO film」のシール、ちくわステッカーなどのプレゼントもあり、大盛況のなかイベントが終了しました。

『シュシュシュの娘』をもう一度見たいとうずうずしてしまうような裏話がたくさん聞けた貴重なトークイベントでした。

このイベントの配信視聴は9月12日までこちらからできます。

https://twitcasting.tv/loft9shibuya/shopcart/85150


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