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孫子の兵法から学ぶトレード 【上】

【孫子の兵法とは】

孫子の考えは、現在ビジネスの場において広く活用されている。

トレードにも応用が利きそうだ。

そこで、本記事では投資に役立ちそうな考えをまとめていく。

孫子の兵法の内容は以下の13篇から成る。

①計篇

「勝算のないトレードをしてはならない」
勝てる見込みがないのに戦うのは愚の骨頂だ。
戦う前に勝ちを確信できるか。
そうでなければ、おそらく負け戦となるだろう。
何気なく戦ってはいけない。
トレードは、勝てる見込みがあっても存外負けるものである。
自信のある勝負だけ挑もう。


②作戦篇

トレードは拙速を尊ぶ」
戦争の目的は勝つことであり、戦い続けることではない。           
完璧を期して戦いが長期化するよりも、少々拙い点があっても速やかに事を進めるべしと説いている。
長期戦は軍を疲弊させるだけだからだ。
トレードにおいては、長期トレードも考えられる。
ただ、長期トレードでも勝算のない勝負はいけない。
すなわち、塩漬けのことである。
塩漬けは計画的な産物ではないため、勝算があるとはいえないのだ。


③謀攻篇

「戦わずして勝つ」
戦いによって勝利を得ても、失うものはある。
戦争でいえば、自軍の兵だ。
敵よりも被害は小さいとはいえ、パワーを消耗している。
トレードにおいても、無駄な取引は慎んだほうが賢明かもしれない。
「彼を知り己を知り勝利を見極めよ」

敵と自分の状態を把握して、勝利を掴めということ。
勝負事で、勝つために敵をリサーチするのは当たり前ともいえる。
敵の弱点をみつければ、戦局を有利に運べるからだ。
しかし、自分にも弱点はある。
それを補ってこそ磐石の態勢だ。
トレードで例えてみよう。
銘柄選びは完璧だったのに、体調を崩して仕掛けの判断を誤った。
この場合、体調管理まで努めていれば勝てたかもしれない。
自己の管理までしっかり行って、はじめて完璧といえるのだ。


④形篇

「負けない備えを優先せよ」
戦上手は、まず自身の守りを固め、次に相手の弱点を露呈する。
負けない工夫は自分でできるが、勝てるかどうかは相手次第だ。
トレードでも同じことがいえる。
資産を守るために損切りを徹底し、大きな利益が出るのを待つ。
利益が出るかどうかは運も絡んでくる。
自分でコントロールできる範囲を優先しよう。
「勝ってから戦う」

勝者は勝ちを確信してから戦い、敗者は戦ってから勝ちを求めるということ。
トレードでは勝ちを確信するのが難しい。
だから全力投資は危険なのである。
負けたときのリスクを考えて、分散投資することが望ましい。

⑤勢篇

「正には奇、奇には正」
勝負は正法によって対峙し、奇法で勝利を収める。
正法と正法がぶつかった場合は、力の強い者が勝つ。
ゆえに力の弱い者は、正面衝突を避けねばならない。
そこで奇法を用いるのである。
トレードで例えるなら、機関投資家が強者、個人投資家が弱者だ。
資金量で個人投資家は機関投資家に勝てない。
同じ戦い方をしていてはダメだ。
個人投資家にしかとれない戦略を選ぼう。
「勢いとタイミングが重要」
普段ビクともしない岩が激流によって流されるのは、水に勢いがあるからだ。水そのものにパワーがあるわけではない。
しかし、勢いがあっても水の量が少なければ岩を押し流せない。
水の量が集まるタイミングも重要なのだ。
勢いとタイミングを味方に付ければ、弱者が強者を倒すことも可能だ。
そのためには大局観と判断力を養うべきだろう。



⑥虚実篇

「主体的に戦略ストーリーを描け」
自ら構想を練ったとおりの戦いは勝ちやすい。
主導権を握れるからだ
一方、相手の構想に乗せられてしまった場合、
こちらは受身の戦いを強いられてしまう。
主導権が敵味方どちらにあるかで勝敗を大きく左右する。
トレードも同じだ。銘柄は人に聞くのでなく、自分で選ぼう。
「相手の意図をつかみとれ」
勝負において、相手との駆け引きは重要だ。
相手がどう動くか把握することで、局面を有利に動かせる。
そのために洞察力は欠かせない。
トレードでは、売り方と買い方のどちらか多いほうが勝つ。
自分が買い方で参加しているのなら、売りの出方を窺う。
売り方が更に売り増そうとしているのか、撤退しようとしているか、わかれば自ずと利益は出てくるだろう。



⑦軍争篇

「迂をもって直となす」
遠回りを近道に変える戦術を「迂直の計」という。
それを可能にしているのが、短期戦術と長期戦略だ。
2つは別のようだが、繋がっているのである。
株式投資も短期投資と長期投資がある。
投資する期間は異なるが、考え方はそれぞれ取り入れることができるだろう。




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