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期待をやめた頃に嬉しいことは起こる、という話。



夜に元彼と1ヶ月ぶりに電話する約束をしていた、土曜の朝。



時間の約束のためLINEしてみた。
いつもの彼なら返事がすぐ来るわけないし、わたしはもうすぐ仕事だから気にせず用意を始めていた。



すると、すぐ返事が返ってきた。

彼に今日の予定を聞かれた。
もうすぐ仕事って伝えると、実は今〇〇の最寄駅に車でいるんだけど、送っていい?って


??!!!?!


突然目の前の色彩がさっきまでの5割マシぐらいで鮮明になった。
連絡不精、出不精の彼が、自分から動いてくれた!?明日雪降る!?

喜んで急いで用意して家を飛び出した。
第一声はどうしよう、どんな顔したらいいんだろう、ニヤニヤしてないかな、一瞬でいろいろ考えながら助手席のドアを開けた。

秋色セーターの彼が笑顔で迎えてくれた。
久しぶり!どう過ごしてた?
道中近況を話してたのしかった。
わたしは今までどんな風に話していたか忘れかけてて、ちょっとぎこちなかったかもだけど。

最近も忙しいみたい。
今日は珍しく朝から散髪に行ってたらしく、帰りがけにわたしの家の近くを通ったから聞いてみたって。
嬉しいな、彼の思考の中にわたしちゃんと登場してるじゃん。

車から降りた後、エレベーターでくっついてきた彼。
全然気持ちありそうで安心(笑)


出勤前にしあわせなひと時を過ごせてほくほくなわたし。
しかも夜も電話してくれるなんて!


待ち遠しくて、仕事の時間は一瞬に感じた。


そして約束の時間に、すべて用意を終えて待機していたわたし。
この時間をどれだけたのしみにしていたか。
なのに、来たLINEが

「ごめん、お風呂で寝てしまってて、20分ぐらい遅れるかも」

………そうだった、こいつはそういうやつだった。
本当にわたしはいつも人を待っている。

付き合いたてのわたしだったら泣くか怒るかで大変だったけど、今のわたしは菩薩だし、まず彼女じゃないしな…(笑)

ちゃんとその後かかってきたし、全然わたしはご機嫌!
俺っていつもそうだよね、何か一つ喜ばせてあげられても、何かでまた怒らせるようなことしてしまう(涙)
って自分で言ってたから許す!

それに、来月のデートが決まった!
わたしはもうそれで大満足。1ヶ月元気に過ごせる担保になる。

ちょっと予定外だったことは、彼が翌日休みだからこの日を選んだのに、かなり早い段階で寝ぼけだして会話にならなかったこと。
もっとしっぽり長電話できるつもりだった。
もう次いつ電話できるかわからないのに〜!!


でも、彼が寝落ちた後、彼の寝息を聞きながら寝るのは久しぶりでしあわせだった。
ほんとにお疲れなんだね。わたしは寛大な心で受け入れることにしたからな。


この日は毎日毎日病んでいた時間が報われたようなすごい日だった。
諦める準備ができてきたのがよかったのかもしれない。
だいたい期待してないといいことあるよね。


さあ、また一から片想いだと思って、彼との来月のデートをたのしみに。


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