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やっぱり駄目だった

お付き合いが始まったけれど、すぐに気付いた。


「やっぱり無理だ」


「女性として見られている」と思うだけで気持ちが悪くなってしまう。

それまで嫌悪感なんて一切感じなかったのに。

電話が来るたびに「出たくない」と思った。

駅で私を待つ彼を見るたびに「気持ち悪い」と感じた。

一緒に出掛ける日が近付けば近付くほど気分が滅入った。


そんな状態だったから、結局4か月程でお別れしてしまった。

彼には本当に申し訳なかったけれど、以前ほど落ち込まなかった。

「そうなるだろうな」なんて、なんだか冷静に考えていた。

お相手の男性には詳細は伝えていないけれど、丁寧にお詫びをした。

「一緒にいてくれてありがとう」と言ってくれる、最後まで優しい人だった。


この出来事で、「蛙化現象」が勝手に治ることは無いであろうこと、

「大丈夫かも」なんて思ったけれど、全く大丈夫じゃなかったことを、ありありと突き付けられた。


季節は、冬。

年末が迫っていたことも、踏ん切りをつけるきっかけになったのだと思う。



今まで散々逃げてきたけれど、まだ実行していないことがある

仕事も辞めて、まっさらになった今が変わるチャンスじゃないのか

・・・お母さんに、手紙を書こう



そう覚悟した。



覚悟した今じゃないときっと一生できない。

そう思って、その足で手紙を書くための白い便箋と封筒を買いに走った。

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